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http://mylibrary.maeda1.jp/0531ImfWeoApr2021.pdf
IMF(国際通貨基金)では毎年4月および10月に世界各国の経済見通し「World Economic Outlook Database (WEO)」を発表しており、今年4月版(以下WEO2021Aptr)がインターネット上に公開された。
*URL: https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2021/03/23/world-economic-outlook-april-2021
ここでは2018年から2022年(予測)までのGDP(current price, ドル建て)を取り上げ、成長率については前回2021年10月版(以下WEO2021Oct)[1]と比較して世界とMENA主要国の経済状況の変化を検証する。
(昨年の反動で軒並み高い成長率、来年は通常の成長ペースに!)
1.2021/22年のGDP成長率
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)
(1)全世界及び主要経済圏のGDP成長率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-01.pdf 参照)
IMFは今年(2021年)の世界のGDP成長率を6.0%と見込んでいる。次項に述べる通り昨年10月版では今年の成長率は+5.2%と予測していた。昨年は新型コロナウィルスにより世界経済がマヒ状態に陥ったが、今年は昨年のマイナス成長を克服して回復軌道に入ると見られる。
経済圏毎に見ると主要先進7カ国(G7)が5.4%、EUは4.4%とされ、開発途上国のASEAN5カ国は4.9%、中東・中央アジアは3.7%とされている。これらの経済圏はいずれも世界平均の6.0%を下回っている。これは先進国、ASEAN5あるいは中東・中央アジア以外のアフリカ、南米などの開発途上国の昨年の成長率の落ち込みが特に激しく、今年はその反動としてかなり高い成長率を達成すると見込んだ結果であろう。
来年(2022年)は全世界の成長率は4.4%のプラスになると予測している。この数値は今年の6.0%を▲1.6%下回っているが、昨年10月の2022年推定値4.2%とほぼ同じであり、IMFは来年は通常の成長軌道に戻ると見ているようである。
G7及びEUの来年の成長率はそれぞれ3.6%及び3.9%であり、またASEAN5は6.1%と見込んでいる。G7及びEUは全世界平均(4.4%)より低く、ASEAN5が高いのはこれまでの傾向と同じであり、アジアが世界の成長センターとして再び世界経済をけん引すると予測している。
(続く)
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[1] 2020年10月版については下記参照。