世界的な組織・人事コンサルティング会社マーサー(Mercer)社が毎年行っている世界主要都市生計費調査ランクの2021年版が発表された。同社の調査結果は、駐在員を海外に派遣する多くの民間企業に利用されている。今回の調査では世界209都市が取り上げられているが、本稿では日本及び欧米先進国の主要都市に加え、中東の主要都市の世界ランクを概観する。
*Mercer URL: https://www.mercer.com/our-thinking/career/cost-of-living.html
1.物価が高い都市ベストテン(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-B-4-02.pdf)
物価が世界一高いのはトルクメニスタンのアシガバートである。これに次ぐのが香港、3位はベイルートとされている。そして4位、5位は東京とチューリッヒ(スイス)である。これら5都市を昨年のランクと比較すると、1位と2位が入れ替わっており、3位のベイルートは昨年の45位から一挙にランクが上がっている。ベイルートは政治・経済の混乱、港湾倉庫の爆発事故、コロナ禍等が重なった結果、猛烈なインフレに見舞われており、生計費ランクが急上昇した。東京及びチューリッヒはベイルートが3位になったため相対的に1ランク下がっている。6位以下10位までは上海、シンガポール、ジュネーブ、北京及びベルン(スイス)の各都市である
2.10位以下の世界及び中東の主要都市
欧米の主要都市を見ると、ニューヨークは世界14位、ロンドン18位、パリ29位である。また東京以外の日本の主要都市は大阪が23位、名古屋が34位である。
中東の主要都市では上記1のごとくベイルートの物価が世界3位で最も高いが、これに次ぐのはサウジアラビアの首都リヤド(世界29位)である。中東最大の商業都市ドバイは世界42位、同じUAEのアブダビは56位、サウジアラビアの商都ジェッダは世界94位である。その他の中東の都市はクウェイト(115位)、ドーハ(カタール、130位)、カイロ(エジプト、137位)、イスタンブール(トルコ、173位)などいずれも世界100位以下で、生計費が比較的安いようである。
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