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雲南の回族・サイード・シャムスッディーン4

2013-05-11 20:58:59 | Weblog
耳にエサの入った大袋をひっかけ、エサをはむ馬たち。四川に近い雲南の黒井にて。観光用の馬たちは小刻みな休憩時間になると、馬主に耳にずだ袋を引っかけてもらい、おとなしく食べていた。木炭を運ぶ馬たちも、同じ方法で食べていた。日本にない風習ではないだろうか?(2004年撮影。)

【メンツを立てる外交法】
翌日、サイジャチが昨夜の感謝の礼に訪れ、次のように話しました。

『お二方は宗王の臣下とおっしゃいましても、いまだに名爵はなく、国事を審議する立場でもございますまい。私はあなたがたに行省断事官(事務次官なみの職)を授けたいと思いますが、まだ宗王にお目にかかってもいないのですから、勝手に授けるわけにもまいりません。』

 そこで使者のうちの一人が還って宗王に相談したところ、宗王は大いによろこびました。これより政令をひとたび聞けば、サイジャチはただちに行うことができるようになりました。」(元史より)

 この、へりくだって相手を立てる礼法は、猜疑心の塊だった宗王の心を溶かしましたが、じつはその後も同様の方法で雲南の異民族を懐柔していくのです。

 ちなみに中国の政治では、ご存じのようにこのように相手のメンツを立てて物事を円滑に進める方法は、今でも、とても有効です。日本では、今まであまり重視されていませんが、周りとの交流が希薄になった今こそ、また外交が難しい局面を迎えている今こそ、日本でももっと日常に取り入れるべきかもしれません。    (つづく)
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