III. 2018年と2019年の5社業績比較
2018年と2019年の年間平均原油価格はBrent原油でそれぞれ1バレル当たり71.31ドル及び64.21ドルであり、10%下落している。この結果各社の売上高もほぼこれに比例して減少しており、利益については売り上げの減少を上回る減益決算となっている。特にChevronはシェール鉱区の売却など上流部門の資産整理を行ったため、売上高利益率は5社中のトップから4位に急落しており、上流部門の利益は最下位に落ちている。
(Shell売上トップ、BP2位、ExxonMobil3位が定着!)
1.売上高
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-10.pdf 参照)
2018年及び2019年の5社の売上順位は変更がなく、トップはShellである。これに次いでBPとExxonMobilがほぼ拮抗しており、4位Total、5位Chevronである。5社のうち売上高の減少率が最も高かったのはChevron及びShellの2社でともに11%台の減収率であった。減収率が最も低かったのはTotalの▲4.3%である。
両年の各社売上高はShell 3,966億ドル(2018年)→3,521億ドル(2019年、以下同じ)、BP2,988億ドル→2,784億ドル、ExxonMobil 2,902億ドル→2,649億ドル、Total 2,094億ドル→2,003億ドル、Chevron 1,664億ドル→1,465億ドルであった。
売上高減少の要因は上記に触れた通り原油価格がほぼ10%下落したためである。因みに天然ガスの場合は、米国Henry Hub引渡年間平均価格は百万BTU当たり2018年の3.13ドルから2019年は2.53ドルであり、20%下落している 。
(続く)
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前田 高行
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