『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

デジュネ・ド・メ

2023-05-11 06:57:23 | フレンチ

 

 

きのうは
隔週に通院している
口腔外科での
開口リハビリの日だった。

指2本分しか開かない
顎関節症を治療するのに、
口の中に手を入れられて
グイと拡げられるが、
「アガアガ・・・」
いいながら、
『いなかっぺ大将』の
大ちゃんみたいな涙が
ボロリと出るほどイタイ。

終わってからも
顔面神経痛のように
コメカミのあたりに
疝痛がズキズキと走る。

痛み止めが処方されているが、
虫歯のように削ったら
治療完了とはいが、
もう、暮れから半年近く
疝痛、鈍痛があって
気鬱にもなってしまう。

それに加えての
三年越しの坐骨神経痛である。

あちこちと痛みに苛まされて
前期高齢者やってるのも
楽じゃないなぁ・・・と、
愁嘆している。

ほんでも、
孫のリク坊の誕生日には、
ビデオレターで送った
『♪ハピバースデ』に
「センキューッ!!」
と、満面の笑顔で言ってくれて、
ずいぶんと癒されている。

やはり、「孫クスリ」は
大したものである。

一緒に京都散策した二日間は、
どこも痛くもなく、
脳内麻薬が効いてたみたいだった(笑)。

***

辛い開口訓練の後には、
自分へのご褒美として、
月一で、三ツ星フレンチで
「うつ病」にならないように
一喜一憂のバランスをとっている。

きのうも
前々からシェフにお願いしていた
リー・ド・ヴォーのアラカルトを
楽しみに、お店に寄らせて頂いた。

***

平日のデジュネ(ランチ)なので、
他客はなく、オーナーシェフのお店を
貸し切り状態でノンビリ、
歓談を交えながら、食事を
楽しませて頂いた。

これは、
心理カウンセラーにとっては、
リフレッシュ、リラクゼーション、
レクリエーションの「3R」で、
大事な「癒しの時間」でもある。

そして、趣味の創作フレンチの
料理学校のような実食と
レシピ勉強にもなっている。

きのうも、
「ノワ・ド・リー・ド・ヴォー」
(仔牛の胸腺)の部位や、
「マルテーズ・ソース」のレシピや
「アルペルジュ・ブラン」の
食し方について勉強になった。

40年来、フレンチを学び、
食べてきても、まだまだ、
プロのシェフから
教わることは尽きることがない。

 

*

きのうは、五月晴れで
日向に停めていた車中の温度計は
31℃を示していた。

“おフレンチ”に行くときは、
いつも、ハレのお祭り気分で、
コスプレもどきの仮装行列のような
非日常的な身づくろいで出かけるのを
常としている。

きのうは、
朝方の口腔外科にも
パイロットシャツ姿で出向いたので、
主治医から
「佐々木さんは。
ANAにお勤めなんですか?」
と、マジに言われてしまい、
「いえいえ。
これはファッションでして…」
と汗顔の至りだった(笑)。

なんだか、
いつもより看護師さんからも、
好奇の目で見られていたような
気がした(笑)。

***

定刻にレストランに到着すると、
玄関前で
マダムがお迎え下さり、
エントランスまで
エスコートしてくだすった。

個室には、
いつもながら、
ウェルカム・フラワーが
卓上にセットされ、
豪奢な『レイノー』の飾り皿と
フルール(花々)の饗宴が
目を楽しませくれた。

*

オードヴルは、
フランス産サラミと
シコレ、ロケットのサラダ。

亀甲模様の
ジャポネスクのレイノーは
オーヴンで温めてあり、
ヴィネグレットのアロマが
よく立っていた。

シェフの話では、
イタリアでは豚コレラのせいで、
シャルキュトリ(食肉加工品)は
生産できず、数年後になる、
との事だった。

それで、
サルシッチャや
プロシュットも
お目にかかれない筈である。

*

ロワール産の
『アルペルジュ・ブラン』は
今がまさに旬で、
それのみでも堂々たる
アラカルトの逸品にもなる。

都内のグランメゾンなら、
一皿3000円は下らないだろう。

『マルテーズ・ソース』は、
オランデーズに煮詰めたオレンジのジュを
加えたソースだという。

その鮮やかな色は
色白のアルペルジュに
艶冶に映えていた。

*

メインの
『ノワ・ド・リー・ド・ヴォー』は、
これまで幾度も味わったものとは
別格の最上部位で、
そのテクスチュアもまた
並み材とは違ったものだった。

シェフからは、
下ごしらえとして
ブランシール(下茹で)した素材を
見せて頂いてから
それをソテーして
ヴィネーグル・ド・ケレス
(シェリー・ビネガー)
のソースと共に味わった。

『アスペルジュ・ヴェルデ』
(グリーン・アスパラ)
は、会津散の新鮮なもので、
フランス産の素材とも
いいマリアージュであった。

*

デセールは、
『グラス・ド・プラリネ』。

こないだ、カミさんの誕生日に、
アーモンドをフードプロセッサーで砕き、
カラメルに混ぜ込んで
自家製プラリネを拵えたばかりだった(笑)。

*

ミニャルディーズ
(プチフール/小茶菓子)
にエクスプレスをやって、
コースの〆とした。

***

シェフの蔵書の中から、
初めて見る
文芸春秋社の昭和本
『プロの味』は、
クラシックなフレンチが満載で、
自分も一冊ほしいと
Amazonを見たら
5000円以上ものプレミア価格で
手が出なかった。

その中から、
かつては、
ベルナール・パコーの
スペシャリティである
『クー・ド・ブッフのブレゼ』
(牛テールの赤ワイン煮)や
『タルト・タタン』なぞも
シェフに創って頂いたことがある。

***

来月も、
口腔外科の治療は続くので、
開口リハビリ後の
気慰めとして、
シェフの得意な
『ラングスティーヌ』の
クウィズィーヌ(お料理)を
お願いした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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