(注)三大国際石油企業業績シリーズI, II, III, IVは「マイ・リブラリー」で一括ご覧いただけます。
III.BPの業績(上)
(注)詳細は下記同社HP参照。
http://www.bp.com/extendedgenericarticle.do?categoryId=2012968&contentId=7059332
1.2009年の売上・利益・投資及び生産量
(1)売上高
BPの2009年1-12月の売上高は239,272百万ドルであり、前年度の売上361,143百万ドルに比べ34%減という大幅な落ち込みであった。売上高減少の主な理由はExxonMobilと同様(シリーズI参照)石油価格の下落にある。
(2)利益
利益は16,578百万ドルであった。これは前年度の21,157百万ドルに比べ22%の減少である。ExxonMobil及びShellが売上の減少幅より利益の減少幅が大きいことに比べ(本シリーズI及びII参照)、BPの場合は売上の落ち込みほど利益が減少しなかったことは注目される。売上高利益率は6.9%であり、ExxonMobilの6.2%、Shell の4.5%よりも高く、3社の中では最も堅実な決算であったと言えよう。
(3)設備投資
2009年度の設備投資総額は20,309百万ドルであった。投資を上流部門、下流部門およびその他部門に分けると、上流部門には全体の73%を占める14,896百万ドルが配分されている。下流部門は4,114百万ドル(全体の20%)であり、その他部門は1,299百万ドル(同6%)であった。
(4)石油・天然ガスの生産量
2009年の生産量は石油が一日当たり平均254万バレル(以下B/D)であり、天然ガスは日産85億立法フィート(以下億cfd)である。天然ガスを石油に換算し石油と合計した場合は400万B/Dに達する。
石油生産量を地域別にみると(上図参照。拡大図はhttp://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-4-93e.gif )、最も多いのはロシアの84万B/Dであり、続いて米国が67万B/D、欧州21万B/Dである。BPは石油生産の1/3をロシアに依存しており、これはExxonMobil, Shellに見られない特色である一方天然ガスについては米国が全体の3割弱を占める23億cfdと最も多く、これに次ぐのが欧州、ロシア(各6億cfd)である。
(続く)
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