石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

中東とエネルギーのニュース(10月18日)

2024-10-18 | 今日のニュース
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

(中東関連ニュース)









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(SF小説) ナクバの東(20)

2024-10-17 | 今日のニュース
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(17)

第五章 三羽の小鳥(2)「マフィア」(2/2)

 
ロシアからの移住者と言えば医者か農民のどちらかと言われ、おかげでイスラエルの一人当たりの医者の数は世界一となったほどであるが、医者達は病院の勤務医か開業医となってユダヤ人やアラブ人の中に溶け込んでいった。しかし所詮農地を耕すしかない者達は政府の与えた入植地で肩を寄せ合って暮らす他なく、「マフィア」一家が移住した開拓地は同じ境遇のロシア人ばかりであった。彼らのコミュニティではロシア語が使われ、そしてキリストに祈りを捧げた。政府はヘブライ語を半ば強制的に奨励したが、「マフィア」の父親たちの世代は新しい言語を覚えるには遅すぎたのである。

イスラエル社会ではヘブライ語を話せないロシア移民たちは冷遇され、二級市民の扱いであった。建前では移住者の出身地、宗教、学歴で差別されないことになっているが、それはあくまで建前である。幼い時は皮膚の色や親の職業など意識することなく小学校で仲良く遊んでいた「マフィア」も大きくなるに従い嫌でも差別を意識するようになった。そのハンディを乗り越えるために「マフィア」は学校では人一倍ヘブライ語を勉強し、優秀な成績を修めた。そして差別が少ない軍隊に入ったと言う訳である。

(続く)


荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)

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中東とエネルギーのニュース(10月16日)

2024-10-16 | 今日のニュース
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(中東関連ニュース)






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(SF小説) ナクバの東(19)

2024-10-15 | 今日のニュース
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(15)

第五章 三羽の小鳥(2)「マフィア」(1/2)
 
「マフィア」はロシア正教を信じるウクライナ地方の貧しい農民の息子である。彼が生まれた当時はまだソ連邦の時代であり、社会主義国家のソ連はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教を問わず宗教を敵視し教会を否定した。モスクワ中央政府は集団農場制度により農民はロシア時代の農奴制から解放され、コルホーズは労働者の天国になる、と宣伝した。しかし農民の暮らしは楽になるどころかノルマに追われる生活が続いた。支配者がかつての地主から中央政府の高級官僚に替わっただけだった。それでも農民たちはいつか救われると信じて自宅や集会所でひっそりとキリストのイコンに祈りを捧げていたのである。

1985年にソ連でペレストロイカが起こると、帰還法に触発されてソ連から100万人とも言われる大量の移民がイスラエルに流れ込んだ。イスラエルの「帰還法とは祖父母のうち少なくとも一人がユダヤ人ならば誰でも移住できるというものである。母親の実家の祖母がユダヤ人であったことを思い出した「マフィア」一家は当時5歳の息子を連れて新天地を目指した。仲間の中には役人を買収して祖父母がユダヤ人であったと言う偽の証明書を手に入れイスラエルに移住した者も少なからずいた。

(続く)


荒葉一也
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中東とエネルギーのニュース(10月14日)

2024-10-14 | 今日のニュース
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

(中東関連ニュース)



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(SF小説) ナクバの東(18)

2024-10-12 | 今日のニュース

(目次)

Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(15)

第四章 三羽の小鳥(1)「エリート」(3/3)
 
雑多な人種、国籍の移住者で構成されているイスラエルでは建国の中心となったアシュケナジムはエリートである。とりわけ「エリート」の一家はWASPと呼ばれる飛びきりの上層階級である。普通WASPと言えば米国東海岸のエスタブリッシュメントの代名詞「ホワイト(W)・アングロ(A)サクソン(S)・プロテスタント(P)」のことであるが、ここイスラエルでは「ホワイト(W)・アシュケナジ(A)・サブラ(S)・プロテクシア(P)」の略称である。サブラとはイスラエル建国のために最初に移住した人たちのことであり、いわばメイフラワー号で米国に上陸した移民家族のようなものである。そしてプロテクシアとは人脈があることを意味する。

仲間から「エリート」と呼ばれるのは、彼がこのような華麗な血脈と人脈をバックにしているためである。

(続く)


荒葉一也
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今週の各社プレスリリースから(10/6-10/12)

2024-10-12 | 今日のニュース
10/5    出光興産    
「千葉地区エチレン装置集約による生産最適化」検討のFEED移行について 
   https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2508458/00.pdf

10/7 経済産業省 
LNG産消会議2024を開催しました 
https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241007002/20241007002.html

10/7 JOGMEC 
伊Eni S.p.Aとガスセキュリティ強化及びLNG供給・調達多角化に向けた協力覚書を締結 
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_00053.html

10/7 JOGMEC 
豪州Woodside Energyとメタン排出課題解決に向けた覚書を締結 
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_00055.html

10/7 chevron 
chevron announces US$6.5 bn sale of its interests in the athabasca oil sands project and duvernay shale 
https://www.chevron.com/newsroom/2024/q4/chevron-announces-us6-5-bn-sale-of-its-interests-in-athabasca-oil-sands-project-and-duvernay-shale

10/8 経済産業省 
「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律の施行期日を定める政令」、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律施行令」、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」及び「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律関係手数料令」が閣議決定されました 
https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241008003/20241008003.html

10/8 ENEOSホールディングス 
JX金属株式会社の東京証券取引所への株式上場申請について 
https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20241008_01_01_0960492.pdf

10/10 TotalEnergies 
TotalEnergies Expands Global LNG Bunkering Footprint 
https://totalenergies.com/news/press-releases/totalenergies-expands-global-lng-bunkering-footprint

10/10 OPEC 
Fifth High-Level Meeting of the OPEC-GECF Energy Dialogue highlights the importance of oil and gas for prosperity and progress 
https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/7382.htm

10/11 経済産業省 
第6回カーボンリサイクル産学官国際会議を開催しました 
https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241011002/20241011002.html


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中東とエネルギーのニュース(10月11日)

2024-10-11 | 今日のニュース
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
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中東現地紙ニュース転載:「米国は昨年10月7日以来、イスラエルへの軍事援助に過去最高の179億ドルを費やしている。」

2024-10-10 | 今日のニュース
原題: US spends a record $17.9 billion on military aid to Israel since last Oct. 7
掲載紙;2024/10/7 Arab News (Original;AP通信)

以下は米ブラウン大学がハマスによるイスラエル攻撃の記念日である月曜日に発表した戦争費用プロジェクトの報告書の概要である。この報告書は、イスラエルが9月下旬にレバノンでイラン支援のヒズボラ過激派に対する第二戦線を開く前に発表されたもので、バイデン政権がガザとレバノンの紛争でイスラエルを支援し、同地域でのイランと同盟関係にある武装集団による敵対行為を封じ込めようとしている中で、米国の推定コストを初めて集計したものの1つである。

ガザでの戦争が始まって中東各地で紛争が激化して以来、米国はイスラエルへの軍事援助に少なくとも過去最高の179億ドルを費やしている。さらに2023年10月7日の攻撃以来48億6000万ドルが同地域での米軍の軍事作戦強化に投入されており、これにはイラン支援のハマスと連帯してイエメンのフーシ派が行っている商船への攻撃を鎮圧するための海軍主導の作戦の費用も含まれる。

人命の損失も発生している。ハマスの戦闘員らは1年前、イスラエルで1,200人以上を殺害し、人質に取った者もいる。ガザ地区保健省によると、イスラエルの報復攻撃により、ガザ地区では4万2,000人近くが死亡したという。イスラエルが9月下旬にレバノンへの攻撃を大幅に拡大して以来、ヒズボラの戦闘員や民間人を含む少なくとも1,400人がレバノンで死亡した。

イスラエルへの記録的な軍事援助
1959年以来、イスラエルはインフレ調整後のドルで2,512億ドルを受け取っており、米国史上最大の軍事援助受領国である。

2023年10月7日以降に費やされたインフレ調整後の179億ドルは、1年間でイスラエルに送られた軍事援助としては突出している。米国は、1979年に米国が仲介した平和条約にイスラエルとエジプトが署名した際に、毎年数十億ドルの軍事援助を行うことを約束しており、オバマ政権以降は、イスラエルに対する年間援助額を2028年まで38億ドルと定めた合意を行っている。

ガザ戦争が始まって以来の米国の援助には、軍事資金、武器販売、連邦準備金からの少なくとも44億ドルの引き出し、中古装備の譲渡などが含まれている。

米国が供給した兵器の多くは、砲弾から2,000ポンドのバンカーバスター、精密誘導爆弾に至るまでの軍需品だった。

研究によると、支出額はイスラエルのアイアン・ドームとダビデ・スリングミサイル防衛システムの補充にかかる40億ドルから、ライフルやジェット燃料の現金まで多岐にわたる。

米国のウクライナに対する公式文書化された軍事援助とは異なり、昨年10月7日以降に米国がイスラエルに何を送ったかの全詳細を入手することは不可能だったため、この1年間の179億ドルは部分的な数字だと研究者らは述べている。また、バイデン政権が「官僚組織による操作により援助の総額とシステムの種類を隠そうとしている」と指摘した。

民間人に多大な犠牲を強いている戦争中に米国の主要同盟国に資金援助をすることは、大統領選の選挙戦で米国民を二分した。しかし、イスラエルへの支援は米国政治において長い間大きな影響力を持っており、バイデン氏は金曜日、「私ほどイスラエルを支援した政権はない」と述べている。

中東における米軍の作戦
バイデン政権はガザ戦争が始まって以来、イスラエルと米軍への攻撃を抑止し、対処することを目指して同地域での軍事力を強化してきた。

報告書によると、これらの追加作戦には少なくとも48億6000万ドルの費用がかかったが、これには同地域のエジプトやその他のパートナーに対する米国の軍事援助の増強は含まれていない。

ハマスがガザ周辺のイスラエルのバリケードを突破して攻撃した日、米軍は中東に3万4000人の部隊を配備していた。この数は8月には5万人にまで増加し、イスラエルによる攻撃でハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤがイランで殺害されたことを受けて報復を阻止する狙いで、2隻の空母が同地域にいた。現在は合計で約4万3000人。

地中海、紅海、アデン湾に配備された米艦艇と航空機の数(空母打撃群、水陸両用即応群、戦闘機中隊、防空砲台)は、今年に入って変動している。

国防総省は、別の空母打撃群が間もなく欧州に向かうと述べており、2隻の空母が再び同時にこの地域にいれば、兵力総数は再び増加する可能性がある。

フーシ派との戦い
米軍は戦争開始以来、イエメンの首都と北部地域を支配し、ガザ地区と連帯して紅海の商船に砲撃している武装勢力フーシ派による攻撃の激化に対抗するため展開してきた。研究者らは、米国が被った48億6000万ドルの費用を「予想外に複雑で非対称的に高額な課題」と呼んだ。

フーシ派は重要な貿易ルートを通過する船舶への攻撃を続けており、発射場やその他の標的に対する米国の攻撃を引き起こしている。この作戦は、海軍が第二次世界大戦以来直面した中で最も激しい海戦となっている。

米国は、2,000ドルのイラン製フーシ派ドローンに対して、複数の空母、駆逐艦、巡洋艦、数百万ドルの高価なミサイルを展開している。米軍は金曜日だけでも、イエメンのフーシ派の標的12カ所以上を攻撃し、兵器システム、基地、その他の装備を狙ったと当局者は述べた。

以上
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(SF小説) ナクバの東(17)

2024-10-10 | 今日のニュース
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(14)

第四章 三羽の小鳥(1)「エリート」(2/3)

 
普通のイスラエル人であればこれらのニックネームを聞いただけで本人の出自がすぐにわかる。「エリート」の父親は第一次中東戦争、一般にはイスラエル独立戦争と呼ばれる戦いで活躍、その後は空軍パイロットとして三度の中東戦争でエジプト、シリアのソ連製ミグ戦闘機を撃墜するなど輝かしい戦功をたてた。1991年には空軍司令官として有名な「ソロモン作戦」の現場指揮をとっている。「ソロモン作戦」とはエチオピア内戦で首都アディスアベバに孤立したユダヤ教徒一万数千人をイスラエルに空輸すると言う空前絶後の作戦である。作戦名が両国を結びつけた古代の歴史「ソロモンとシバの女王」に因んだものであることは言うまでも無い。父親は将軍にまで上り詰め、退役した今も政府及び軍部の御意見番として穏然たる勢力を保っている。

「エリート」とその一族はアシュケナジムである。アシュケナジムは元々ドイツに住んでいたユダヤ人であり、彼の父も祖父もナチスのユダヤ人狩りで強制収容所に送られ、祖父はホロコースト(大虐殺)で亡くなった。父親もガス室に送り込まれる運命であったが、寸前に戦争が終結し強制収容所から救出された。まだ若かった父親はユダヤ人の祖国建設を目指すシオニズム運動に身を投じイスラエルに移住した。彼はそこで同じアシュケナジムの女性と知り合い二人の間に生まれたのが「エリート」である。

(続く)


荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)


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