『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

三連勝!!

2021-11-01 06:17:00 | 藤井 聡太
竜王戦『福島決戦』で
ソーちゃんが
見事「三連勝」を果たし、
ビッグ・タイトルに王手とした。

0勝6敗でスタートした
宿敵・強敵トヨピーに、
これで叡王戦ファイナルセットから
4連勝という破竹の快進撃である。

終盤で
ソーちゃんがAI推奨手の
妙手を間髪放つと
トヨピーは意表をつかれて
2時間ちかい長考に追い込まれた。

解説者も、
「そう指すもんなんですね。
 ふつうの棋士が思いつく手ではない」
と嘆息をもらす
ディープラーニングAIのみが
読みうる手だった。

トヨピーは
悩み抜いた挙句
「2四桂」という
防戦一方の疑問手を
指してしまった。

そこから
緊張の糸が切れたように
均衡を保っていた局面が
いっきに挑戦者側に傾いた。

それは、
あたかも勝利の女神が、
臆したチャンピオンに
頭(つむり)を振って
「そこで逃げちゃダメ…」
とでも
失望したかのように映った。







若きチャレンジャー側は
背筋をシャンと伸ばして
盤面を睥睨していたが、
あの羽生永世七冠を退けた
竜王の肩はガクリと落ち、
そこには、ここまでの
棋界「最強棋士」というオーラは
消え失せていた。

31歳の竜王に対し、
19歳の挑戦者が
「世代交代」と「役者交代」を
宣言したかのような
厳しくも残酷な勝負の世界の
一シーンだった。

トヨピーは
2019年の29歳時のインタヴューで、
「長くやるつもりは考えていなかったが、
彼の5年後、10年頃に闘ってみたいと
思うようになった…」
と「6勝0敗」で語っていた。

そしたら、
その2年後に
10勝12敗で追い越され、
叡王を奪取され、
今、竜王も失おうとしている。

ソーちゃんは
「自分のピークは
たぶん26歳頃かと思う」
と語っていたが、
とすれば、
同じく「愛知の天才少年」と
畏れられたトヨピーは、
彼の弁に拠れば
すでにピークを過ぎた
という事になる。

棋士というボードゲーマーは
頭脳アスリートなので、
体力・精神力・集中力という
カラダの若さにも依存する。

なんだか、
きのうのトヨピーの
萎れぶりと諦念に満ちた敗戦の弁を
見るにつけ聞くにつけ、
叡王・竜王とたて続けに
自分を超える「天才」に奪取され、
彼は棋界を潔く去るのではないか…
と、思わされた。




ソーちゃんが小6の時に
杉本師匠が、
「愛知の星」だった
無冠時代の豊島青年を
わざわざ自宅に招き
愛弟子の勉強のためにと
初対局をセッティングした。

二人は、
いずれ闘う事になり、
どちらかが天下を取るか
分け合うだろう
と読んでいたのだから、
大した名伯楽である。

事実、
ソーちゃんが
急速に棋力を付けたのも
トヨピーとの今季の
十九番連続の真剣勝負が
大きいのは、
火を見るよりも明らかである。

おそらく、
本人がそれをいちばん
実感していることだろう。

そして、
棋士としての矜持も学んだ、
と正直に述べている。

彼は賢君に相応しいような
惻隠の情を身につけており、
モンゴル人横綱たちのように
勝負に買ってガッツポーズなぞを
することは決してない。

敗者に対しても
礼節を尽くし、
一期一会、一座建立の
禅的精神を以ってして
「よろしくお願いします」
「ありがとうございました」
と黙礼・互礼をするのである。

そう…。

魂理学的に見ると、
将棋とは、
ツールとゲームを介して、
己れの「たましい」の錬磨、
陶冶をするのが本質であって、
勝った・負けたの
浅薄な精神世界ではないのかもしれない。

棋士は互いに交合しあって、
「美しい棋譜」を後世に残す、
という事では、
見事に表現者・芸術家でもある。

それは、
戦のなかった平安時代に
貴人間に流行った
「蹴鞠(けまり)」の精神にも
通じるものをも感じさせられる。

あの遊戯には「勝敗」がなく、
互いに協力しあって
「まり」を落とさないという事で
心を通わせ合う、
言わば「和を以て貴しとなす」
という日本独自の精神で
競争原理を排したものなのである。






今回の『福島決戦』でも
ソーちゃんの
優れた人間性に触れることが出来て、
ますます彼を好きになった。

そして、
碧水先生の歌を一首
想い起こした。
 
 
 頭のよい賢さと
 も一つ人間としての賢さと
 二つありといふ









ゆんべは
お弟子さんのR先生が
私用で来福し
ホテルに投宿すると聞いたので、
夜咄(よばなし)の薄茶事に
お招きした。







夏休み以降、
まったく茶室に
出入りしてなかったので、
久しぶりに庭に咲いていた
一輪の白ユリを切って
照り葉とともに
竹花入に活けてみた。

以前、玄関室礼で取り合わせた
自筆の『舞』と
50年来実家の我が家にある
博多人形とを室礼に飾った。







燭台の灯かりのみで
お点前をするので、
やり慣れていないと
見えない箇所が多々あり
勘働きで所作をするようである。

ここ数か月、
さぼっていたせいか
お点前の順を忘れてしまったり、
ほんに情けない
半呆け隠居茶人である(笑)。

ま、遊芸やし…
一座建立で気持ちよう
お客様に喫茶して頂ければ
それで良し…
ではある(笑)。

お菓子も
フレンチのスポンタネ(即興)精神で
冷蔵庫の素材で創りあげた。

濃茶器の仕覆の結び方すら
忘れてしまい、
忸怩たる思いで
YouTubeを眺めて思い出した(笑)。

あーあ…。

┐(´ー`)┌  






R先生から
お土産にポプリを頂いた。

来月の玄関室礼に
クリスマス・オナメントと一緒に
飾ろうと思っている。

ほぼ修復の完了した
スピネット・チェンバロの
試し弾きをしていたので、
R先生にもクリーガーの
『メヌエット』を
一曲お聴かせしたら
驚いておられた(笑)。

なかなか
チェンバロ弾いてる
カウンセラーなんて
いないもんねぇ…(笑)。

( ˶˙ᴗ˙˶ )ゞ ヘヘ…





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