わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問 70釉が水色に成る

2025-01-11 11:48:23 | 質問、問い合わせ、相談事

ララ様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します

 

陶芸初心者です。

近江グレー土に、海外の白い釉薬を塗って酸化焼成1240℃で焼いたところ、い

つもは白い釉薬が水色になっていました。なぜ水色になったのかが知りたて答

えを探してるうちにこちらへ辿り着きました。

近江グレー土のどんな成分と、釉薬のどんな成分が反応したのか…

この白い釉薬にはどんな原料が使われていてなぜ水色になったのか…

どんな事でも構いませんのでご教示いただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

明窓窯より

焼成の熱源が記されていませんので、想像して記します。

1) 近江グレー土は、鉄分などを多く含む土です。

 酸化焼成との事ですが、一部還元焼成に成った可能性は無いですか?

 鉄は酸化焼成では、茶色や黄色等を発色する事が多いのですが、還元焼成で

 は水色や緑色に発色する事もあります。

 今回初めて水色に成ったとゆう事ですか? 以前と何か変わった事は在りま

 せんか?

 例えば、いつもよりも焼成温度が高かったり、焼成時間が長かったり、又は

 作品の傍に他の色の釉を掛けた作品があったりした場合です。

 織部釉の様な銅を使った釉の場合、窯の中で銅が揮発し、傍の作品に添加し

 て色が付いて仕舞う事も有ります。

 銅は基本的には緑色や赤ですが、水色に近い色に成る事も有ります。

2)又、海外の白い釉と反応して発色する事も有ります。

 白い釉と有りますが、それは生の釉が白いことですか?

 (大抵の釉は生の状態では白いものですが。)

 それとも焼き上がりが白く発色する釉との事ですか?

 多分後者の事と思われます。白色にも色々あります。乳白系マット系や素

 地が白色であれば、透明釉でも焼き上がりは白くなります。

3) 海外の釉なら石灰系と思われます。

  (我が国では、灰系の釉も有ります。)

  多くの場合、我が国でもメーカーは釉の成分は秘密ですので、何が入って

  いるかは判りません。

  但し焼き上がり見本は有るはずで、あなた様もこの見本を見て購入したの

  ではないですか?その際、どの素地に施釉したのかは不明ですが、釉には

  水色が出ていなかったのですね。

  だとしたら、多分素地と反応した物と思われます。

4) 他の粘土で試す事です。

  なるべく鉄分の少ない(志野土など)白い土で試みて下し、それで水色が

  出ないなら、素地(近江グレー土)が原因かも知れません。

  又、焼成に問題が有るとしたら、窯詰めの場所を変え試す事です。

5) 作品を見る状態に拠っても色が付いた様に見れる事が有ります。

  即ち、表面の反射光に拠って色が付いた様に見える事です。

  特に、釉が厚く成り過ぎすたり逆に薄過ぎる場合にも、起こります。

  時々見られる現象です。

以上 参考にして頂ければ幸いです。

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質問 69釉裏金彩に付いて

2025-01-04 11:29:46 | 質問、問い合わせ、相談事

はな様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。


釉裏金彩(といっても、金粉を振る程度ですが)をしたいと思っています。

・高温だと溶けてしまうので、1000度以下の透明釉薬を探しています。

 市販では、楽焼き用の釉薬しか見つかりませんでしたが、かけてみると少し

 白濁していました。


どのような釉薬を1番上にかければ良いと思いますか。


○○系の釉薬を手作りするべき、等ご教授ください。

また、弁柄について


ベンガラの粉末で鉄絵をし、高光沢透明釉というのをかけ、1230度で焼成しま

した。

すると鉄絵が完全に消えてしまいました。

透明釉の材料が良くなかったのでしょうか。

(商品ページを見ても、材料が何なのか書いていませんでした……。)

それとも、温度が高すぎたのでしょうか。

もしよろしければ、ご教授ください。

 

明窓窯より

1)金は一般的には上絵付の方法で、750~850℃で焼き付ける物です。

 現在市販の釉で、楽焼用以外の低温の物は見当たりません。

 ○○系の釉薬を手作りするべき、等ご教授ください。との事ですが残念なら

 当方では不勉強な為、お答えする事はできません。

 市販の釉が無いとゆう事は、作り方が難しいのか、又は安定的に熔けない、

 更には需要が無い為であると思われます。

 又、例えその様な釉を開発した人がいても、調合(レシピ)は公開されない

 でしょう。

 尚、当方で知っている最も低い釉は、1180℃です。

(透明、乳白釉等があります)勿論1230℃でも使用可能です。

 主に、土鍋などの低温焼成用の釉です。 

2)弁柄での下絵付けで、1230℃で絵柄が消失したとの事ですが、一般的には

  発色する温度です。但し以下の場合には、鉄絵が発色しない場合も有りま

  す。

 イ)弁柄の濃度が薄い場合

   但し濃すぎると釉剥げを起こしますので注意。

 ロ)窯の温度が部分的に高温に成った場合

  窯の容量(大きさ)にもよりますが、1230℃に設定しても、それ以上に高

  温に成るのは決して珍しい事では在りません。

  窯の中ではある程度の温度差が有る物です。窯の癖を知り良い位置を選

  んで窯詰めをして下さい。

  特に絵付け面を熱源に向けて窯詰めした場合に注意が必要です。

以上 参考にして頂ければと思います。

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質問68 上絵付で素地に汚れが付く

2024-12-30 15:14:46 | 質問、問い合わせ、相談事

「ひろみ」様より 以下のご質問をお受けしましたので、当方なりも見解を記

 します。

初めてコメントいたします。上絵つながりで、聞いてみたいことがあります。

(鉛については窯業試験場にだして検査したことがあるので大丈夫です)上絵

で作品を作っていますが、上絵焼成をすると、ほとんどの作品が素地(磁器)

が黒いカビのような細かい点々で汚れてしまいます。素地はゼラチンでふいて

ます。拭き取った場所と違いはあるようなないような…というのも筋状に黒い

汚れがついたこともあります。窯は本焼き後なので、そんなに湿気てはないと

思いますが…。ゼラチンか?湿気か?素地が悪いのか?(素地は日本陶料の上

石です)苦労して絵付けしても、最後の窯でほとんど泣くことになってしまい

ます。理由をご存知でないでしょうか?よろしくお願いします。

 

明窓窯より

回答が当方の事情で遅く成った事をお詫び致します。

問題はまだ未解決でしょうか? 未解決を前提として当方の見解を述べます。

当方が遭遇し事のないものでので、的を射る回答ではないかも知れません

が・・・

 

上絵ですので、当然素焼き施釉、本焼きが終わっている状態のはずです。

ここまでには、何ら問題が発生していない物と推察されます。

1)焼成する窯について記載がなされていませんが、個人専用の窯か、共同窯

 のどちらでしょうか?

 共同窯であれば、他の人の作品の影響も考えなければなりません。

2)上絵付けは一般に電気窯が使用されます。

 燃料を使う窯では、燃料成分が何らかの悪い影響を与える事も有ります。

 当然酸化焼成で行います。還元焼成が一部でも起これば、黒いしみが出来

 易いです。

3)窯の構造と容積とによりますが、本焼き後に絵付けの焼成を行うとの事で

 すが、季節に拠っては、本焼き直後に実施しないと湿度が残る場合もありま   

 す。上絵付けは湿度を嫌います。

4)上絵付はほぼ素焼き程度の温度(750~850℃)で焼成するのが一般的です

  仮に磁土に問題が有れば、本焼き前の素焼きの際に問題が発生いていても

  おかしく在りません。よって磁土が原因とは考え難いです。

5)気に成るのは、黒いカビのような細かい点々の汚れが、釉と固着している

  状態です。磁土の釉は1300℃近くまで温度上昇させます。

  この様な釉が800℃程度で軟化するとは考え難いです。

  よって、何かの作用で釉が軟化したと考えられます。

  釉を軟化させる物質をフラックスと呼びます。

  その様な物質に灰等が有ります。塗布する際の環境に問題は在りません

  か?

6)一番考えられる原因は、ゼラチン自体が汚染されている場合や、筆や布で

  塗布する際の、筆や布が汚染されている場合です。

  使い古した筆や布を使うと場合、汚れが表面に付く可能性も有ます。

  筆や布を真新しい物にするとか、ゼラチンの入る容器を綺麗にした

  りして試すのも一方法かも知れません。

以上 参考にして頂ければ幸いです。

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質問67 色化粧土の作り方

2024-10-29 14:37:39 | 質問、問い合わせ、相談事

「じゅんこ」 様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。

 

初めて投稿させていただきます。作陶大好きです。粘土に下書き用絵の具を混

ぜて溶いて色化粧土として塗って使うことはできませんか?

もしくは白化粧土に下書き用絵の具を混ぜて色化粧として使うことはできませんか?

 

明窓窯より

結論から言いますと、使う事は可能と考えています。

但し、高価な絵具類が練り込み用と使う事のは少ない様です。

1) 綺麗な化粧土を作るには、白っぽい土を使う必要が有ります。

  鉄分等を含む土では、綺麗に発色しません。

  鉄分を含む土を使うと、好みの色を出す為には、多量の絵具が必要に成り

  ます。粘土を使う化粧土は、成るべく素地と同じ種類を使う事です。

  素地と化粧土の収縮率を合わせる為です。

  一般的な下絵付け用の顔料は、呉須(コバルト)や鉄(弁柄など)酸化

  銅、マンガン、酸化クロム等の金属類です。比較的安価である為、昔より

  色土を作るのに使われる事が多いです。

2) 白化粧土を使う場合、顔料と素地の相性が悪く、化粧土を塗ると剥が

  れる場合もあります。顔料を多く混入した時に起こり易いです。

  その時はCMC(化学のり)を入れます。

3) 粘土などには練り込み用の絵具を使うのが普通です。

  比較的安価で作る事が可能です。色も豊富にあります。

  用芸材料店で入手できます。粉末状で市販されています。

  乳鉢等で磨り潰し粗いブツブを無くし、更に水を加えて磨る、又は粘土類

  に直に混ぜ込みます。

4) 市販されている絵具類には、赤、ピンク、紫、黄色、空色、緑等従

  来の下絵具とは格段に異なり、鮮明に発色する物が多く成りました。

  質問者の趣旨はこのような絵具類を、色土用として使用可能かどうかと

  言うものと思われます。

5) 従来の金属類の下絵付け絵具は、昔より使用されている為、比較的安

  定した発色に成ります。

  近年 市場に出回っている絵具類を色土用として使用する場合、発色作用

  は有ると思われますが、安定的に発色するかは不明です。

6) 近年の絵具類は比較的高価です。

  費用対効果から考えますと、従来品の数十倍~数百倍の違いが有ります。

  勿論 少(微)量の色土ならば、新しい絵具の費用もそれ程掛かるとは思

  いませんが。

7) 実際に試す事です。

  どの様に発色するかは、試して下さい。

  又 絵具類は混ぜて使用する場合もあります。但し予見した色と異なる場

  合が多いです。

  尚、色土を使用した場合、焼成時に釉を掛けないと色がハッキリ出ない

  場合も有ります。釉は透明釉が一般的です。

  焼成は酸化焼成にすると良いでしょう。還元焼成では色が濁ったり、変

  色する場合が有ります。

以上 参考にして下さい。     

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質問 66-1 乾燥時のヒビに付いて

2024-06-22 11:51:52 | 質問、問い合わせ、相談事

けい 様より以下の追加のご質問をお受けしましたので、当方の見解を記します。

分かりにくい説明で申し訳ありませんでしたが、本体は縄作りで、たたらの蓋

を被せた状態です。本当に素人の質問でお恥ずかしいのですが、もう全体的に

カチカチに乾いたのですが、蓋だけナイフで無理やり外し、新しく作り直した

蓋を被せるというのは無理な話ですね。カチカチの本体に柔らかい蓋を被せる

と言う意味です。それこそ、収縮率も違いますし。

やはり潰して作り直そうかと思っていたところ、市販の「くっつく土」なる商

品を見つけました。これは、素焼き前のヒビや割れも直せると書いてあります。

土と糊が混ざっているもののようです。今は、ヒビが長く延びてしまい、10セ

ンチ以上(ほぼ端から端まで)になっています。この商品で隙間を埋めても、

やはり素焼きと本焼きで必ず割れてしまいますか?

 

◎ 明窓窯より

 素焼前や本焼時のヒビや割れを補修すると称する商品は、数十年前からペースト状の

 物が市販されていました。

 当時,私も使用した経験では、うたい文句通りにはいきませんでした。

 完全に複数に分割された場合には両方の端面に、施着剤を塗り、それなりに上手く

 行く場合も有りましたが、ヒビ割れの場合には、補修材が隙間に充填できず、

 接着面積も少なく、施着効果が弱く、補修する事が出来ませんでした。

 今では、当時よりも良い補修材が出来たかも知れませんが、余り期待を持たない方が

 良いと思います。

 尚、どうしても作品を壊したくない場合、素焼き本焼き後に割れた部分を補修後に

 再度本焼きし直し方法もあります。

 即ち、本焼き後ではそれ以上素地は収縮しませんので、ヒビや割れ部分もそれ以上

 大きくなりません。本焼き後に補修し施釉し、再度本焼きで焼成する方法です。

 但し、いかに上手く出来ても多くの場合、小さなキズ以外では、補修した事を完全に

 隠す事は難しいと思います。

 何度も言いますが、最善の方法は一から作り直す事です。

 以上

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質問 66 乾燥時のヒビに付いて

2024-06-18 09:54:59 | 質問、問い合わせ、相談事

けい 様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を述べます。

 

教えていただきたいことがあります。

長さ30センチ、高さ15センチの船のオブジェ(中は空洞で、3ミリ程の空気穴

を2箇所開けています)を作りましたが、乾燥に失敗してしまい、たたら作り

で被せた蓋にヒビが入ってしまいました。縁から5ミリぐらいの所に、縁と平

行に入っています。幅は0.2ミリぐらい、長さは5センチ程度でした。ネットで

調べて、ダメ元で、薄ーく作ったドベをポトポトと垂らすことを繰り返してい

ます。すると、長さが倍ぐらいになってきました(単に、乾燥が進んたせいか

もしれませんが)。

お聞きしたいのは、2点です。

1.この方法を根気よくすれば、修復できる可能性はありますか?

2.もしこのままヒビが入ったままの状態で素焼きした場合、大爆発を起こして

他の作品にも被害が及ぶ可能性がありますか?この作品にヒビが入るだけなら、

ダメ元で素焼きしてみようと思うのですが。

どうぞよろしくお願いします。

 

◎ 明窓窯より

筒型の本体と蓋との関係が良く理解できないのですが、蓋は本体の一部と

思われます。

蓋だけを何らの方法で分離する事は不可能なのですね?

分離出来れば蓋のみを再度作り直すのが一番良い方法なのですが。

本題に入ります。

1 ドベを根気よく垂らしても、乾燥が進んだ作品では、修復はほぼ不可能と

 思われます。

 むしろご指摘の様に、傷口を広げる結果になる事が多いです。 

2 ヒビの入った作品を素焼や本焼きをすれば、必ずヒビは大きくなります。

 素焼き時の(水蒸気)爆発を心配されていますが、まず問題は起こらないと思われます。

 理由として、本体に3mmの穴が2個開いている事です。

 更に、素焼き時に蓋の部分のヒビが更に大きくなり、本体に影響を与えヒビ等が

 広がり、本体の密閉を妨げる事になるからです。

 

既にご存知な事と思いますが、爆発が心配ならば、素焼き時の注意点を考慮

して窯焚きを行う事です。

即ち、250~400℃程度は温度上昇を出来るだけ遅くする事と、窯詰めの際、蒸

気抜きの穴(3mm)を塞がない様に注意して下さい。

蛇足に成りますが、素焼き前のヒビ割れは、修復が非常に困難です。

出来れば最初から作り直すほうが、時間的にも手間暇も少なく、確実な方法と考えます。

以上 不明な点が有りましたら再度お問い合わせください。

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質問65 釉に好みの色を付ける方法

2023-10-18 11:23:48 | 質問、問い合わせ、相談事
「ぶくぷく」様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。

 

◎ 陶芸を始めて五年目の者です。

家で一人で作っています。これまでは市販の釉薬を使ってきましたが、
欲しい色の釉薬を自分で作ってみようかと思い立ちました。

少し勉強しましたが、難しくてよく理解できません。

作りたいのは、焦げ茶で少し紫がかったマット釉です。
実際に使っておられる作家さんがおられます。

釉薬の調合は一筋縄ではいかないことは理解していますが、もし、比較
的簡単な調合方法がありましたら、教えていただけますか?

紫がかっていなくても、焦げ茶のマット釉でもかまいません。
食器に使いたいと思っています。

無理なお願いで恐縮ですが、よろしくお願いします。

◎ 明窓窯より

 御自分で調合して、独自の釉を作り出すには意外と簡単では有りません。

 しかし、ご質問の解決方法として、今手持ちの釉に好みの色を付ける方法も有りますので、

 その方法を試すのが、最も簡単だと思います。

 例えば市販のマット系の釉(白、透明、青銅マットなど)に下絵付け用の呉須(ゴス=コバルトを含む鉱物)を

 添加すると、添加量によって淡い紫色~濃い紫色(紺色)掛かった釉を作る事が出来ます。

 又下絵付け用の鬼板(オニイタ=酸化鉄を含む鉱物)や黄土、各種の酸化鉄(弁柄や鉄さび)等を

添加すれば、添加量により、淡い茶色~濃い茶色(又は焦げ茶)の釉を作る事も可能です。

尚、呉須と鬼板を同時に添加しても、ほとんど問題は無いと思われます。

又、釉に各種の金属(銅、亜鉛、マンガン、チタン、スズその他)を添加すると

緑色や黄色、グレーなど思わぬ釉が出来る可能性が有ります。(場合に拠っては結晶釉になる)

これらの金属類は陶芸材料店や通販などで入手可能です。

但し、当初は割高であっても、最小量を購入すべきです。(1回に使用する量はわずかです)

好みの色が出るまでは、数回~数十回の試行錯誤が必要に成るでしょう。

◎ 仮に、ご自分独自の釉をご希望ならば、まずマット等の基礎釉の調合をしてから色釉に

挑戦して下さい。

以上、参考にして頂ければ有難いです。

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質問64 焼成中の窯の開閉に付いて

2023-08-23 17:32:04 | 質問、問い合わせ、相談事

「まり様」より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。

100Vの電気窯で金彩を行いたいのですが、90度を超えると自動ロックがかかり、


ロック解除をして開けることは可能ですが、その場合一旦温度上昇はストップされると

思っているのですが、開けても温度は上昇するのでしょうか?

 

明窓窯より

扉に自動ロックが掛かるのは、扉を開けると火傷等の事故が起こる事を防ぐ目的が

あると思われます。

それ故 ロックが掛かった場合、基本的には扉は開けない事です。

扉を開けた場合、温度上昇が起こるかどうかは、電気窯の仕様により異なると思われます。

但し、多くの場合、扉を開けると通電が持続しいても、窯の冷める方が早く、温度が上昇する

事はないと思われます。

若しも扉を開ける必要が出来た場合には、電源を切って窯の温度を冷却してから行うべきです。

通電中に電熱線に触れると、感電の恐れがあります。

尚、窯の温度が低い場合には、途中で電源を落としても、損失電力量は少なくて済むはずです。

少しの電力量を惜しんで、危険な行為は避けるべきです。

大切な事は、一度点火(スイッチON)したら炊き上がるまで、窯詰めした作品には

触れない様にする事です。

その為には、窯詰め後の点検(確認)を欠かさないで下さい。

くれぐれも、危険な行為は行わない事が大切です。

以上、参考にしてして下さい。

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質問 63 二度焼き

2023-08-06 09:33:55 | 質問、問い合わせ、相談事

小野様より以下のご質問をお受けしましたので、当方の見解を記します。

 

本焼きの際に窯の調子が悪くて温度が上がりきらず、1200℃以下で焼成を終了したため、

釉薬が溶けなかったので表面がざらついてしまっています。

この場合そのまま施釉などはせずに本焼きに回しても大丈夫なのでしょうか?

黒マットを掛けましたが食器として到底使えるものではないのですが、焼き直しを検討しています。

 

◎ 明窯より

釉が剥がれていなければ、そのまま本焼きしても問題はありません。

尚 確かめるべき事は、焼成温度が上昇しない原因が解明されているのでしょうか?

温度が上昇しない原因の一つに、窯詰めに問題がある場合が挙げられます。

即ち、窯に作品を詰め過ぎたり、逆に少な過ぎる場合にも、温度が上昇しない場合が

有ります。

それ故、前の窯詰めの状態で再度焼成しても、同じ失敗になる可能性のあります。

場合によっては、一度窯出しを行い、窯詰めからやり直す必要があるかも知れません。

くどい様ですが、再焼成する場合には、温度上昇の原因を突き止めてから行う事が大事です。

以上 参考にして頂ければ幸いです。

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質問62 マット釉の発色に付いて

2023-07-04 11:26:33 | 質問、問い合わせ、相談事

「けいこ」様より以下のご質問をお受けしましたので。当方なりの見解を記します。

陶芸4年目で 今年小型の電気窯 DMT-01を購入しました。

製作では マット系の釉薬しか使いません。

以前はスタジオで制作していてそこの

1黒泥に明トルコ青マットや、青銅マット

2上貫入土に青銅マット、などです。

スタジオで制作した際、1はとても雰囲気のある全く光沢のない ざらっとしたような 

ちょっとアンティークのような 土としっかり融合したようなしっとりした 色合いに仕上がりましたが

うちで焼くと変にテラテラの光沢が出て とても薄っぺらく、ビニールのような変な感じになってしまいます。張り付いたような青です。
1230度で焼いています。

試しに2度焼きしましたが 今度は青が失われ
ほぼ真っ黒になってすごく縮れが出ました。

2の方でもやはり マットにならず、透明釉薬のように下地が助ける透明に近いものになり、とても垂れてしまいます。

電気窯の基本プログラムしか使っておらず、

ねらしや、最高温度や、冷却などの組み合わせなのか

どこで読んでもいまいち一番問題なのがどこで

窯をどう設定すればいいのかがよくわかりません。

アドバイスいただけると助かります、

◎ 明窓窯より

 以前スタジオで制作した際には、それなりの色調でしたが、ご自分の窯では思うような

 色調にはならないとのご相談ですね。

 その原因は、窯が変わった事と、釉の変化(違い)にあると思われます。

1 窯が変われば、同じ温度で焼成しても、発色が異なるのは一般的です。

 スタジオでの焼きのデーターをお持ちでしょうか?

 先生がいれば焼成条件をお聞きになる事です。但し教えてくれない事もあります。

 聞く事は ⅰ)焼成温度。 ⅱ)焼成時間。冷却時間。ⅲ)焼成雰囲気(酸化、又は還元)です。

 尚今度の窯は、電気窯ですので、酸化焼成だと思われます。

 基本的には酸化でも還元でも、マットは出るものですが、若干還元の方が出易いかも

 知れません。

ⅰ) 焼成温度に付いて

 一般的にマット系の釉はやや温度が低い方が出易いです。

 市販されている釉では、1230℃が一般的ですが、マットではやや焼き不足気味が有効です。

 釉が流れている事から見ても、温度が高過ぎるかも知れません。

ⅱ)焼成時間と冷却時間

 スタジオの窯は容積も大きく、ご自分の小型な窯では、窯の温まり具合と冷め具合に

 大きな差が出ます。当然出来上がりにも違いが出ます。

 即ち、容積が大きいと温まり難く、冷めもゆっくりとなります。

 焼成時間が短いと「テカリ」が出易いです。又,冷却時間が短い(急冷)時も同様です。

 マットは一種の結晶釉ですので、結晶が出来るまでの時間が短いとマットに成らないからです。

 尚、冷めを遅くするには、徐々に電流を少なくするか、窯詰めの量を多くする事です。

 作品の量が少ない場合には、棚板用の支柱等を空間に詰める方法も有ります。

 又、窯の冷え具合は窯詰めの際の場所によって異なります。

 即ち、窯の上部は冷えが遅く成る傾向にあります。窯の下部は冷めも早く成ります。

 それ故マット釉ではなるべく窯の上部に、更に窯の壁際から冷えますので、

 なるべく窯の中央に作品を置く事を勧めます。

2)釉に付いて

 以前使用していた釉と、ご自分の釉のメーカーは同じですか?

 同じ名前の釉だからと言って、メーカーが違えば、全く同じに焼き上がる訳ではありません。

 釉は或る範囲内で溶ける様になっていますので、必ずしも指定の温度で焼成する必要はありません。

3)上貫入土に付いて

 使用している土が上貫入土との事ですが、当方不勉強でこの土の特性は不明です。

 名前から推察すると、貫入が入る土と思われます。

 「透明釉薬のように下地が透け、透明に近いものになり、とても垂れてしまいます。」

 との事ですが、これは釉が素地に吸い取られ、透明に成った事が原因と思われます。

 土に貫入が入る事は、表面積が増え、釉を吸収し易くなります。

 窯の最高温度を下げたり、釉を厚く掛けて様子を見るのも一つの手です。

 又、他の土でも試して下さい。

尚、「寝らし」は最高温度で一定時間保持し焼き斑(むら)を無くす事ですので、

今回は関係ないと思われます。

以上思い付くままに記しました。参考にして頂ければ有難いです。

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