写真はエヴォラの市場の脇にある小売店にて。おやじさんの持つおしゃれなはちみつの小瓶が、やがて大惨事に。
【おみやげの選択】
その晩は15世紀に建てられたロイオス修道院をホテルに改修したポルトガルで人気のポサーダ(国が管理する歴史的建造物の宿)で一泊、夕飯もそこでいただきました。ひとまず、私と娘はここでみなさんといっときお別れです。僧房だったという少し狭めの客室で、月明かりに照らされたディアナ神殿を見ながら眠りにつきました。
翌朝、研究者一行はファーロを目指し8時にホテルを出発。私は朝5時に起きて洗濯をして、みなを見送った朝食後に昨日、目星をつけていたサン・フランシスコ教会の横にある市場を目指しました。
Kさんの案内がない街はなんだか広い。
迷いながらも着いた市場は、9時前だというのに閑散としています。売り手も買い手もお年寄りばかりです。昨日は11時過ぎだから店の半分以上が閉めていたのかと思っていたのですが、さにあらず。市場はすでに街のよりどころではなくなっているようです。
わずかに肉をさばいて売る店や花屋、フルーツを目の前で絞って飲めるジュース屋、蜂蜜屋、ベルト屋があいていました。
市場を出たところに個人商店がありました。おじさんが一人で切り盛りしている10㎡もないくらいの小さな店です。ただ、客は引きも切らず、活気に満ちていていました。奥には等級ごとに整然と並べられたタラを塩漬けして干したバカリャウ、店先にはさまざまなパンがいい匂いを漂わせています。
お店のバカリャウはビンテージもの、エクセレントもの、と細かい等級に分かれて並んでいた。ポルトガルの人々のバカリャウ熱がうかがえる。
おいしそうなポテトチップス、かごに山盛りで置かれた赤い卵、クルミ、各種オリーブオイル漬けの缶詰、大瓶から取り分けるオリーブの塩漬け、チーズにワイン。ソーセージやサラミなどは天井から吊るされています。ハムのスライスはショーケースに。クッキーも、素朴でおいしそう。どれも手づくり感あふれ、温かみがありました。
娘はここで美しい壺に入った、はちみつを見つけました。親としては止めたのですが、やはり買ってしまった。娘はウキウキとした高揚感とは裏腹に文字通りその重さと取り扱いに苦労し、一月後にはロウで目止めされたはずの壺からはちみつがしみだしてスーツケースの中が大惨事に。
ただ、娘にとっては買った満足のほうが上回ったようで、今もその壺は娘の机の上を飾り、はちみつは服から絞り出して日本製のびんに詰めて食べきったのでした。根性あるわ!
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