イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

紀ノ川河口~加太沖釣行

2021年08月11日 | 2021釣り
場所:紀ノ川河口~加太沖
条件:中潮 7:38満潮
潮流: 5:50転流 8:43 上り1.2ノット最強
釣果:タチウオ1匹 マアジ6匹 サバ1匹 ガシラ1匹

毎回書いているような気がするのだが、ここのところ休みのたびに釣りに行っている。そろそろ疲れも溜まってきているのだが次の休みは雨模様なのでやっぱり今日も釣りに行く。
できれば早く切り上げたいので気になっているタチウオを釣りに行こうと決めた。ただ、過去2回のタチウオはまったくダメだったのでもし釣れなければ加太まで足を延ばして鬼アジを釣りたいと考えている。早く切り上げたいといいながら加太までというのはおかしな話だがこの前釣った鬼アジがすこぶる美味しかったので釣れればまたあの味を堪能できると思ったのだ。

今日は渡船屋の振替休日。港には人はひとりもいない。いつもは街灯が点いているのだが昨日の台風のような温帯低気圧で明度センサーが壊れたか休みなので船頭がブレーカーと切って帰ったか真っ暗だ。



対岸には光があるとはいえ港の後ろは森のような場所なのでもともと人気のないところではあるがこんなに暗いところだったのかと改めて実感した。

今日は雲が多いのか、午前4時半、海の上も真っ暗だ。



昨日の夕方も一昨日に比べてかなり暗くなったと感じたが、わずか1日で一気に日が短くなった感がある。
ゆっくり船を進めて少し明るくなるのを待つ。
青岸の手前から仕掛けを流しはじめると、同じくタチウオを狙っているであろう船が数隻出てきた。釣れているのだろうか。
しかしアタリはない。かなり明るくなってきて最初のアタリ。しかしすぐにバレてしまった。



その後もアタリがなく、これでは間違いなく加太に行かねばならないと思い始めた頃にまたアタリ。今度は鉤掛かりした。引き上げてみると指4本に迫ろうかといういい型のタチウオだ。こんなのなら5匹もあれば十分だと思いアタリがあった青岸灯台の前を行ったり来たりするが魚はこの1匹のみで終わった。
どうも今年のタチウオは数が少なそうだ。燻製作りも危うい・・・。

タチウオ1匹では帰れないので加太へ向けて出発。上り潮なので友ヶ島の南で釣りができるはずというのもアジを狙ってみようと考えたひとつの理由だ。燃料を少しでも節約できる。航跡は少し乱れ始め、推力は間違いなく1割は減少している。今日もたかだか4時間半の行程でおそらく20リットルは焚いている。



最も近い四国沖ポイントで釣れれば上出来と思い行ってみたが船の影はなくおまけに水が濁っている。これではダメだと大和堆ポイントを目指す。ここは魚が釣れているのか結構な数の船が来ている。



ぼくも早速仕掛けを落とすと幸先よくマアジが掛かった。型もまずますだ。仕掛けを下してから生け簀を開け、魚を放り込んだら勝手に魚が掛かっていた。今日はけっこう釣れる予感がする。
しかし、船が密集しすぎている。今日も相手のスパンカーが当たりそうになるほど接近されるし、かなり離れてはいたが他の船の仕掛けとおまつりをしてしまった。
スパンカーが当たりそうになった相手は僕が魚とやりとりをしている最中に接近されたのだが、こっちは操船もままならないというのは見ているとわかりそうなものだと思う。おまつりをした相手はどちらが悪いというのが定かではないものの、僕はそんな仕掛けを伸ばしているわけではなかったので自分を贔屓に見るなら相手の仕掛けが相当伸びていたに違いないと思う、大体、竿を手に持たずにホルダーにセットしたままで釣っているくらいだから仕掛けの状態を常時見ていないのだろうと思うのだ。
この辺のしきたりというものがこういう釣り方なのかもしれないが、もう少しお互いに遠慮し合って魚を釣りたいと思うのである。

午前6時を過ぎるとアタリが遠のき、午前7時半まで粘るがアタリはなくそのまま終了。

隣のNさんも僕より1時間ほど遅れて出撃していたようで、僕が帰ったころに大和堆ポイントに入り午前11過ぎまでアタリは続いたとのこと。僕ももう少し粘ればまだアタリを捉えることができたかもしれないが暑くなってくると体がしんどい。叔父さんの家に持っていく分も確保できているのでもうこれで十分ということにしておこう。

前回、大物らしい魚ばかりバラしたので対策としてクッションゴムを使ってみた。
昔からクッションゴムというのは使うのが嫌で磯のかご釣りでは定番であったが使わなかった。高橋治の小説に「秘伝」という作品があるが、お互いライバルだと思っている老漁師が最後に協力して巨大なイシナギを釣りあげるというストーリーで、その時に使う秘策がハリスの前に自転車のチューブを取り付けるというものだった。この小説に倣っての使用であったが秘伝にできるほどの結果ではなかった。まあ、使わないよりもマシという程度か・・。




今日の獲物は和風のマリネにしてみた。このメニューはテレビで田崎真也が作っていたものだがそれを手元にあるもので代用して作ってみた。じつはこれを作りたいと思ったのもアジを釣りに行きたいと思った理由のひとつだ。
調味料のひとつに柚子胡椒を使っているところに試してみる価値があると思ったのだ。田崎真也は柚子を使わずにニューサマー甘夏というものを使って自家製の柚子胡椒もどきのようなものを使っていたが、僕は柚子胡椒にレモン汁を合わせて作ってみた。マリネだとオリーブオイルやごま油を使うが、このアジの脂を楽しむためにはかえってそれらは邪魔になる。



さっぱりしていい味で、刺身よりも好評であった。釣れたらまた作ってみようと思う。
ついでに作ったアヒージョはアジで作るから「アジージョ」だ。これもまったく素材が美味しいから料理の腕前は関係がない。



この番組で、田崎真也は仕事と余暇について語っていた。ご存知のとおり、この人は世界ソムリエコンクールで日本人で初めて世界一になった人だ。それまでは休みもなくひたすら勉強をし、そして働いていたそうだ。
37歳になってふとそんな自分を振り返り、それ以降は余暇のために働くのだという、一般的には逆だと思われる考え方をもとに生活をするようになったと語っていた。
ソムリエの世界に入る前に好きだったという釣りを再び始め、熱海に部屋を持ってそこを拠点に釣りと仕事の生活を続けているという。
僕の生活もある意味、余暇のために会社に行っているようなもので次の休みはお天気かしらなどとばかりに気をもんでいるが、ひとつのことを成し遂げた人のそれとただ惰性で生きてきたそれとは大違いなのであるとたじたじとなるのである。僕の生き方はまるで面白くない民放のテレビ番組のようである。その心は、「本編はまったくでコマーシャルだけが面白い・・」ということなのである。同じように余暇のために働くとはいえ、そこにはこの人を必要としているひとがいっぱいいてそれにこたえられる力と能力を持っているのと誰からも必要とされない人間とではやっぱり生き方としては真逆だなと感じるのだ。

どちらにしてもこの歳で体力もなく知力もないのだからどうあがいてもひとから期待をされることもない。事務所の隅っこでひっそりと残りのサラリーマン人生を送りたい・・。


コメント
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