だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

素朴派のセラフィーヌ

2010-06-19 21:57:34 | 映画
六本木の国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展2010」は、絵画ファンを集めて大人気!オルセー美術館改装中のため、115点もの作品が来日。右を向いても左を向いても名作ばかり…。個人的には、ゴッホやゴーギャンが好き。

映画の影響かも知れませんね、うふふ。実は1番の楽しみはアンリ・ルソー。彼の作品は、『戦争』(1894頃)と『蛇使いの女』(1907)の2作品。素晴らしくって、しばしうっとり。構図も色も独自の世界を作り出していました。

ご存知かもしれませんが、ルソーはパリ市の税関職員で休みに絵を描く“日曜画家”でした。得意の熱帯ジャングルなんて行ったこともありません。植物園や動物園、図鑑を見て描いたそうな。ルソーは“素朴派”の画家。

絵画について正式な教育を受けないまま、絵画を制作している画家たちを指します。うむ。税官吏ルソーの作品を最初に購入した人が、ヴィルヘルム・ウーデ(1874~1947)。彼は、「セラフィーヌの庭」(08)に登場します。

監督・脚本はマルタン・プロヴォスト。1912年、パリ郊外のサンリス。家政婦として働くセラフィーヌ・ルイ(ヨランド・モロー)は、貧しく孤独な女性。セラフィーヌの慰めは絵。草や木、花に話しかけ、植物などから作る絵具を使って描くのです。

ある日、ドイツ人画商のヴィルヘルム・ウーデ(ウルリッヒ・トゥクール)が、妹アンヌ・マリー(アンヌ・ベネント)とともに引っ越して来ます。セラフィーヌの絵に衝撃を受けたウーデは、彼女に絵を描くことを勧めます。

ウーデの支援を受けて、自由に画材を買うことができるようになったセラフィーヌ。大好きな絵を描く幸せ。しかし1914年、第1次世界大戦がはじまります。ドイツ人のウーデは、敵国人。やむなくフランスを離れることになるのです。

セラフィーヌ・ルイ(1864~1942)は、時計職人の娘として生まれ、13歳でパリに奉公に出されます。18歳の時、修道院に雇われそこで20年間を過ごします。38歳で家政婦となり、ウーデと出会ったのは41歳でした。

セラフィーヌも素朴派の画家。彼女のこと、この映画を調べるまでまったく知りませんでした。演じるヨランド・モロー(ベルギー人)にも注目です。
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