イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

紀ノ川河口釣行

2020年02月25日 | 2020釣り
場所:紀の川河口
条件:7:40満潮
釣果:ボウズ

昨日のブログで“腐った勤怠”と書いたのは昨日、今日と連休になったことだ。普通のサラリーマンなら土日が連休というのが当たり前だが僕の会社は1週間の間にいつでもいいから2日休むというシステムだ。だから均等に休みを入れて、「3日出勤→休み→2日出勤→休み」というのが、連続で釣りに行くのには体が楽で、天気の巡りが悪くてもどちらかの休みは釣りに行けるというベストローテーションなのである。
しかし、今週は5日連続出勤で2日連続の休みだったのだ。おまけに今日はどうしても出席しなければならないまことにくだらない会議がある。昨日が上天気であったということが不幸中の幸いだ。月初から会社に顔を出さなければならないということがわかっていたので10日前からベーコン作りの仕込みをしていた。そしてそれに加えてお葬式への参列という用事もできてしまった。
だから、今日のスケジュールは早朝から①魚釣り、②森を探検、③お葬式へ参列、③ベーコンをいぶす、④会議へ出席。とバタバタした1日となったのだ。②の森を探検については後々このブログに書き込もうと考えている。

まずは魚釣り。
どうしてこんなにあわただしい日に釣りに行くのか、それはとりもなおさず、小船に乗らねばならないからだ。昨日も少し乗ったのであるが、エンジンがかなり不機嫌だった。前にも書いたが、僕は、「釣り船は愛人である説」というのをかたくなに信じている。ふたりも愛人をかかえていてどちらか片方に入れあげてしまうともう片方の機嫌が悪くなるのは必定だ。アイドリングがものすごく不安定で、急に回転数が上がったかと思えば突然止まってしまう。インジェクションが古くなっていて、アイドリングの制御が不安定らしい。これを解消するには定期的に乗ってやってくださいねというのがいつも船外機の修理をしてくれるおにいちゃんの指示なのだ。
だから今日は少し気になっている紀の川河口のスズキ調査だ。



この場所は毎年夏の恒例で何度かやってくるのだが、会社のルアーマンに聞くと、河口のスズキはアユの遡上が始まる3月ごろがいいんですよというので今年は絶対に春先から行ってやろうと考えていたのだ。今の職場にはプロ級のルアーマンもいたりするのだ。
確かに青岸のテトラポッドには数人のルアーマンが陣取っていた。僕もその沖辺りに投錨してルアーをキャスト。お正月にメッキを釣ったワームとジグヘッドのセットだ。



これで釣れてくれればハードルアーよりもお手軽なので期待をしているのだがそんなに甘くない。エネルギーセンターの前や海保の安全情報で海底に堆積物があり水深が浅くなっているという警告が出ている場所を流してみたけれどもアタリはない。まあ、こんなものだろうとさっさとあきらめて港近くの森を探検して家に帰った。



そして午前10時開始のお葬式に参列。
亡くなったのは会社の同僚で、6年前にこの職場に異動してきたときからすでに闘病しながら勤務をしていた人だった。僕よりも若い人であった。亡くなる2か月ほど前まで出勤していた。最後のほうは確かに歩くのもやっとという感じであったが生活があるとはいえ、よくあの状態で勤務していたものだと頭が下がる思いだった。僕ならすぐにギブアップすると思う。
僕の家からすぐ近くの葬儀場であったのだが、港に向かうときにいつもここの前の道を通る。今朝も同じルートで港に向かい、通夜の灯りが灯っている会場を見るとなんだか複雑な気持ちであった。
バイクだと1分ほどで行けてしまうので今日も三輪車で向かったのであるが、あれに乗って斎場へ行くというのも気が引ける。前の、赤い車に乗っていた時も葬式に行くときは気が引けたけれども、あのふざけた乗り物に乗ってきた不謹慎なやつは何者だというような冷ややかな視線を浴びそうなのだ。だから斎場の一番端の入り口から入って一番端の駐車場の隅っこに三輪車を停めて斎場入口へ向かう。今乗っている自動車も業者の搬入口辺りに停めないと様にならない。どうも僕の嗜好は普通じゃないようだ・・。

家に帰って午後からベーコンをいぶしにかかった。

 

レシピはこんな感じ。忘備録として書いておく。20%の食塩を入れたソミュール液に一週間浸しておく。



取り出して一晩水出し。3日間冷蔵庫の中で乾燥。釣りに行く前に取り出し、屋外でさらに乾燥。紙コップ5杯分のチップで燻す。温度は60℃~80℃をキープ。さらにオーブン100℃で1時間加熱して出来上がり。



元旦に燻したベーコンはちょっと塩味が強すぎたが今日はまずまずであった。ただ、オーブンでの加熱時間はもう少し長い方がよかったかもしれない。ちょうどいいレア加減といえばそうなのだが、アメリカ産格安豚バラ肉なので少しだけ食中毒が心配だ。



ちなみに、豚肉は中心温度が60℃で30分以上の加熱が必要だそうだ。100℃で1時間もやれば大丈夫だとは思うのだが・・。(このブログは翌日に書いているのだが今のところ、お腹は痛くない。)

そして午後4時30分の会議に出席。
冒頭で役員が、彼は業なかばで亡くなり、きっと無念であったと思う。その無念の気持ちを晴らすべく全員一丸となって業務にあたろうではないかというようなコメントを発していたけれども、う~ん。どうなんだろう。武田信玄や諸葛孔明じゃあるまいしと思ってしまうのだ・・。
彼は本当に会社に対して無念の思いを残していたのだろうか。そういう疑念と疑問が湧くというのはきっと僕自身に会社に対する忠誠心がないということの裏返しではあるというのは間違いがない。

亡くなるというと最近、こんな話を聞いた。とある釣り好きのおじいさんの話だ。
その人は理髪店を経営していて、若いころは毎週日曜日の夜に列車に乗って南紀方面の船釣りに出かけていたらしい。(多分、紀勢線の釣り列車であったのだろう。)歳を取ってきて体力的にそれもままならなくなり今度は加太へ通いだしたそうだ。加太には荒ぶる神々という名前の遊漁船があるがそこの常連であったそうだ。メバル釣りのころであったというのでまだ寒さが残っていたころだろう。その人は早朝からデッキのベンチに腰掛け出船を待っていたそうだ。そして出船のときに声をかけても動かないと思ったら座ったままで息絶えていたというのである。
この話を聞いた人は遊漁船も釣人も両方よく知っていて、遊漁船のオーナーからその話を聞いてすぐに釣人の仏壇にお参りに行ったそうだ。
僕もその話を聞いて、最初の一言が不謹慎かもしれないが、「なんとカッコいい!」であった。
釣人の最後としてはこの上ないのではないだろうか。ご本人としてはメバルを釣ってから逝きたかったという無念は残るかもしれないが、船の上でまったく人に迷惑をかけることなく逝ったというのはお見事ととしか言えない。
僕はひとりの釣りばかりなので船上で逝ってしまうと多方面に迷惑をかけてしまうので、できればもやいのロープに手を掛けた瞬間でお願いしたいものだ。
坂本竜馬は、「業なかばで倒れてもよい。 そのときは、目標の方角にむかい、その姿勢で倒れよ。」と言ったそうだが、僕の場合は向かいたい方向とは逆方向にのけぞって逝ってしまうようだ・・。

くだらない会議が終わって昨日片身ずつ残していたきずしとハマチの刺身を造ってやっと夕食。
なんともドタバタな1日であった。
コメント
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