石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

三大国際石油企業2009年度業績速報シリーズ

2010-02-18 | 海外・国内石油企業の業績

(注)三大国際石油企業業績シリーズI, II, III, IVは「マイ・リブラリー」で一括ご覧いただけます。

IV.三大国際石油企業の業績比較(下)

2.2006~2009年の石油・天然ガス生産量の比較

(1)石油生産量の推移

(図http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-4-93lSuperMajorOilProd0.gif参照)

  2006年の石油生産量はExxonMobilが最も多く2,681千B/Dであり、BPがこれに次ぐ2,475千B/D、Shellは3社の中で最も少ない2,030千B/Dであった。この後2009年までの生産量の推移をみると、BPとExxonMobil及びShellは明暗がはっきりと分かれている。

 即ちBPは06~08年までの3年間はほぼ同じ生産水準を維持し、09年には2,535千B/Dに増加している。これに対しExxonMobil及びShellの2社は毎年生産量が減少しており、09年のExxonMobilの生産量は2,387千B/Dにとどまり、トップの座をBPに明け渡している。また同年のShellの生産量は1,678千B/Dであり06年に比し35万B/D強の減少となっている。また06年にトップのExxonMobilとの差は651千B/Dであったが、09年のトップBPとの差は857千B/Dに拡大しておりShellの凋落が顕著である。

(2)天然ガス生産量の推移

(図http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-4-93mSuperMajorGasProd0.gif参照)

 3社の天然ガスの生産量は石油ほどの大きな差は無く、4年間を通じて3社の順位も1位ExxonMobil、2位Shell、3位BPと変化は無い。但し各社の4年間の推移をみると、ExxonMobilの生産量が停滞気味であるのに対しShell及びBPは07年以降漸増傾向を示しており、トップのExxonMobilと他の2社との格差は縮小している。

 06~09年の各社の生産量は、ExxonMobilが9,334mcfd(06年)→9,384mcfd(07年)→9,095mcfd(08年)→9,273mcfd(09年)であり、Shellは8,368mcfd(06年)→8,214mcfd(07年)→8,569mcfd(08年)→8,553mcfd(09年)、BPは8,417mcfd(06年)→8,143mcfd(07年)→8,334mcfd(08年)→8,485mcfd(09年)であった。

(3)石油・天然ガス合計生産量の推移

(上図。拡大図はhttp://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-4-93nSuperMajorOilGasPr.gif)

  天然ガスを石油に換算し合計した06~09年の生産量は上記(1)の石油生産の推移とほぼ同じ傾向を示している。即ち06年~08年までトップであったExxonMobilは、09年にはBPに入れ替わっており、またShellは長期低落傾向にありExxonMobil及びBP(特にBP)との格差が拡大している。

 各社の06年から09年までの生産量の推移は以下のとおりである(単位:千B/D)。

ExxonMobil: 4,237 → 4,180 → 3,921 → 3,932

Shell:         3,473 → 3,315 → 3,248 → 3,152

BP:           3,926 → 3,818 → 3,838 → 3,998

(完)

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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