写真はドロワ川の岸辺の歩行者天国で、なぜかバイクの貸し出しを行う風景。よくみると、似たようながっしりとした体形の男性陣がつなぎの服を着て同じ方向を見ている。テントに書かれた「スーパーボック」はポルトガルの有名ビールメーカー。何かのイベントだったのだろうか? それとも週末の日常なのか?
【丘の上のレストラン】
さて、お昼の時間です。
せっかくドロワ川の対岸にきたというのに、岸辺が排ガスくさい。というのも「フェレイラ」の手前からドン・ルイス一世橋まで歩行者天国となっていて、のんびりとした風景の中、なぜかバイク屋に人だかりが。貸し出し用なのか不明なのですが、そこに集うおじさまたちがやたらと「ブン、ブウン、ブブーン」と空ぶかしをして気勢をあげています。せっかくの環境なのにもったいない・・。
そこで岸辺から離れて「フェレイラ」の裏手を進むことにしました。するととたんに鳥の鳴き声だけの世界に。でも、見わたす限りにおいては店はなく、観光客向けの情報はほぼ皆無になります。
でも、いまは便利な世の中でポルトガル語のサイトも日本語で読むことが可能。娘がネット検索してヒットした店に「グーグル」先生の地図案内で行くことにしました。
フェレイラの奥の道を進むと、緑が増えて、
空気も清浄に。
壁沿いの小道をくねくねと登っていくこと30分。突然、視界が開けて小高い丘に出ました。その丘の向こうに一軒家のレストランが風に吹かれて立っていました。
「レストラン ポンテ・ド・ペドラガイア(Ponte de Pedra Gaia)」。
車が店の前に止まっては、楽しみ、という風情の人々が、続々となかに入っていきます。
私も入ると、愛想のいいウェイターが
「予約でいっぱいだけど、20分待てば席が空きますよ。」と声をかけてくれました。そこで籐のイスに腰かけて待つことに。
店内は、ゴッホの絵にかかれた南仏プロヴァンスのレストランのように広々としていて、明るい光が降り注いでいます。お客は地元の人ばかり。みんなちょっとおめかしして、日曜の午後のひとときを楽しんでいるようです。外の芝生席もいっぱいで、木々にはレモンがたわわに実り、ジューシーな香りが風にのって運ばれてきます。
おおぜいの従業員が厨房から現れては、お盆を持ってくるくると動きまわり、たいへんな活気でした。
大皿が通り過ぎるたびにニンニクとオリーブの香りがたなびくので、私のおなかもグー。皿は大家族の前に運ばれていき、テーブルに置かれると、みんな笑顔で一つの大皿をシェアして、食べるのでした。
そういえばイタリアやドイツなどでは、小さな子供でも容赦なく一人一皿でした。どんなにボリュームがあっても一人で食べなければならず、胃の小さい私にはつらいものがありました。
ところがポルトガルではシェアが普通なので、苦痛を感じたことが一度もありません。この違いは、日本人にとって大きい。
(つづく)
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