『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

後継を育む

2020-10-10 05:56:00 | 仕事

エリクソンは、
発達段階として、
30代後半から60代半ばまでを
「成人後期」または
「壮年期」として、
「次世代の人々のために
知識・経験・愛情を
継承していく時期」
とした。

そんなことを
意識もしていなかったが、
仕事柄、教員時代も
カウンセラー時代も
次世代を教え育んできた。




そして、今、
将来の「心理師」を目指す
お弟子さんたちのために
自分が通ってきた
国家試験の対策やら
教材作りに時間を費やしている。

利他的とも
ヴォランティアとも
言えようが、
させて頂ける相手がある
ということを
有り難くも感じている。

【育児は育自】
と同じく、
それは自らにも返ってくる
営為なのである。

かつて、
『Pay it foward』
という映画があったが、
これは日本語では
「恩送り」
という。

「恩返し」は
当人に返すが、
「恩送り」は
人から受けた恩を
他者へと返すことである。

親に受けた恩を
我が子に返すのも
「恩送り」と言えようか。

愛された人は、
人を愛するようになるのは
自明の理である。

亡き父が
孫たちを溺愛していたのを見て
そう思ったことがある。

次男、三男は
3歳、0歳に祖父を亡くしているが、
亡くなるその日まで、
どれほどに二人の孫のことを
愛し可愛がってくれたか…。

辛うじて
その感触を覚えているのか、
アキは「おじいちゃん」の
写真を持っていった。

【三つ子の魂百まで】で、
当人には記憶はなくとも、
その時期に
【真の愛情】を受けた子は
精神が安定し、
自己肯定感を持つことができ、
自己実現のために
人生を冒険し楽しめるのである。

カミさんが、
彼岸や盆の墓参を
欠かさないのも、
そんな愛情深かった
亡父への恩義を感じて
参らずにいられないのかもしれない。





三十代の父母たちに
教育講演する機会が
時折あるが、
それもまた
次世代を育む仕事なのかもしれない、
と先日の講演後にも感じた。

きのうも、
T中で子育て中の先生に
育児相談を受けて
カウンセラーと
三人息子を育てた父親として
「母親のあるべきようわ」
を助言した。

ある先生からは、
「先生がいらっしゃる
金曜日が待ち遠しいんです」
とまで仰って頂き、
ひと様のお役に立てていることが
嬉しく感じられた。

脳科学によれば
「承認欲求」が満たされると
ドーパミンやエンドルフィンが
分泌されて気持ちよく感じ、
さらに「やる気」が出るそうな。

SNSで「いいね」を得ると
「嬉しくなる」というのは
そういうことなのである。

カウンセラーは
面接というリアルな場で
「いいね」を出しているのである。





これまで、
ギターのお弟子さんもたくさん居て、
今も、リサイタルで共演した
ハッシーが
熱心に習いに来てくれている。

自分が生涯をかけて
獲得してきた知識や技を
少しでも次世代に
継承したいと思うのは、
生物的な利己的遺伝子と同じく
ミーム(文化的遺伝子)の
セルフィッシュな特性でも
あるのかもしれない。





茶弟子もひとりいるが、
大学院の後輩の彼は、
現在は横浜在住で
教員をしながら茶を嗜み、
一昨年には
【茶事百篇】の偉業を為した。

数年前に、
岡山の「金光町」にある
金光教本部に招聘されて
全国教会長研修会で
講演を依頼された時には、
岡山に実家のある彼が
わざわざホテルまで
会いに来てくれて
旧交を温めたことがある。

また、
学界で東北に来た時は、
福島に立ち寄り、
懐石料理店で
茶の湯の話に花が咲いた。






きょうも、11時から
心理のお弟子さんが来られるので、
ミニ懐石で
濃茶を振舞ってあげようと
朝から準備している。









我が家の
「家宝」の一つでもある
ポーランド人陶芸家
トマさんの「東山の月」と
富雄さんの「志野茶碗」で
“もてなし”の精神を
伝授したい。











Mセンセんちの
自家製「無農薬レモン」で
去年仕込んだ
「リモンチェッロ」が
一年熟成したので
テイスティングしてみた。

35度もある
強いテキーラベースなので
喉から食道にかけて
ジンジン焼けるような
刺激感があった。

それでも、
爽やかなレモン・フレーバーと
仄かな苦みが
いい具合に仕上がっていた。

また、しばらく、
寝かせてから
その成長を楽しみたい。


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