まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

「赤字空港に税金つぎ込むより、放射能汚染検査・測定に使うべき」大井寿生さん

2011年10月27日 | ニュース・関心事
10月13日静岡空港土地収用事業認定取り消し高裁訴訟が敗訴、また収用裁決取り消しを求める高裁訴訟の始まりを受けて、本日、空港はいらない静岡県民の会主催の集会が30名の参加のもと労政会館で開催されました。

弁護団を代表して阿部浩基弁護士が判決分析と訴訟論点を、県民の会から島野房巳さんが確約書、社整審、需要予測の観点で判決批判、そして、裁決取り消し訴訟で意見陳述した大井寿生さんからの感想が述べられました。

そのあと、今後の空港反対運動の展開について討論会となりました。川勝知事の登場でこれまでより情報公開など県行政に変化あるものの空港維持の姿勢に対してあくまで廃港と自然エネルギー基地への転換を求めるとの問題提起。

県民の会として今後沼津市の鉄道高架事業、浜岡原発廃炉求める運動との連携を模索していることから、浜岡原発を考える静岡ネットワークの白鳥良香さんからの問題提起を受けての質疑・討論となりました。厳しい現状認識は全員共通です。

私自身は、空港訴訟に議会スケジュールなどなかなか参加できないことへの反省と県内住民運動との連携というのであれば、来年の原発防潮堤完成-再開の動きに県民投票運動の検討があってもいいのではないかと問題提起。

他にも様々な意見・質疑がなされましたが、来年3月の県民の会総会に向けて論点整理と戦略的方向議論を転嫁しいていくことを確認して集会を終えました。福島原発震災情報連絡センターについても報告しました。

大井さん発言。「東日本大震災、福島原発震災以降、県民は津波や放射能汚染に非常にナーバス。お茶だけでなく肉牛の世界でも静岡県といえば汚染イメージ。検査は生産者負担だが、赤字空港に数十億かけるなら検査や測定にお金を使うべきだ」。

福島原発震災情報連絡センター設立―木村真三さんの記念講演

2011年10月27日 | ニュース・関心事
福島原発震災情報連絡センターは29都道府県131人の自治体議員の呼び掛けのもと26日衆議院第2議員会館第3会議室にて70名の方々の参加、日弁連や原子力資料情報室からの問題提起も受けて結成されました。

NHK報道番組「放射能汚染地図」で大活躍の木村真三さん(独協医科大学準教授)が10月4日から21日までウクライナ・ナロージチ地区での調査を終えて、記念講演に駆けつけてくださいました。早速の名刺交換。

お話は、まずは何故自分がこのような分野に進んできたか。1999年の東海村事故で、現場に入って人体影響調査に関わったことがはじまりで、このような事故が起きた場合どのように対応したらいいか 研究してきた、と。

一昨日、文科省大臣、副大臣、政務官、担当課長等相手に「チェルノブイリ-福島」という原発事故後に共通する問題についての報告と3点の具体的提案を行ってきたことを報告しながら、ウクライナ国ジトールミル州ナロージチ地区報告。

ナロージチ地区のコローシャ氏が主張する被ばく線量で放射能汚染状況を分析していくことの方が、土壌汚染密度で、つまり、食物への放射性物質の移行係数で把握される内部被ばくとして分析するより有効。

福島について、子どもも大人もその安全線量としても5ミリシーベルトでいいのではないか、と考えている。1ミリシーベルトは、事故前であれば当たり前だが、除染もままならない、出ていくこともできない中での選択。

そして、このナロージチ地区の避難区域となる第一~第四ゾーンの実情、三万人が一万人に減少、子どもたちは非汚染食品による給食、ソ連崩壊後は配給はなくなった、内部被ばくの影響が色濃く残っている実情

ナロージチ中央病院の医師の話として家族単位で放射能汚染されていない野菜の供給や汚染の少ないクリミア・カルパチア等への3ヶ月の保養期間があり新鮮な食品を食べていたが今年は48%しか行かなかった。

子どもの症状として免疫低下、甲状腺、食道炎、大人では心疾患、乳がん、がん自体も徐々に増加、免疫低下。プロフィネンコ・ナロージチ町長「線量をはかる、住民が住めない地域を決める」。ナロージチ地区を丹念に説明。

キリチャンスキー氏「被害者意識を捨て国や行政を当てにせず自分たちで問題を切り開くための努力をする必要がある」と。自分も福島県民方々に同じことを伝えているとして福島県内での具体的な放射の汚染地図作成のお話。

既にNHK「放射能汚染地図」で紹介されている二本松市の杉田地区、飯舘村、いわき市志田名地区のお話は割愛しますが、強調されたことは地域の自然条件を熟知する住民自身による汚染調査、「市民科学者」を養成することの意義。

最後に、中間貯蔵施設設置場所を巡っての政府と福島県知事との間で緊張関係存が存在していることに関連して質問。木村さん「それは、福島第一原発敷地内しかありません。最終的に石棺になるあの場所」と明言。
ウクライナでの水2ベクレルなど放射性物質の基準値と日本を比較しながら文科省への3つの提案を紹介して講演は終了。提案1-学校給食食の基準値、提案2-健康調査、提案3-避難地域の指定。

その中で、ヨウ素欠乏症のナロージチ地区の子どもたちの甲状腺がんは4年後から増えているが、ヨウ素過剰の日本では8年後からではないか。屋外8時間、屋内8時間で5ミリシーベルトが一つのメド。

2から3マイクロシーベルト程度の住宅は除染可能だが、町内会レベル全体で広く行う。仮置き場の設置に関して一つの公園をつぶすくらいの最小単位で[町内会や集落に決める。議員には感情論を避けて冷静な対応を求めたい。

中間貯蔵施設設置場所を巡っての政府と福島県知事との間で緊張関係存が存在していることに関連して質問。木村さん「それは、福島第一原発敷地内しかありません。最終的に石棺になるあの場所」と明言。

5ミリシーベルト問題では参加者からかなりの批判的意見も出ましたが、予想していた通りの具体的調査に基づく現実主義的で自らの役割を限定的に抑えながら真実に近づこうとするその姿勢には大変好感を持ちました。