だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

み~んな、メキシコ人

2009-12-14 22:15:11 | 映画
スタッフ、キャストの名前を見て、びっくりした映画。それが「ルド and クルシ」(08)。監督・脚本は「天国の口、終りの楽園。」(01)の脚本を書き、アルフォンソ・キュアロン監督を兄に持つ、カルロス・キュアロン。1966年生まれ。

製作には、そのアルフォンソ・キュアロン。「天国の口、終りの楽園。」(01)「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(04)「トゥモロー・ワールド」(06)の監督ですね。1961年11月28日生まれ。

同じく、1963年8月15日生まれのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。「アモーレス・ペロス」(99)「21グラム」(03)「バベル」(06)の監督。「バベル」で、カンヌ国際映画祭監督賞受賞。

そしてもう1人、ギレルモ・デル・トロ!「ブレイド2」(02)「ヘルボーイ」(04)「パンズ・ラビリンス」(06)の監督。同作で製作を担当した、フリーダ・トレスブランコも。ちなみにデル・トロは、1964年10月9日生まれ。

こんなすごいスタッフの映画って、どんなのぉ~?予想に反して、自由気ままなラテン系極楽兄弟のコメディなんです。兄弟を演じるのは、「天国の口、終りの楽園。」のガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ。

メキシコの片田舎のバナナ園で働き、地元の草サッカーに夢中な兄弟。兄のべト(ディエゴ・ルナ)と妻子があるのにギャンブル好きなゴールキーパーで、“ルド”(タフな乱暴者の意)と呼ばれています

弟のタト(ガエル・ガルシア・ベルナル)は優秀なストラーカー。でもホントは歌手になるのが夢。ある日、2人は偶然通りかかったスカウトの目に止まり、メキシコシティに招かれます。2人は別々のチームで活躍。

やがてタトは、大げさなプレーから“クルシ”(ダサイい自惚れ屋の意)と呼ばれるようになります。兄弟は、貧乏からいきなりセレブに…。しかし、ルドはギャンブルと麻薬にハマり、クルシは宝くじ番組のセクシーなMCに翻弄され…。

この後、2人に訪れる運命とは?どうする、ルド&クルシ!ガエルは、1978年11月30日生まれ。「ブラインドネス」(08)「リミッツ・オブ・コントロール」(09)に出演。ディエゴは、1979年12月29日生まれ。「ミスター・ロンリー」(07)「ミルク」(08)に出演。

キュアロンも、イニャリトゥも、デル・トロも、ガエルも、ディエゴもみんなメキシコ人。メキシコ人って熱いのねぇ~。
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ペネロピとアルモドバル

2009-12-13 20:45:15 | 映画
スペインを代表する美しすぎる女優と言えば、そりゃ~ペネロペ・クルス。1974年4月28日マドリード生まれ。デビュー作「ハモンハモン」(92)で、いきなりゴヤ賞の主演賞候補になります。ペドロ・アルモドバル監督、ハビエル・バルデム共演。

アレハンドロ・アメナーバル監督作「オープン・ユア・アイズ」(97)で彼女の美しさに見とれた私は、アメリカ映画に進出したスティーヴン・フリアーズ監督作「ハイロー・カントリー」(98)からずっと見ています。他の出演作は…

「すべての美しい馬」(00)「バニラ・スカイ」「コレリ大尉のマンドリン」「ブロウ」(01)「ゴシカ」(03)「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」(05)「恋愛上手になるために」(07)「エレジー」「それでも恋するバルセロナ」(08)と続きます。

遅ればせながら、スペイン時代の未見作はレンタルで消化。ペネロピとアルモドバル監督の映画は他に、「ライブ・フレッシュ」(97)「オール・アバウト・マイ・マザー」(98)「ボルベール <帰郷>」(06)があります。

美しいだけでなく、演技の方も確か。「ボルベール <帰郷>」でカンヌ国際映画祭女優賞受賞。アカデミー賞の主演女優賞にもノミネートされています。「それでも恋するバルセロナ」では、念願のアカデミー賞助演女優賞を受賞!

そんなペネロピの最新作は、アルモドバル監督の「抱擁のかけら」(09)。脚本も書いたアルモドバルに対し、『この脚本は、私の人生の中で読んだ最高のもの』と絶賛したペネロピ。期待は高まります!

14年前に起きた凄惨な事故によって、生涯をかけた愛と人生のすべてと視力を失った男(ルイス・オマール)。彼は執筆業で使っているペンネーム、ハリー・ケインを名乗り別の人生を送っていました。それまでの自分を封印して。

ハリーの本名マテオ・ブランコは、かつて映画監督として活躍。その時、女優を夢見るレナ(ペネロピ・クルス)と出会い、2人は恋に落ちます。しかし、レナにはエルネスト(ホセ・ルイス・ゴメス)という、富と権力を持つパトロンがいたのです。

やがて愛に目覚め、女優として花開くレナ。しかし事件は起こります。映画は、事件の謎を握る男との再会から真実を明らかにしていきます。ええっ~、なに?知りたい!美しきペネロピ、見ましょう!
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No.5は、こうして生まれた…

2009-12-12 21:46:53 | 映画
ココ・シャネルの映画ブームは、まだ続いていました。思い出せば、クリスチャン・デュゲイ監督作「ココ・シャネル」(08)。若き日のシャネル役をバルボラ・ボブローヴァ、15年のブランクからファッション界に復活する時のシャネルを、シャーリー・マクレーン。

アンヌ・フォンテーヌ監督作「ココ・アヴァン・シャネル」(09)では、オドレイ・トトゥが演じました。映画の題材は、孤児院育ちのガブリエルがお針子となり、姉とキャバレーで歌手として働き、その時出会った将校エチエンヌの愛人となります。

やがて生涯の恋人ボーイ・カペルとめぐり会い、同時にファッションの世界へと踏み出して行きます。公開時は古いけど、ジョージ・カッツェンダー監督「ココ・シャネル」(81)もあり、マリー=フランス・ピジェ、ティモシー・ダルトン、ルトガー・ハウアー出演。

今や世界的ファッション・ブランドの創始者として有名な、ココ・シャネルのもう1本の映画が公開されます。「シャネル&ストラヴィンスキー」(09)です。監督は、「ドーベルマン」(97)以来12年ぶりのヤン・クーネン。

1913年、パリのシャンゼリゼ劇場。ストラヴィンスキー(マッツ・ミケルセン)は、自作『春の祭典』の初演を迎えていました。しかし、革新的なその作品はパリ市民から認められることはありませんでした。それから7年。

1920年、デザイナーとして成功したシャネル(アナ・ムグラリス)は、愛するアーサー・ボーイ・カペルを事故で失いました。その頃、ストラヴィンスキーはロシア革命後、すべてを失い難民としてパリで暮らしていました。

2人は、ミシア・セール(ナターシャ・リンダンジェ)とセルゲイ・ディアギレフ(グリゴリイ・マヌロフ)の計らいで出会います。そしてストラヴィンスキーはシャネルの勧めを受け、ガルシュにあるヴィラへと移り住むのでした。4人の子供と病身の妻と…。

ロシアのイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882~1971)は、バレエ曲『火の鳥』 『ペトルーシュカ』 『春の祭典』などを作曲。ニジンスキーやジョージ・バランシンも出てくるのかしら。わくわく。

シャネルとストラヴィンスキー。この2人につながりがあったなんて!シャネルが香水“No.5”を生み出すきっかけとなった出会い…。ぜひ、知りたいです。
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ギリアム監督と、4人のトニー

2009-12-10 21:52:51 | 映画
テリー・ギリアム!大好きな監督です。1940年11月22日ミネソタ州ミネアポリス出身。英国人かと思っていたのは、映画人としてのスタートが英国製作のTV「空飛ぶモンティ・パイソン」(69~73)だったから。

映画の方は、「バンデットQ」(81)から見てます。以下「未来世紀ブラジル」(85)「バロン」(89)「フィッシャー・キング」(91)「12モンキーズ」(95)「ラスベガスをやっつけろ」(98)「ロスト・イン・ラ・マンチャ」(01)

「ローズ・イン・タイドランド」 「ブラザーズ・グリム」(05)と、どれも好き。大変な時期もあり、その辺は「ロスト・イン・ラ・マンチャ」に描かれています。そして待ちに待った最新作が、やっと!公開になります。待ってましたよ。

Dr.パスナサスの鏡」(09)、それは08年1月22日急死したヒース・レジャーの未完の遺作。彼の死はショックでしたが、誰よりもショックだったのはギリアム監督のはず。またしても未完成になるのかと…。

「ドン・キホーテを殺した男(原題)」となるはずだったその映画は、「ロスト・イン・ラ・マンチャ」と題したドキュメンタリーとして編集。監督の悲劇は続き、今回も完成しないのか。しかし!ギリアム監督は強かった!

主役のヒースの役を、4人で演じるという秘策に出たのです!2007年ロンドン。科学者パルナサス博士(クリストファー・プラマー)率いる旅芸人一座。出し物は“イマジナリウム”という、不思議な世界を体験できる鏡。

その鏡を潜り抜けると、どんな願いも叶うのです。めくるめく色彩の、摩訶不思議な世界の中で。しかし、博士にはある秘密が…1000歳になる博士は、自らの不死を悪魔(トム・ウェイツ)と契約していました。

娘のヴァレンティナ(リリー・コール)が16歳になったら、差し出さねばならないのです。その日まで後3日。果たして娘を無事に守ることができるのでしょうか?偶然一座に加わった記憶喪失の謎の青年トニー役は、ヒース。

鏡の中のトニーを、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウが演じます。素晴らしい!他に一座の青年アントンに、「BOY A」(07)のアンドリュー・ガーフィールド。ちなみにトニー役の3人は、出演料全額をヒースの遺児マチルダ(05年生)に寄贈。

ギリアム監督を慕い、ヒースの意思を継ぐ俳優たち、ああ~、期待せずにはおれません!
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俳優座の十二人

2009-12-08 21:02:21 | 演劇
先日、渋谷シアター・コクーンでの「十二人の怒れる男」を観劇。この作品は、もう何回も見ていますが、蜷川さん演出では初めて。特設のベンチシート(正面)でした。劇場が大きいせいか、テーブルが長い!

映画「十二人の怒れる男」(57)と、12人が座る位置は同じ。レジナルド・ローズ(脚本)とシドニー・ルメット(監督)の2人が作ったTV作品を、映画化した本作は裁判劇の代表作。本当に面白い!もし未見の方は、絶対必見!

私がこの作品は見たのは、六本木の俳優座劇場がほとんど。1944年(昭和19年)に劇団俳優座として出発。いまでは古びた感がある俳優座劇場ですが、大劇場にはない親しみやすい劇場です。見やすいし大好き!

その俳優座で、またまた「十二人の怒れる男たち」が上演されます。翻訳は酒井洋子、演出は西川信廣。恒例(?)のキャストは…陪審員1号 大滝寛(文学座)/陪審員2号 荘司肇(俳優座)/陪審員3号 三木敏彦(文学座)

陪審員4号 立花一男(俳優座)/陪審員5号 井上倫宏(演劇集団円)/陪審員6号 岡田吉弘(昴)/陪審員7号 高橋克明(文学座)/陪審員8号 松橋登(フリー)/陪審員9号 小山内一雄(朋友)/陪審員10号 外山誠二(文学座)

陪審員11号 里村孝雄(劇団1980)/陪審員12号 松島正芳(俳優座)/守衛 高塚慎太郎(文学座)…となっています。渋いですね~。蜷川さんの舞台と違って派手さはないですが、じっくり演劇を楽しむには十分すぎるくらいのキャストです。

いまさらストーリーは書きませんが、(未見の方のためにも)映画の製作年でもわかるように、1950年代のNYが舞台。12人が評決を話し合う部屋は、クーラーもなく扇風機。外は蒸し暑い夏の夕暮れ時。

そんな時代にすでにある“陪審員制度”は、日本では“裁判員制度”として2009年5月21日スタート。いつかめぐって来るその日のためにも、見ておきたいですね。もちろん、私も。
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海は広いな、大きいな

2009-12-07 22:27:43 | 映画
前回の題名、変でしたね。500日って1年と135日。135日は4ヶ月半。つまり500日は、1年と4ヶ月半だったんですね~。うむ。トムとサマーの恋物語。見なくっちゃ!で、今日は気分を変えてドキュメンタリー映画を。

ジャック・ぺランといえば、パリ生まれの俳優として「家族日誌」(62)「恋のなぎさ」(64)「ロシュフォールの恋人たち」(66)などに出演。甘いマスクとは反対に、製作者として「Z」(69)や「戒厳令」(73)という社会派映画を製作・出演しています。

「ニュー・シネマ・パラダイス」(89)で久々に見たぺランは、1941年7月13日生まれだから、この時すでに48歳。その後も「ミクロコスモス」(96)「WATARIDORI」(01)という優れた作品を製作し、高い評価を得ています。

ドキュメンタリー映画の代表としては、BBCの「ディープ・ブルー」(03)や「アース」(07)、リュック・ジャケ監督「皇帝ペンギン」(05)などが有名ですが、ぺランが「WATARIDORI」以来、久々に監督しました。

それが「オーシャンズ」(09)、共同監督は「WATARIDORI」のジャック・クルーゾ。タイトルでわかるように、舞台は“海”。ある少年の『海ってなに?』の一言から始まったこの企画は、構想10年、撮影期間4年間に及びます。

製作費70億円、世界50ヶ所、撮影70回、100種類の生き物をとらえています。たとえば、回転しながら波間を切り裂くバンドウイルカの大群、強大な吸引力でそこにいるすべてを飲み込もうとするザトウクジラ。

しわくちゃの赤ちゃんを前足で抱くセイウチ、画面いっぱいに広がる5万匹のクモガニの交尾など、見たこともない未知の世界が広がります!アニメ「ファインディング・ニモ」(03)でも楽しませてくれた、大群の魚たちも。

シーネットルという巨大なクラゲの群れ、人魚に間違われたというジュゴン、ガラパゴス諸島のウミイグアナ、日本の佐渡島で撮影されたコブダイ、メキシコ沖のオニイトマキエイやホオジロザメ、カリフォルニアのマンボウ…

生き物たちの姿もですが、海そのものも未知の世界。なぜ青いのか?どこまで大きいのか?ところで少年って、マクサンス・ペランね、ぺランの息子の。海をなかなか見ることのない私としては、(もぐれないし)興味津津。
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500日って、何日?

2009-12-05 21:43:58 | 映画
ズーイー・デシャネルを認識したのは、たぶん「銀河ヒッチハイク・ガイド」(05)。ダグラス・アダムスの原作を、マーティン・フリーマン、サム・ロックウェル、モス・デフ、ビル・ナイ、ジョン・マルコヴィッチたち個性派が出演した作品。

その中で紅一点のトリリアンを演じてます。他にアニメ「サーフズ・アップ」(07)で、ペンギンのライフガード、ラニの声を担当。声も個性的です。「テラビシアにかける橋」(07)のエドマンズ先生や、「ジェシー・ジェームズの暗殺」(07)のドロシー役。

最近は「イエスマン “YES”は人生のパスワード」(08)や「ハプニング」(08)も。クリクリッとした目とダークブラウンの髪が印象的な女優さん。1980年1月17日、ロサンゼルス生まれ。映画デビューは、ローレンス・カスダン監督作「マムフォード先生」(99未)。

最新作「(500日)のサマー」(09)でも、そのキュートな個性が活かされています。トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、建築家を夢見る青年。グリーティングカードの会社で、ライターとして働いています。

<1日目>はじめてサマー(ズーイー・デシャネル)に出会ったのは、ボスの新しいアシスタントとして入社した時。ボスから紹介されて、トムは一目で恋に落ちます。サマーは自分に関心がないと思っていた<4日目>。

エレベーターの中で、トムのヘッドフォンから漏れる音を聞いたサマーが、声をかけて来たのです。その日から徐々に会話を交わすようになった2人。<28日目>カラオケパーティーで、トムはサマーに問いかけます。

『彼氏はいる?』 サマーは答えます『恋人なんて欲しくない。誰かの所有物になるなんて理解できないわ』。友だちならば…というサマーとの<34日目>。ようやくベッドインした2人でしたが、サマーは真実の愛なんて信じない女性。

こうして、トムとサマーの<500日>が綴られていきます。結末は?ジョセフ・ゴードン=レヴィットは、「ブリック」(05)「セントアンナの奇跡」 「G.I.ジョー」(08)に出演。監督は、これが長編デビューのマーク・ウェブ。

ズーイーを知ってる人も、お初の人も彼女に会いに出かけましょ。
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スパイク・ジョーンズのかいじゅうたち

2009-12-03 22:33:52 | 映画
「マルコヴィッチの穴」(99)で、いきなり映画監督としてデビューしたスパイク・ジョーンズ。7階と1/2階にある会社に就職した、人形使いのクレイグ(ジョン・キューザック)。そこで彼は、俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に通じる“穴”を発見。

15分間だけマルコヴィッチの頭の中がのぞけるなんて、その不条理さでなぜかグイグイ引き込んでしまう脚本を書いたのは、「脳内ニューヨーク」(08)で初監督を果たした、チャーリー・カウフマン。2人とも変わってるから…。

それはともかく、ジョーンズ作品には製作担当の「ヒューマンネイチュア」(01)や「脳内ニューヨーク」の他、監督作品に「アダプテーション」(02)があります。そんな監督の最新作は、モーリス・センダック著の有名絵本の映画化。

かいじゅうたちのいるところ」(09)、これ“20世紀最高の絵本”と呼ばれているそうな。絵本を見なくなって、ン十年の私には『そうなんだぁ~』というわけですが、ジョーンズ作品とくれば『なるほどね~』と納得。

誰も見たことのない奇想天外の世界を描くのが得意で、自由自在に想像力を膨らませ、見る者をわくわくさせるジョーンズ作品。それも主役マックス役のマックス・レコーズ少年(当時9歳)の発見があったからこそ。

8歳のマックス(マックス・レコーズ)のママ(キャサリン・キーナー)はパパと離婚して、今は恋人(マーク・ラファロ)に夢中。姉のクレアは、小さな弟なんてまったく無視。マックスの不満はたまっていくばかり…。

ある晩、オオカミの着ぐるみを着たマックスは、ママの言うことに逆らった揚句、テーブルの上に!怒ったママは、マックスに部屋に行くよう言いつけます。悲しくなって泣き出したマックスは、家を飛び出してしまいます。

通りを抜け、林を抜け、いつの間にか見知らぬ浜辺に。そこにあったボートに乗り、マックスは1人で海に漕ぎ出します。やがてある島にたどり着くと、そこには見たこともない巨大なかいじゅうたちが!果たしてこの島はなに?

他の出演は、ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、ジェームズ・ガンドルフィーニ、キャサリン・オハラ、フォレスト・ウィッテカー、ポール・ダノ。1963年出版、64年コールデコット賞受賞の本作。

日本語吹き替え版もありますが、もちろん私はオリジナル版で。あなたは?
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一角獣と洗礼者ヨハネ

2009-12-02 21:09:12 | 展覧会
バロック絵画の先駆者と呼ばれる、カラヴァッジョ(1571年9月28日~1610年7月18日)。大好きな西洋絵画の画家の中でも、1番好きな画家です。イタリアのミラノ出身。本名は、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。長い!

日本でも彼の作品だけを集めた展覧会や、選りすぐりの作品だけ来日したりで、結構ご存知の方もいらっしゃるかも。主な作品には、若き日の自らをモデルにした『病める少年バッコス』(1593年頃)や『果物籠を持つ少年(果物売り)』(1593年頃)

聖書を題材にした、『ホロフェルネスの首を斬るユディト』(1595~96年頃) 『エマオの晩餐』(1596年頃) 『聖トマスの懐疑』(1599年頃) 『聖マタイの召命』(1600) 『キリストの埋葬』(1600) 『イサクの犠牲』(1603年頃)

カラヴァッジョの作品はイタリアの美術館を中心に集められていますが、そのひとつが“ボルゲーゼ美術館”です。来年、上野の東京都美術館で開催の、「ボルゲーゼ美術館展」。期待せずにはいられません。なにしろ日本初公開の作品がいっぱい!

映画「天使と悪魔」(09)で紹介された、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598~1680)の『シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像』(1632)、ラファエロ・サンツィオ(1483~1520)の『一角獣を抱く貴婦人』(1506年頃)

サンドロ・ボッティチェリ(1445~1510)と弟子による『聖母子、洗礼者ヨハネと天使』(1488年頃)、パオロ・ヴェロネーゼ(1528~1588)の『魚に説教する聖アントニオ』(1580年頃)、そしてカラヴァッジョの『洗礼者ヨハネ』(1609~10)も。

美術書でしか、見たことのない作品に出会える喜び。うれしい!ボルゲーゼ美術館は、ローマ市北東部の広大なボルゲーゼ公園の中にあります。シエナ出身の貴族ボルゲーゼ家、歴代の美術コレクションが集められています。

カラヴァッジョに影響された追随者(画家)を“カラヴァジェスキ”と呼び、本展では彼らの作品も展示。イタリア・ルネサンスやバロック美術の約250年に渡る流れを、約50点の作品を通して展示されます。ああ~、待ちきれない!
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加藤さんのラブストーリー

2009-12-01 09:14:15 | 演劇
C・S・ルイスの本名は、クライブ・ステープルス・ルイス。愛称ジャック。ご存知のようにイギリスの小説家です。1898年11月29日北アイルランド・ベルファスト出身。なんと言っても、小説『ナルニア国ものがたり』が有名。

1 『ライオンと魔女』(50)/2 『カスピアン王子のつのぶえ』(51)/3 『朝びらき丸 東の海へ』(52)/4 『銀のいす』(53)/5 『馬と少年』(54)/6 『魔術師のおい』(55)/7 『さいごの戦い』(56)の7作。

映画化された「ライオンと魔女」(05)「カスピアン王子の角笛」(08)に続く、「朝びらき丸 東の海へ」は全米2010年12月公開予定。まだ先ですね。ところで、原作者のルイスは1度だけ結婚しています。

お相手はルイスの愛読者で離婚歴のある、17歳年下のアメリカ人詩人ジョイ・デイヴィッドマン・グレシャム。1通のファンレターから始まった2人の関係は、当初ジョイが英国籍を取得したいため…と言われていました。

1956年2人は結婚。しかしジョイは骨髄癌のため、4年後、1960年45歳の若さで亡くなります。その悲しみをルイスは、『悲しみを見つめて』(76/N・W・クラーク名義)で残しました。ルイスとジョイの物語は、戯曲『シャドーランズ』(ウィリアム・ニコルソン著)にもなっています。

大好きな加藤健一事務所の最新作は、その「シャドーランズ」です。カトケン事務所30周年記念作品は、いつものコメディではなくしっとりとしたドラマ。ジャック役は加藤健一。ジョイ役は春風ひとみ。元宝塚月組娘役さんも、今は舞台のベテラン女優です。

他に、斎藤晴彦、新井康弘、佐藤誓、奥村洋治、神谷美羽、榊原健一、石田麻織恵、鈴木幸二の皆さん。翻訳:小田島雄志、小田島恒志。演出:鵜山仁。ううっ、期待!ちょっとトリビア。この作品、津嘉山正種さん主演で見ています。

津嘉山さんは、1996年のこの作品で“第4回読売演劇大賞最優秀男優賞”を受賞。さらにリチャード・アッテンボロー監督、アンソニー・ホプキンス、デブラ・ウィンガー主演「永遠(とわ)の愛に生きて」(93)として映画化。

ジョイを追うように、3年後亡くなったルイス(1963年11月22日没)。いつもと違う加藤さんの大人のラブストーリー。新年幕開けの舞台です。
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