(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0563BpWorldEnergy2022.pdf
(2) LNG貿易(続き)
(2017年以降急成長するLNG貿易!)
(5-3) 2010年~2021年の国別輸入量の推移
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-G02aLngImport2010-21.pdf 参照)
世界全体のLNG輸入量は2010年の3,024億㎥から2021年には1.7倍の5,162億㎥に増加している。2010年から2020年までは日本が輸入量世界一であり、2010年は964億㎥、2020年は1,017億㎥であった。この間特に2011年、12年両年の対前年伸び率は二桁となり、2014年にはこれまでで最高の1,218億㎥のLNGが輸入されている。これは原発の運転停止のため火力発電用LNGの輸入が急増したことが主な要因である。しかし2015年以降は2017年を除くすべての年で前年を下回っている。
この間、中国は毎年大きく増加しており、2010年の130億㎥が2021年には8.4倍の1,095億㎥に増加、ついに日本を抜いて世界一のLNG輸入国になっている。日本の同期間の増加率は1.1倍にとどまっており、世界のLNG輸入に占めるシェアも2010年は日本が32%であったのに対し中国は4%にとどまっていたものが、2021年の輸入シェアは中国が21%、日本は20%である。
日本、中国に次いで輸入量が多いのは韓国、インド及び台湾の3カ国であり、2013年以来その順位は変わっていない。但し2021年の各国の輸入量は中国あるいは日本が1千億㎥を超えているのに対して、韓国は640億㎥にとどまり、さらにインド及び台湾は300億㎥前後であり、格差は大きい。
上位5カ国はすべてアジアであり、しかもその内4カ国(中国、日本、韓国、台湾)は極東の国々である。5カ国の輸入シェアは65%に達しており、極東4カ国のシェアは59%である。LNG輸入は現在も一部の国に限定されている。但し最近では地球温暖化問題が重視され、石油より二酸化炭素排出量が少ない天然ガスの需要が増加、さらに今春のロシアのウクライナ侵攻によりLNG輸入を始めるヨーロッパ諸国が増えている。この結果、世界的にLNG争奪戦の様相を見せている。
(続く)
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