石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

政治と経済で決まる世界の男女格差-「男女格差指数」(2)

2024-06-25 | 世界ランクシリーズ

(世界ランクシリーズ その5 2024年版)

 

(北欧諸国がトップ独占、前年より少しアップした日本!)

2.2024年の男女格差指数世界ランク

(表http://rank.maeda1.jp/5-T01.pdf 参照)

 2024年の世界男女格差ランクのトップ(即ち男女の格差が最も少ない国)は昨年に引き続きアイスランドである。同国の格差指数は0.935で昨年の0.912より向上している。これに続く2、3位はフィンランドとノルウェーが同スコア0.875で並んでいる。ニュージーランドが4位(同0.835)、5位はスウェーデン(同0.816)がランクされている。上位5か国の顔触れは変わらず、うち4カ国は北欧諸国である。

 

 日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、英国は14位(スコア0.789)、米国は43位(同0.747)である。一方アジアの主要な国のランクは韓国の94位(同0.696)をはじめ中国106位(同0.684)、日本118位(同0.663)である。日中韓3か国はいずれも去年より順位を上げているが、中でも韓国は昨年の105位から94位と大幅にアップし唯一100位以内に入っている。インドは129位(同0.641)であり、日本は中国とインドの中間に位置している。

 

 中東の主要国では、UAEの世界74位(スコア0.713)がトップであり、イスラエルが91位(同0.699)でこれに続いている。両国はいずれも前年より順位、スコア共に悪化している。特にイスラエルは順位を83位から91位に下げている。その他の中東諸国はいずれも世界ランク100位以下であり、サウジアラビア126位、トルコ127位、エジプト135位が130位前後で並んでいる。イランは146か国中のほぼ最低ランクの143位(スコア0.576)にとどまっている。世界最下位の146位はスーダン(スコア0.568)であり中東北アフリカ諸国は男女格差が極めて大きい。

 

(続く)

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(172)

2024-06-25 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(5

 

172 「アラブの春」の訪れ(1/4)

イラクのフセイン政権崩壊後もアラブ諸国の多くは強権的な独裁国家或いは世襲の君主制国家のままであり、西欧型の民主主義国家と言えば北アフリカのアルジェリア、中東のレバノン及び米国によってフセイン政権が叩きのめされ民主化にもがいていたイラクだけと言っても過言ではなかった。リビアのカダフィ政権、シリアのアサド政権、イエメンのサーレハ政権、エジプトのムバラク政権、チュニジアのベン・アリ政権はそれぞれ30年前後もの間独裁政権を続けていた。

 

独裁者は大衆の心をつかむのがうまい。多くの場合独裁者は国家が乱れ国民が社会的経済的な混乱に右往左往している時に颯爽と登場する。混乱に倦み疲れた国民は彼が独裁者であると薄々わかっていながらも、社会に安定をもたらしてくれることを期待する。独裁者は強権的な手法で社会に秩序を打ち立て、さらに人気取りのポピュリズム政策で大衆の心をしっかりとつかむ。国民は熱狂して彼を支持し指導者として終生とどまることを求める。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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