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(目次)
プロローグ(10)
010.フセイン・マクマホン書簡(1/2)
これら三つの約束のうちの最初のものは第一次世界大戦開戦の翌年に英国の駐エジプト高等弁務官ヘンリー・マクマホンがマッカの太守フセイン・アリーに送った書簡であり、対トルコ戦に協力することを条件にアラブ人に居住地区の独立を約束したものである。1915年10月24日付のフセイン宛の書簡でマクマホンは次のように述べている。
「私は貴殿に対しイギリス政府の名において次の通り誓約を行い、貴殿の書簡に対して次の通り返答する権限を与えられている。:イギリスはマッカの太守が提案した境界線の内側にあるすべての地域におけるアラブ人の独立を(一部修正条件付きで)承認し支持する用意がある。」
フセインは預言者ムハンマドの直系の子孫(第39代目)と言う由緒正しい家柄で聖地マッカの太守であると同時にヒジャズ地方(マッカを含む紅海沿岸一帯)の王として君臨していた。英国のお墨付きを得たフセインは息子のアブダッラー(後のヨルダン国王で現アブダッラー国王の祖父)やファイサル(後のイラク・シリア国王)にオスマン・トルコに対するゲリラ作戦を命じたのである。
(続く)
荒葉 一也
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