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宜良ダックをさがして⑯

2011-11-13 16:23:51 | Weblog
写真は宜良の中心街から車で5分ほどの農場にて。「宜良無公害鴨養殖示範戸」と書かれている。
(2010年撮影。)雲南では各自治体ごとに町おこしの中心の作物を決めて、その作物を農業指導通りに行う農家を「示範戸」とし、資金投下することも多い。民営ももちろんある。この看板は民営企業のもの。

【今度こそアヒル農場へ】
というわけで、いまや陽宗海にいっても、アヒルはなし。

「宜良烤鴨になるアヒルがあればいいんだね。それならまかせておけ。」
 と自信たっぷりに自分の車を指す運転手を宜良の街中で見つけました。
すばらしい積極性。よく考えると当たり前かもしれませんが昆明市内ではまったくなかったもの。ようやく「プロ」意識を感じさせる人に会えたと、心の奥底では警戒しつつも、おまかせすることにしました。

 さて、運転手さんは運転しながら、片手で次々と知り合いに携帯電話をかけまくり、宜良市内を抜けて5分とたたないところで停車しました。宜良の中心街はアスファルトとコンクリートに固められていましたが、三分も走ると、道は砂利道となり、やがて田んぼととうもろこし畑にはさまれた、周囲に雑草が生い茂る土の道に。その田んぼのど真ん中に立派な煉瓦造りの建物の棟が四棟、立っていたのです。

 棟の入り口には、
「宜良無公害鴨養殖示範戸/昆明宜良李烤鴨食品有限責任公司」
と書かれた金属製のプレートがやや傷んだ様子ながら刻まれていました。
「李烤鴨」といえば、宜良の市場で一番行列していた有名店です。これはぜひ、取材したい。

 運転手さんは、意外と早く自分の仕事が済んだ、といった達成感に満ちた顔。
私はアヒルを見ようと、その棟の入り口に手を掛けました。だのに押しても引いても締まったまま。大声を出し、戸を叩いても見ましたが、人影すらありません。もしや、と戸の間のうすい隙間に目を近づけると、棚はあるのですが、がらんとした空間があるだけでした。アヒルは一匹もなし。
運転手さんになんとか、周辺の人に状況を聞いてもらうように頼んだのですが、人陰すら見あたりません。

 すぐに運転手さんは携帯電話で矢継ぎ早にまた電話をし始め、サングラスをかけて日焼けした顔を上げると
「ここは、廃業したそうだ。別のところを見つけたから行こう。」

なだらかで青々とした丘の下に落ち着いた小さな農村。その脇から流れ出す生活排水が流れ込む小川にかかった橋をわたると、今度は、さきほどのものとは比べようもないほど、小さくて、みすぼらしい四〇坪ほどの小屋に行き当たりました。宜良県蓬莱村と橋の看板に書かれています。

 入り口には綱につながれた大型の秋田犬の毛のないような感じの犬が、ウーーとうなり声を上げ、こちらをにらんでいます。声からして3匹はいるようです。雲南では狂犬病が常に流行しているので、うかつには近づけません。(地元新聞ではは狂犬病の犬に噛まれたら、傷口を良く泡立てた石けんで洗って、すぐ病院へ、などと、よく特集されています。)

 と、犬の声を聞きつけて、ビーチサンダルに迷彩服のTシャツと半ズボンを着た高校一年ぐらいの丸刈りの男の子が出てきました。運転手さんが用件を伝えると、
 「アヒル? いっぱいいるよ。見たいならどうぞ。」とあっさり見学を了承してくれました。
(つづく)

※先週は工学院大学孔子学院の講座「宜良ダック」を無事、終えました。おいでくださった方、ありがとうございました。
12月6日には第5回「素朴なエンドウ豆羊羹」を行います。「豌豆粉」の不思議と、世界的に見た歴史、調理方法などを詳細に話す予定。ブログの内容よりかなり拡大されております。試食もあります。よろしかったらどうぞ。

時間:午後2時半から4時
場所:エステック情報ビル地下1階 工学院大学孔子学院
電話:03-3340-1457
URL:http://www.kogakuin.ac.jp/cik/より「開講講座(受講案内)」→「文化講座一覧」→「雲南の食を訪ねて」
または「開講講座(受講案内)」にカーソルを持って行くと「講座申し込みフォーム」が出ますので、それに記入するとインターネットからもお申し込みができます。もちろん、上記の電話から予約できます。

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