サンペドロ要塞の外壁
サンペドロ要塞の内部は緑の庭園
サンペドロ要塞の入口の壁にさりげなくはめこまれていたオルメカ人の石像。
【サンペドロ要塞】
次に行ったのが教会から500メートルほどの距離にあるサンペドロ要塞です。この辺りは公園化されていて、同じ区画の中を10分ほど歩くだけなのでお隣のようなもの。とはいえ、日中の日差しは痛いほどなので帽子は必須です。
この要塞はスペイン人レガスピの指示のもと、1565年より建設を開始したもの。現在のものは1738年までに完成された三角形をした堅固な石組みで、それぞれの角に大砲が据えられていました。日本の函館の五稜郭(こちらは星形五角形)と似た雰囲気のものです。石が分厚いので要塞の中はことのほか涼しい。入口にはメキシコの遺跡でよく見られたオルメカの石像がちょこんと飾られていました。
セブはスペイン人がメキシコからの交易ルートの拠点として築いたものなので、この石像があるのは偶然ではないのです。アカプルコはもともとオルメカ人の土地でした。
メキシコのアカプルコにも似た雰囲気の要塞(こちらはまさに星形五角形)を見ました。スペイン人が建てたもので、オランダやイギリスの海賊から守るためでした。(建設後の1615年、オランダによって城壁は破られ、アカプルコの町は侵攻されます。)
セブに建設されたのは、アカプルコより半世紀前。これはフィリピンでも最古、最小の要塞です。
その後、占領する人が変わるたびに、ここはその性格を変えていきます。1898年からのアメリカ占領下では兵舎として、1937年から41年まではセブの人々のための学校として、1945年までは日本軍の捕虜収容所として使われていました。
戦後もアメリカ軍の収容所、市の施設、そして市民も集える動物園となって、現在は緑豊かな中庭を持つ博物館となっています。
あまりの暑さにへばっていたため、分厚い石造りの内部の涼しさと緑陰に癒されました。よく手入れされたネコや清潔なトイレにほっとしました。
(つづく)
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