すごい試合だった女子W杯。
今朝もその余韻が続いている。
ニュースや朝刊では
世界中から賛辞が寄せられていて
被災者としても
誇らしくも嬉しくも思った。
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フランクフルター・アルゲマイネ紙
「今大会で最も粘り強いチームの組織力の勝利」
南ドイツ新聞
「すし職人の包丁さばきのようにピッチを鋭く切り裂いた」
英ガーディアン紙
「3月の地震と津波でいまだに動揺している国民に、
心の安らぎを与えるという
偉大な目標に日本チームは常に動かされていた」
米FWワンバック
「米国以上に日本はチームが勝つことを必要としていた。
彼女らは決してあきらめなかった」
米ゴールキーパー・ソロ
「プレーが正確で、なにより粘り強かった。
震災を克服しようとする「何か大きな力」が
勝利を呼び込んだ」
ニューヨーク・タイムズ
「希望と忍耐で数少ない幸運を生かして
勝利に酔った日本が被災地を励ました」
米スポーツ専門局ESPN
「被災した日本の人々が得た充実感は
熱狂的な米国のファンだろうと、
だれであろうと感じることはできない」
オバマ米大統領
「日本おめでとう」
新華社通信
「疲れを知らぬ走りと2度追いついた強靱な精神は
女子サッカーの斬新なイメージを打ち立て、
アジアの地位を高めた。
なでしこは世界のサッカーの歴史を書き換えると同時に、
中国チームの灯台にもなっている。
パワースタイルのチームを相次いで破り、
テクニックスタイルのチームとして初の優勝を果たした。
美しいサッカーと美しい奇跡は
被災した民族に自信をもたらすだろう」
この世紀の名勝負には
さまざまな見所があったが、
決して派手ではないものの
最後のPKに望んだときの
熊谷選手のアップの表情が
なんだか熱く胸を打った。
なんだか、まだ幼げな
二十歳の彼女に
サッカーの女神が
その時を与えたような
ドラマを見るようだった。
この奇跡の試合をドキュメント化するなら
このシーンでどんな音楽を
流したらいいだろうか、と
ふと考えてみた。
やはり、ここは音楽よりも
心臓の鼓動をクレッシェンドにして
無音のポーズの後に、
スローモーションで蹴りだしたボールが
ゴールネットを揺らす…
という映像演出をしたい処だ。
そして、ゴールが決まった後に
ホルストの『ジュピター』を
クライマックス音で流したら
さぞかし、ふさわしいだろう。
澤も素晴らしかったが、
この試合でのマイ・ヒロインは
熊谷紗希だった。