『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

ルネッサンス意匠のヴィウエラ

2024-06-02 07:14:38 | 古楽器製作

 

今週は中体連があり、
きのうから
「私的九連休」となった。

なので、
初日のきのうは
この期間に古楽器を一本
仕上げようと、製作に入った。



16世紀スペイン発祥の
「ヴィウエラ(vihuela)」という
ギターに似た6コースの
ルネッサンス期の楽器である。

これまでも数本製作し、
いずれもお買い上げ頂いているが、
個人的にも好きな古楽器の一つである。

表面板と裏板、ネックは
すでに数本分は仕上がっているので、
横板の曲げさえすれば
すぐにもパーツ組み立て出来るが、
今回は、先日、仕入れた
希少材の「パープルハート」という
ローズ色の素材を生かして
ルネッサンスらしい装飾美の
一本を創ろうと取り組んでいる。

「45×70×474㎜」の角材を
電動丸鋸をブンブンいわせて
7枚くらいの薄板に剥ぎ、
さらに、ストライプにするのに
2.5㎝幅にカットしていく。

先日、バンドソーの刃も
替えたばかりなので、
正確な直線切りができて、
気持ちよく作業が捗っている。

アガチス材と交互に接着してから、
表面を電動カンナで均し、
モールド(木型)に合わせて
裏板の形に切り出す。

なんだか、
シェークスピア時代の
ピエロの服装を彷彿させるような
心浮き立つ意匠になった。



これに合わせて、
ネックも指板もヘッドも
全部ツートンの
ストライプ加工にする。


さぞかし、お洒落な
ルネッサンスっぽい一本に
仕上がりそうで
楽しみである。

【美しい楽器は美しい音がする】
という経験則から
その音質にも期待している。

完成したら、
また、デモ演奏として
オリジナルのミランや
ナルバエスの曲を試奏してみたい。

***

午前中に3時間ほど
一気に根を詰めた製作をしたので、
気晴らしに、外食に出た。

シティ情報誌で見つけた
カツ屋と蕎麦屋のコラボで、
蕎麦タレを用いた
『刑事ドラマの
取調室に出てくるカツ丼』(笑)
というのを試食してきた。

その見てくれも
“いかにも”で、微笑ましかった。

値段はけっこうよかったが、
こういう洒落っ気は
“喰道楽”には
食指を動かされるものである。

**

今日は
七年続いている
恒例の『アンムクライ会』なので、
薄茶事のために
水無月の朔日だったので
茶筅を改めた。

馴染みのお茶屋さんだが、
年々、茶筅師の後継者がいなくなり、
日本の職人物は
ついに7000円近くになってしまい、
かつての3倍にもなった。

一方で、中国製のものが出てきて、
かつての値と同じくらいの
二千円台で買えた。

これは一本ずつ
職人の手で竹を割って
穂先を曲げて仕上げるので、
大量生産品はないので
価格高騰も致し方なしかもしれない。

これを作る機械を作っても
そのコストがまた価格に反映するから
せいぜいが職人仕事の
半額がいいところだろう。

・・・というので、
工場製品と思える
プラ製のものがあったが、
値段は三千円以上もし、
その味気無さは
とても、これで茶を立てたい
という気になれるものではなかった。

茶筅師の後継者が
途絶えそうとあれば、
三千家はじめ、
世界中の茶人にとっては
由々しき事態である。

その時は、
自分で作るよりなくなる
という事になるかもしれぬ。

茶杓は簡単で、
茶人自らが削ることはよくあり、
これまで何本も削ったが、
さすがに茶筅となると、
そうとうな技巧を要するだろう。

そんな、よもやま噺も
気楽な薄茶時では
いっ時の話題になるやもである。

***

茶事の時には
御用達の老舗菓子舗である
『松屋清風庵』では
季節の主菓子『水無月』と
波紋やせせらぎを模った
干菓子を求めてきた。

薄茶事といえ、
お菓子を愛でる楽しみは
また格別なものである。

**

薄茶事の後は、
フレンチ・デジュネ(ランチ)で
クラシカルなスペシャリティの
『キャナール・ロティ・ソース・ヴィガラード』
をメインに楽しんでくる。

フランス産の鴨を
ヴィアン・ロゼにローストし、
それをエマンセ(薄切り)にして、
古典的なオレンジソースを
合わせたものである。

三婆(元嬢・・・笑)とも、
教職を勇退し、
悠々自適の生活なので、
このくらいの老後の贅沢は
許されるくらい
社会には十分貢献してきた。



**

フレンチ後の二次会は、
大学ギター部同期の
アキオ君の吹奏楽団コンサートに赴き、
彼の晴れ姿と演奏を聴き、
楽屋見舞いを届けてくる。

きのうは、
酒屋で吟醸酒を求め、
熨斗紙だけもらって
書室で揮毫した。

彼は、
院展に何度も入賞するほどの
書家なので、
へっぽこ字しか書けないジジイは
汗顔の至りなのだが、
ま、それ・・・
気は心、書は人、であるからして・・・(笑)。

彼は、校長退職後には
音楽活動に精を出しながらも、
母校の特任教授にも招聘されたから
教育界に今なお貢献しており、
元同じギタークラブ員として
誇りに思っている。








コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« さすが、ソーちゃん!! | トップ | 水無月「初夏」のフレンチ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

古楽器製作」カテゴリの最新記事