公務員給与の期末手当引上げについては、人事委員会によって民間との比較、格差是正として根拠が示されています。ただ、50人以上の企業ですので様々なご意見があります。本来、議員の引上げについても特別職等報酬審議会に諮問し増額の妥当性を客観的に示す必要があるにもかかわらず、公務員の引上げに連動して提案されています。提案しなかった新潟市、堺市を紹介しながら反対しました。
※議案第186号 静岡市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について 反対討論
ただ今上程されております議案第186号 静岡市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について緑の党として反対討論を行います。
反対理由の第1は、提案の手続き上の問題で、反対理由の第2は議員という政治の側に身をおく立場として2019年10月消費税10%への引上げが予定されている現状において、議員報酬の期末手当の引き上げを容認することはできない、との観点からです。
第1に関して言うなら、市職員の期末手当の増額は人事委員会勧告を根拠にしたものですが、議員の場合には特別職等報酬審議会への諮問によって増額の妥当性を客観的に示す必要があるわけでありますが、「期末手当については条例に規定がない」として報酬審議会の開催もなく職員の期末手当の引き上げに準じて市長から提案がなされていることであります。新潟市においてはご承知のように期末手当についても当別職等報酬審議会の諮問対象となっています。
今回、20の政令市の中で引き上げていない都市は、新潟市と堺市です。新潟市の特別職等報酬審議会は「他の政令指定都市との比較において低水準であるという考慮すべき事項はある」と認めながら「最終的には、特別職の報酬のあり方や市の財政状況等を総合的に勘案したうえで、改定することの理由を見出すことは難しいとの意見で一致し、据え置きとするのが妥当との結論に至った」と述べています。一般市では東京都の小平市、小金井市でも提案されておりません。
因みに、月別議員報酬はで番高いのが横浜市、一番低いのが浜松市、次が新潟市、次が静岡市で静岡市は18番目です。期末手当の一番高いのが横浜市で、一番低いのが新潟市、次が熊本市、次が浜松市、次が相模原市、次が静岡市で静岡市は16番目です。「月別議員報酬」と「期末手当」をあわせた年収で言うと一番は横浜市で、一番低いのが新潟市、次が熊本市、次が浜松市、次が相模原市、次が静岡市で、静岡市は16番です。この一番低い新潟市が「据え置き」の結論を出していることを注目しておかなければなりません。
議会からの期末手当引上げには報酬審議会開催が必要だとの意見を受けた堺市長、「特別職等報酬審議会」の「据え置き」答申を受けた新潟市長、この2市は提案しなかったわけです。
田辺市長に求められる判断はどういうものでしょうか。田辺市長は1期目において自らの報酬の引き下げを公約され実施しました。私は、本会議の総括質問でも度重なる期末手当の引き上げの際も特別職等報酬審議会の条例改正を指摘し続けています。本来なら市長・副市長などに関わる第187号議案にも反対しなければならないところです。私としては、田辺市長に条例改正提案を行うか、あるいは「政治家としてのつつしみ」から引上げを提案しない選択を待ちたい、との考えで第186号だけに討論を絞っているわけであります。実は、市長の報酬では、静岡市は12番目、副市長は17番目、期末手当は、市長は11番目、副市長は16番目、年収においては、市長は14番目、副市長は17番目です。
第2に関していうならば、提案されたこの時期は2019年10月の消費税10%アップを目前に低所得者対策や景気への影響回避と称して軽減税率の導入や2%、5%ポイント還元、プレミア商品券の発行など様々な対策が検討されているさなかに当たるからです。ただ、消費税対策の過剰さ、「バラマキ」との批判もされており、何のために消費税を上げるのかわからないという指摘まで出ており同感するところがあります。いずれにしても消費税がもたらす低所得者、景気への影響が極めて大きいということであります。こうした時期に政治に関わる立場、議決の権限を持つ議会がこのまま公務員給与に自動的に連動する形の引上げを許していいのだろうか、という観点から反対であります。
以上が反対理由ですが、自ら議決に参加し反対しているにもかかわらず受領することは私の政治信条に照らして納得できないところです。今回の期末手当における引上げ額としての3万9780円に所得税8132円を差し引いた3万1648円を受領することを拒否しますので市長に法務局への供託を要請して反対討論を終わります。