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閑話休題・道路の渡り方

2013-05-06 10:55:24 | Weblog

写真上は雲南の小都市。石屏郊外の道路。これだけ車が少なければ、信号機なしのロータリーがぴったり。(2007年撮影)
写真下は昆明中心部の道路工事の様子。道行く人はどのような道路になるのか、できあがるまでわからない。作業をする人もほとんどどうなるかわからぬまま、その日の作業をもくもくとこなしているよう。

【赤信号無視の歩行者の実態】
 先日、北京で赤信号を無視して道路を渡る人に10元(約160円)の罰金を科す、とのニュースを報道していました。そして赤信号を堂々と渡る人々が映されていました。
 この映像に日本のキャスターはたいへん驚いていましたが、中国に行ったことがある人なら、当たり前の光景すぎて、むしろ驚くキャスターに驚いたのではないでしょうか?

 そもそも赤信号は人にとって危険、青信号なら安全、などという単純なくくりでは行動できないのが中国の道路です。私の経験では信号の色に関係なく誰かがタイミングを見計らって動き出したら、一緒にその集団と渡る方が安全なのです。

 中国の6車線などの大道路を青信号で渡ってみればすぐに分かるのですが、
①青信号になってすぐに渡り始めたとしても、道路の途中ですぐに赤になる。
②むしろ青信号の方が危険な道路がある。なんと青になったとたんに横断歩道に車がつっこみはじめる。
 ということはざらにあります。
なぜ、そのような問題が起きるのでしょう。

 まず①については、道路が拡張したにもかかわらず、信号機が従来通りで大道路向けになっていないため、普通の歩き方では青信号のうちに道路を渡ることができない。そのため、普通の方法では人は途中で道路に取り残されてしまう。

 ②は、どんな道路なのか、と首をかしげる人もいるでしょう。場所は普通の交差点なのですが、大道路の場合、車は赤信号の時に全車ストップするのではなく、場所によっては右折なら可とされる交差点もあるのです(中国では車は右側通行)。そのため人が歩いていようと車は横断歩道につっこんでくるのです。人は、その間をすり抜けざるをえません。日本ならこの場合、人だけが通行可の時間、次に車線によっては通行可、次に全面的に車が可の時間と3パターンに分けるはずですが、それがごちゃごちゃなのです。

 大道路はここ20年ほどの間に建造されたものが多く、さまざまな方式の道路が一つの街に共存していることがあります。それぞれに規則が違い、旅行者どころか地元の人も多いに混乱することが多いようです。
 たとえば以前は信号機方式だったところが、工事が終わってみたら、人は地下道、道路は立体交差で、道を渡るだけでも遠くなってしまったことも。

 またたとえば、十字路や五差路などの交差点が巨大なロータリーで、車は信号機なしでぐるりと一方向に回って曲がりたい道路に出る方式になっているところが結構あります。日本でも大震災後に停電のために道路が混乱したことから、信号機を使わないこの方式を都市計画に取り入れようという動きが出ています。この方式だと、人が通る時間や空間を別に確保する必要があるのですが(たとえば陸橋をかける、地下道をつくるなど)、ただロータリーの先に普通に信号機を付けるだけで人への配慮がまったくないのが問題なのです。そのため人が青信号で渡っているというのに、車がロータリーをぐるぐる回ってつっこんできてしまうのです。

 要は、信号機の意味を設置者が理解して、誰もが歩行者優先を徹底すればいいのですが、どうもそれができていないのです。そこで罰金で規制しよう、というわけなのですが、歩行者にのみペナルティーを科しても、どうにもならない問題なのは、上記から明らかでしょう。

 ちなみに北京に先立つこと2月前の3月1日より、浙江省全土で同様の交通法規が実施され、20日間の間に8千人以上の罰金者を摘発したそうです。最初に赤信号を渡ろうとした人に限定して罰金を徴収したとのことですが、当然ながら、歩行者からは「理不尽、不公平だ」と不平たらたら。それなのに北京にも広まるということですから、なにかしらの成果を上層部が感じ取ったに違いありません。上層部は車しか乗らない人なのかしら、と悩んでしまいます。
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