「Gsan」より下記のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。
全くの趣味で10年ほど焼き物を続けてます。
しかし憧れのビードロが出た試しがありません。
当方灯油の窯を使ってます。
灰が溶けて還元窯変する事は解りますが件の緑がかった窯変に憧れてます。
薪窯でそれも松材でなければ窯変は無理なのでしょうか?
どうかよろしくお願いいたします。過去ブログを見落としてるかもしれませんが・・・
◎ 明窓窯より
質問の文面より薪窯による松灰による自然釉の「ビードロ」を目指していると見受け
られます。
1) 「ビードロ」には自然釉と「ビードロ」釉による発色方法が有ります。
後者はご自分で調合する方法と、市販の釉を使う方法があります。
市販の釉は酸化、又は還元の両方で発色する物もあります。
メーカーに拠って発色具合は異なります。
2) 自然釉による「ビードロ」では、重要文化財の伊賀水指の銘「破袋」(五島美術館蔵)
が有名です。
自然釉ですので、薪による燃料の赤松灰が自然に降り注ぎ、高温で溶け発色した物と
考えられている作品です。
3) (Gsan)が如何なる方法で、「ビードロ」を発色させようとしているのか、
又目標の憧れの「ビ-ドロ」がどの程度の色なのか不明ですので、お答えできません。
しかし、単に緑掛かった釉がお望みならば、市販の釉かご自分で調合する方法が
あります。
4) 灯油窯との事ですので、当然薪窯と同等に発色させる事は、ほぼ不可能です。
薪窯では薪が燃焼時間に幾分かの水蒸気が発生し、その効果が発色に関係している
のではないかと、考えている人も居るようです。
窯変は窯の中で複雑に変化する炎と熱の影響と考えられています。
灯油窯で薪窯同様の現象を期待するのは望薄です。
5)結論
A) 目標とする「ビードロ」がどの様な色なのか「はっきり」させる事。
B) 市販又は自作の釉薬で処理するのか、赤松灰(自然、合成)のみで処理するのか。
水で霧吹きした素焼きの作品に、茶漉しなどで松灰を振りかける方法も有ります。
C) 薪窯と同等の色はほぼ出ません。
更に、灯油窯では釉薬に拠っては、窯変が出ない訳では在りませんが、期待すると
失敗する事が多いです。
以上 参考に成れば有難いです。