写真はリストランテ・オ・コラディノのコルドン・ブルー。
【再びリスボンへ】
翌朝、リスボンへ戻りました。エヴォラのバスターミナルはポルトガル語のみでしたが、ともかく「リスボン」と一言いえばなんとかなりました。
今度のホテルはフェニックスホテル。最初にリスボンで宿泊していたホテルのあったテージョ川沿いから2キロほど北西上がった小高い丘の上にあります。丘の中心にそびえるのがボンパル公爵像。その像の前がホテル。像はロータリーの中心にあり、車が絶えないにぎやかな場所でした。
1755年のリスボン大地震後の都市再建計画で作られた幅90メートル長さ1500メートルの大通り・リベルダーテ通りが、ここから南に向かって伸びています。通りの下には地下鉄もあり交通至便。ブティックもひしめいていて、通称、ポルトガルのシャンゼリゼと呼ばれているとか。
政府機関も近く、都会的なスーツに身を包んだ人々がきびきびと歩いていました。そんなサラリーマンが吸い込まれていく定食屋を発見しました。
【安くておいしかった「リストランテ・オ・コラディノ(CORADINHO)」】
入った店でみなが頼むので、頼んでみた「コルドン・ブルー」。不思議な名前。どんな料理なのかとワクワクしてたら、豚肉、チーズ、ハムを薄く均した後、薄く衣を載せて揚げたカツレツ風のものがでてきました。野菜もたっぷり添えられていてボリュームもちょうどいい感じ。味は日本の上等の定食屋のように油がしつこくなく、パリッとしておいしい。それでいて安い。
驚いたのが衣の中から先のとがった楊枝が3本以上出てきたこと。薄く伸ばした複数の素材を超絶技巧で一つの塊に縫い合わせていたのです。日本の串揚げは串の所在がすぐわかるけど、こちらは衣がかぶさっていて見えません。しかも無秩序。なかなかのキョーフです。
あとで調べると、この料理はヨーロッパ各地で食べられていて、楊枝で形を整えるのは一般的ではあるのですが、せいぜい1,2本のよう。それも端を止める程度に。
この後、ポルトガルで3度、今度こそはとコルドンブルーを頼んだのですが、どの店でもなぜか私のものにだけ、過剰な楊枝が入って、口の中を刺してきたのでした・・。おいしかったけど。
【スイーツへの愛】
ところで隣で食べていた若い細身の男性。美しい動作でコルドンブルーを一口一口丁寧に切り分けて、丁寧に口に運び、そして水を飲み、を繰り返し完食。一人、いそいそとカウンダーに行くのでお会計かな? と思ったら、ショーケースをじっと見つめて各種ポルトガルスイーツから一品を選んで、また席に。そしてコーヒーとともに表情を変えることなく一さじずつそのスイーツを口に運んでいました。静かな佇まいなのに、うちからあふれるワクワク感が隠しようもなく、なんだかかわいい!
ポルトガルの人にとって、スイーツは、日本以上に、心の平安にかかせない、生活になくてはならないものなのかも、と感じたひとときでした。
https://www.facebook.com/pages/O%20Coradinho%22%20Restaurante%20Portugu%C3%AAs/110668432931328/
※コルドン・ブルーはフランス語で青いリボンのこと。かつて優れた騎士が胸に青いリボンを付けたことから腕利き料理人を指す言葉となったらしい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます