宜良の市場にて。写真左は瀋陽市の国営工場製の機械で唐辛子を刻む。ちなみに雲南では、米線に細長く押し出す機械もなぜか瀋陽製が多い。食品関係の機械が得意な地域のようである。
写真右は、動力は人間の力で唐辛子を切り刻む。こちらの方が、なぜかさわやかな香りが高いような気がした。
【切り刻む機械】
ヘタ取りを終え、5ミリ幅程度のざく切りにする工程がまた興味深いものでした。あるところでは、はるか北方の瀋陽市の国営工場製の機械(専用機械があるのだ)を使っていました。スパゲッティの麺を押し出すように、一気にたらいに切ったものが押し出されていきます。または、伝統的なスタイルなのでしょう、1.5メートル×30センチぐらいの細長いの木桶にざく切り専用の特殊な道具を使って、おばちゃん達がザクザクと切り刻んでいました。日本では見たこともないような独特な形のものです。仕事をしている、という壮絶さはなく、ひたすらおだやか。
どっちを向いてもジャクジャクという小気味よい音がし、さわやかな香りが漂っています。辛さでむせることはない。目にも染みない。ひたすらピーマンの青臭さが抜けたような香りが、暑い日差しに心地よいのです。
さて、ここまでしたら、この後には普通だったら、すぐに塩を入れて乳酸発酵させそうなのですが、この市場では、その様子がまるでありません。ざく切りしたものを1キロぐらいの単位でただただ瓶詰めしているのです。
どうやらこのあたりの人々は自家製の味付けや使い方にこだわりがあるようで、様々な味付けや使い方ができるように味つけなど、(宜良は雲南名産品と一つ『湯池老醤』の産地。唐辛子をベースに様々な調味料、ものによっては野生のキノコを混ぜ、発酵させた調味料もヒットしている。ごはんに載せて食べてもよし、炒め物に混ぜてもよし。これを使って豆腐の唐辛子漬けや辛い浜納豆のような「豆鼓」など様々な製品を作っているのだが、それもまた雲南では人気がある。唐辛子は隠し味のはずだが、結構、辛い。)
ちょっと切ったばかりのものをいただいてみましたが、激辛、というほどではなく、辛みの中に甘さや旨みがあるような深みがありました。辛いけど、うまい、という味です。
さて、一度、切り刻むと、塩やアルコールなどを混ぜない限りは、傷みが早かろうにと思ったのですが、ここではその心配の必要がないほど、よく売れていました。
聞くと、ちょっとした肉料理にネギなどのハーブ系とともに、たっぷりの生の刻み唐辛子を入れて、塩や醤油で炒めたり、などしていると、すぐに使い切ってしまうそうです。防腐にかかわる作業はしないようなのです。
写真下は、写真上右の唐辛子を刻む機械の全貌。写真を撮ったら、とても喜んでいた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます