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http://mylibrary.maeda1.jp/0530OpecApr2021.pdf
本年(2021年)1月からOPECとロシアを中核とする非OPEC産油国は新たな協調減産体制のもと、毎月閣僚会合(OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting)をビデオ会議方式で開催し、減産量を調整している。
本稿は昨年12月の閣僚会合で合意[1]されたReference Production(参考生産量)及び1月以降のAdjustment(減産量)並びにRequired Production(基本生産量から減産量を引いた各国生産量)について1月から7月までの決定事項をまとめたものである。
*詳細な数値については「OPEC及びNon OPECの協調減産量(2021年4月現在)」(表1-D-2-35)参照。
協調減産体制に参加しているのは以下の通りOPEC10カ国及び非OPEC10カ国の合計20の産油国である。なおOPEC加盟国のうちイラン、リビア及びベネズエラ3か国は経済制裁あるいは内政の混乱により原油生産が極端な不振状態にあるため協調減産には加わっていない。
OPEC(10カ国):
アルジェリア、アンゴラ、コンゴ、エクアトール・ギニア、ガボン、イラク、クウェイト、ナイジェリア、サウジアラビア、UAE (アルファベット順)
非OPEC(10カ国):
アゼルバイジャン、バハレーン、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、スーダン、南スーダン(アルファベット順)
- Reference Production (参考生産量)
12月に決定されたReference Production(以下Ref. Prod.)はサウジアラビアとロシアが共に1,100万B/Dである。両国に次ぐ有力産油国の生産量はOPECではイラク(465.3万B/D)、UAE (316.8万)、クウェイト(280.9万B/D)であり、また非OPECではメキシコ(175.3万B/D)、カザフスタン(170.9万B/D)などである。
Ref. Prod.はOPECと非OPEC(以下OPECプラスと略称する)の協調減産が始まった2018年12月に各国の直前の生産量をもとに算定されたものであるが、OPECプラスの二大産油国サウジアラビアとロシアについては今回1,100万B/Dに統一された。この結果12月の合同閣僚会合で20カ国合計のRef. Prod.は4,385.3万B/Dとなり、これが今年1月以降の減産調整の基準となっている。因みにOPECと
非OPECの内訳はOPEC 2,668.3万B/D、非OPEC 1,717万B/Dである。
(続く)
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荒葉一也
[1] The 12th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting concludes
2020/12/3 OPEC Press Release
https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/6257.htm