石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月22日)

2012-08-22 | 今日のニュース

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇6 生産量(3)

2012-08-22 | その他

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括ご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0236BpOil+Gas2012.pdf

 

(伸びる天然ガス。2011年の石油と天然ガスの比率は60対40!)
(3)1990年~2011年の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/3-2-G02.pdf 参照)
 1990年から2011年までの世界の石油と天然ガス合計生産量の推移を追ってみると、1990年の生産量は9,950万B/Dであり、その内訳は石油6,537万B/D、天然ガス1.98兆㎥(石油換算3,413万B/D)であった。その後1992年には合計生産量が1億B/Dを突破、2008年に1億3,485万B/Dに達するまで一貫して増加している。2009年に若干減少したが、2010年には再び増勢に転じ2011年の石油と天然ガスの合計生産量は過去最高の1億4,003万B/D(内訳:石油8,358万B/D、天然ガス3.3兆㎥)を記録している。

 1990年と2011年の生産量の伸びを比較すると、合計生産量では1.4倍、石油と天然ガスのそれぞれの増加率は石油1.3倍、天然ガス1.7であり、天然ガスの生産が急速に伸びていることがわかる。これを比率で見ると1990年には石油と天然ガスの比率が石油66%、天然ガス34%であったものが、その後天然ガスの比率が徐々に拡大し、2011年には石油60%、天然ガス40%となっている。現在天然ガスについては米国におけるシェールガスを含め世界各地で開発生産活動が活発に行われており、またパイプライン、LNGのサプライチェーンも急速に整備拡充されている。従って生産に占める天然ガスの比率は今後更に高まるものと思われる。

(生産量世界一のロシアを追い上げる2位米国の底力!)
(4)ロシア、米国等主要国の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/3-2-G03.pdf 参照)
 ここでは2011年の生産量上位4カ国(ロシア、米国、サウジアラビア、イラン)に中国、カタール及びブラジルを加えた7か国について2000年以降の生産量の推移を見ることとする。

 2000年における石油・天然ガス合計生産量は米国が1,709万B/D(内訳:石油773万B/D、天然ガス5,432億㎥、以下同じ)でトップであり、ロシアは1,558万B/D(647万B/D、天然ガス5,285億㎥)であった。その後、米国は生産量が減少、一方のロシアは増加したため2002年には両国の順位が逆転した。この傾向は2005年まで続き、同年の生産量はロシアが1,944万B/D、米国は1,570万B/Dと両国の差は400万B/Dまで拡大した。しかし米国の生産が2005年を底に上向きに転じる一方、ロシアはその後横這い又は減少している。この結果2011年の生産量はロシアの2,074万B/Dに対し米国は1,907万B/Dで両国の差は170万B/Dまで縮まっている。

 サウジアラビアの場合は従来から石油の比率が圧倒的に高く、2000年の生産は石油が944万B/D、天然ガスは86万B/D(石油換算)で石油はガスの11倍であった。その後同国の石油生産は常時1千万B/D前後の水準で推移する一方、天然ガスの生産は毎年前年を上回る増加を続けている。この結果2011年の生産量は石油1,116万B/D、天然ガス171万B/Dの合計1,287万B/Dに達し、石油とガスの比率は7.5対1となり天然ガスの比率が上がっている。

 カタールは2000年時点では石油と天然ガスの生産量はそれぞれ76万B/D、41万B/D(合計117万B/D)であり、石油が天然ガスを上回っていたが、その後天然ガスの生産が急速に拡大し、2006年には倍増、さらに2011年には石油換算で253万B/Dに達している。この結果、2011年の石油・天然ガスの合計生産量は2000年の3.7倍の425万B/Dを記録するとともに、石油と天然ガスの比率は石油41%に対し天然ガスは59%と逆転している。

 イランと中国は2000年以降も着実に生産量が増加しており、イランは2000年の合計生産量489万B/Dが2011年には1.4倍の694万B/Dに増加、中国も373万B/D(2000年)から586万B/D(2011年)に増えている。ブラジルの生産量はこれらの国々に比べて必ずしも多くないが、2011年の生産量は2000年に比べて1.8倍であり、ロシアの1.3倍、米国の1.1倍と比較して高い伸び率を示している。

(石油+天然ガス篇 生産量完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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