(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0605WrldRank5.pdf
(世界ランクシリーズ その5 2024年版)
4.要素別比較(レーダーチャート)
ここでは8カ国及び世界平均を取り上げ、これらを3グループにわけてそれぞれの総合スコア、経済、教育、健康及び政治の4分野別スコアをレーダーチャートで表してみる。レーダーチャートは最も外側がスコア1.000(つまり男女格差が無い若しくは女性が男性を上回る)を示し最も内側はスコア0.000(即ち男女格差が無限大)である。グラフの実線が外側に広がるほど男女格差が少ないことを示し、また真円に近いほど4分野の男女格差が平均化していることを示している。
(際立って高いアイスランドの政治分野のスコア!)
(1)チャート1(アイスランド、米国、世界平均)
(図http://rank.maeda1.jp/5-G02.pdf 参照)
総合スコアではアイスランドは0.935であり、米国は0.747、世界平均は0.685である。分野別に見ると政治分野はアイスランド0.972、米国0.225、世界平均0.251であり、アイスランドのスコアが際立って高い。経済分野はアイスランド(0.815)と米国(0.765)の格差は小さく、世界平均のスコアは0.605にとどまっている。教育及び健康分野は3者ともスコアが高く有意な差は見られない。
(政治分野は印中日、経済分野は中日印の序列!)
(2)チャート2(日本、中国、インド)
(図http://rank.maeda1.jp/5-G03.pdf 参照)
総合スコアは中国(0.684)、日本(0.663)、インド(0.641)であり、3カ国に大きな差異はない。分野別に見ると政治分野ではインドが0.251と最も高く、次いで中国(0.123)、日本は0.118でありインドとの格差は大きい。経済分野の格差は中国(0.737)、日本(0.568)、インド(0.398)で政治分野以上に格差が大きく、しかも3カ国の中で政治分野トップのインドが経済分野では3カ国中最も低いことが特徴である。教育分野、健康分野はいずれも日本が最も高いが、3カ国のスコアに大きな差は見られない。
(教育分野以外でトルコ、エジプトに劣るイラン!)
(3)チャート3(トルコ、エジプト、イラン)
(図http://rank.maeda1.jp/5-G04.pdf 参照)
中東の三大国トルコ、エジプト及びイランはイスラーム国家と言う共通点を持つが、人種的にはトルコ人、アラブ人、ペルシャ人の違いがあり、また政治・経済体制も異なる。しかし男女格差で見るといずれも世界ランクはトルコ127位、エジプト135位、イラン143位と世界の最低レベルにとどまっている。
3カ国を分野別に比較すると、経済分野の男女格差スコアはトルコ(0.507)、エジプト(0.406)、イラン(0.343)でイランのスコアがトルコ及びエジプトを下回っている。政治分野についても同様の傾向が見られ、エジプト(0.176)、トルコ(0.118)に対してイランは(0.031)であり、イランの男女格差が非常に大きい。教育及び健康分野のスコアはいずれも0.96から0.98の範囲である。ただし上記に述べた通りこの2分野は世界平均が0.949及び0.960であるため、3カ国の世界順位は100位前後にとどまっている。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp