II. 2019年の業績比較 (続き)
(Shellは利益もトップ、BP、ChevronはShellの5分の1!)
2. 利益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)
Shellが5社の中で利益額が最大であり(158億ドル)、これに次ぐのがExxonMobil143億ドル、Total 113億ドルで、この三社が利益100億ドルを超えている。BP及びChevronの利益はそれぞれ40億ドル及び29億ドルにとどまっており、トップのShellの2割前後と5社の中で際立って低い水準にとどまっている。
3.上流部門/下流部門利益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)
(注)上記2の利益には上流部門及び下流部門(石油精製販売部門)の他化学部門の利益が含まれている場合があり本項の合計額とは必ずしも一致しない。)
上流部門の利益は各社によって大きな格差があり、最も多いExxonMobilが144億ドル、BPが112億ドルで両社だけが100億ドルを超えている。これに続くのはTotal(75億ドル)、Shell(42億ドル)であり、Chevronは5社中最も少ない26億ドルにとどまっている。
下流部門は各社の格差が比較的小さい。利益が最も多いのはBPとShellの64億ドル及び63億ドルである。その他3社は30億ドル前後である。上流部門は保有する鉱区の優劣により大きな開きが生まれるのに対し、下流部門は各社の精製設備の競争力に大差が無く、市場における販売力の違いに損益格差があるためと考えられる。
各社の上流部門と下流部門の利益比率を見ると、ExxonMobilは上流部門が86%を占め、下流部門は14%にとどまっている。Total、BPもExxonMobil同様上流部門の利益が下流部門を上回っている。これに対してChevronは両部門がほぼ均衡しており、Shellは5社の中では唯一下流部門の利益が上流部門を上回っている。
4.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)
売上高と利益の比率である売上高利益率を見ると、Totalが5.6%と最も高く、ExxonMobilが5.4%、Shell 4.5%と続いている。Shellは売上高及び利益が5社の中では最も大きいが、売上高利益率は5社中の3番目にとどまっている。Chevronの利益率は2%で、BPは5社の中で最も低い1.4%である。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行
〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp