主要な経済圏と国家の昨年(実績見込み)、今年(予測)及び来年(予測)のGDP成長率を見ると以下の通りである。
(横ばいの世界、回復軌道のEU圏、成長維持するASEAN、加速見込みの中東・中央アジア!)
2-1主要経済圏
全世界の3年間の成長率は3.3%(2023年)→3.2%(2024年)→3.2%(2025年)であり横ばいで推移すると見込まれている。EU圏の3年間の成長率は0.6%→1.1%→1.6%とされ、低迷状態であったEUは回復する見通しである。
ASEAN5カ国の成長率は4.0%→4.5%→4.5%であり、世界平均を上回る高い成長率を維持する。ASEAN はインド及び中国の成長を下支えする世界の成長センターとして引き続き機能していくものと見られる。
産油・ガス国が多い中東及び中央アジアの成長率はエネルギー価格と需要に大きく影響される。3年間の成長率は2.1%→2.4%→3.9%であり今年から来年にかけて成長が加速すると見込まれている。来年にかけて世界貿易が改善しエネルギー需要が回復するであろうことを示している。
(中国を上回る高い成長率を続けるインド!)
2-2主要国
米国の昨年の成長率は2.9%であったが、今年は2.8%、来年は2.2%である。昨年から今年は成長を維持し、来年は一服するようである。日本の成長率は1.7%→0.3%→1.1%でああり、今年を底に来年は回復すると見込まれているが、いずれにしても低成長から脱出する足掛かりが見えない。日本と同様先進工業国であるドイツの成長率は▲0.3%→0.0%→0.8%と今年から来年にかけてプラス成長を取り戻す見通しであるが、成長率は他国に比べ大きく見劣りしている。
中国の3か年成長率は5.3%→4.8%→4.5%とされている。かつての年10%を超える成長率は無理としても世界平均を上回っており、世界経済をけん引する力を見せつけている。この中国を上回る成長を見込まれるのがインドである。同国の成長率は8.2%(昨年)→7.0%(今年)→6.5%(来年)と世界平均を大きく上回る7%前後の高い成長を維持する見込みである。
中国、インドなどと共に新興経済国BRICSの一翼を担ってきたロシアの成長率は、昨年及び今年は3.6%を維持するものの、来年は1.3%に低下するものと予測している。これに対して対照的な様相を呈しているのが同じ産油国のサウジアラビアであり、3カ年の成長率は▲0.8%→1.5%→4.6%と年々改善するものと見込んでいる。
以上
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp