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http://mylibrary.maeda1.jp/0495OilMajors.pdf
IV. 8カ年(2012-2019年)業績推移の比較(続き)
2.利益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-21.pdf 参照)
2012年から2019年までの5社の利益の推移を見ると、2012年はExxonMobilが他の4社を大きく引き離して449億ドルの利益を計上、Shell及びBPが200億ドル弱少ない260億ドルで並んでいる。Totalの利益は136億ドルでExxonMobilの3割にとどまり、5社の中で最も利益が少なかったChevronは113憶ドルであった。
2013年にChevronが増益だったことを除き、5社社は2012年以降押しなべて減益傾向が止まらなかった。Shell、Chevron及びTotal 3社は2015年に底を打ったが、ExxonMobilとBPの業績回復はさらに遅れた。2016年の各社の利益はExxonMobil78億ドル、Total62億ドル、Shell46億ドル、Chevron1億ドルであり、BPのみ5億ドルの欠損であったが、5社間の収益格差は2012年に比べ大幅に縮まっている。因みにExxonMobil及びShellの利益は2012年の2割弱にとどまっている。
8年間の利益の推移を見るとTotalは変動幅が小さく安定した利益を上げている。一方でChevronは2013年に235億ドルの利益を計上した一方、2015年には65億ドルの損失を出すなど利益の変動幅が大きい。ExxonMobilとBPは2012年以降利益の長期低落傾向が止まらない。例えばExxonMobilの過去8年間の利益の推移は449億ドル(2012年)→326億ドル(2013年)→325億ドル(2014年)→162億ドル(2015年)→78億ドル(2016年)→197億ドル(2017年)→208億ドル(2018年)→143億ドル(2019年)であり、2012年の利益の3分の1に低下している。
3.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-22.pdf 参照)
2012年の売上高利益率は、Chevronが10.8%と5社の中で唯一2桁台であった。これにつぐのがExxonMobil の9.3%でTotalとShellが共に 5%台であった。Chevronはその後2014年まで利益率トップを続け毎年10%前後の高い利益率を達成している。ExxonMobilも7%以上の利益率を維持した。
しかし2015年から2016年にかけては各社とも利益率が急落、特にChevronは2014年の9.1%から2015年には3.3%に下落、さらに2016年にはマイナス0.4%に転落している。BPは2014年から利益率が急落、同年は1.1%、さらに2015年にはマイナスの利益率(-2.9%)を記録した。2016年は各社によって明暗が分かれExxonMobilとChevronは2年続けて利益率が下落した一方、その他の3社は利益率が回復している。そして2017年には全社で利益率が改善した。しかし2019年は一転して低下し、トップのTotal5.6%のほか、ExxonMobil5.4%、Shell4.5%、Chevron 2%、BP1.4%であった。
(続く)
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前田 高行
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