石油と中東

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IMF世界経済見通し:一年間で4度も下方修正されたGDP成長率 (3)

2022-10-18 | その他

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0569ImfOct2022.pdf

 

(ドイツは来年マイナス成長の見通し!)

3. 来年(2023)GDP成長率(予測)

(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)

(1)今年との比較

  今回10月見通しでは来年(2023年)の世界の成長率は2.7%と予測されており、今年の3.2%に比べ成長率が0.5%鈍化すると予測されている。各経済圏及び国別でもほぼ同じ傾向を示しており、以下の通り大半の国で成長率が低下する見込みである。

 

米国1.6%(今年)→1.0%(来年)(▲0.6%)、日本1.7%→1.6%(▲0.1%)、インド6.8%→6.1%(▲0.7%)、英国3.6%→0.3%(▲3.3%)、ドイツ1.5%→▲0.3%(▲1.8%)、サウジアラビア7.6%→3.7%(▲3.9%)、

 

ドイツが来年にマイナス成長に沈むと予測されていることは注目に値する。ドイツはこれまでロシアの石油・天然ガスに大きく依存しており、ウクライナ侵攻で同国からの輸入が全量ストップ、他国からの代替輸入でエネルギーコストが高騰する恐れのあることがマイナス成長予測の主な原因であろう。

 

これらの国々に対し中国及びロシアは来年の成長率が今年を上回ると予測されている。ロシアは▲3.4%(今年)→▲2.3%(来年)とマイナス成長が続くが、石油、天然ガスが高値に推移することによりGDPの落ち込み幅が小さくなると予測したためであろう。

 

中国の場合は3.2%→4.4%(1.2%)と成長が加速すると予測している。2020年に全世界が大幅なマイナス成長を余儀なくされた中で同国だけはプラス成長を維持しており、コロナ禍がおさまると思われる来年は再び成長が加速するとIMFは予測している。

 

(2)前回(7)との比較

 来年の成長率について今回(10月)と前回(7月)を比べると、ほぼすべての国と地域で下方修正されている。来年の世界の成長率は2.7%であるが、前回7月は2.9%とされており、▲0.2%低下している。主要経済圏ではEUの来年の成長率は1.2%(前回7月見通し)→0.5%(今回10月見通し)で▲0.7%の減速が見込まれている。ASEAN5か国も5.1%→4.9%(▲0.2%)の減速とされている。

 

国別に見ても各国ともロシアを除き来年のGDP成長率はいずれも7月時点より悪化の度合いが大きく、ドイツの場合は前回7月の+0.8%から今回10月は▲0.3%と大幅に悪化すると見込んでいる。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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