3) 皮、布、スポンジの使い方。
皮は主に作品の口縁や表面を滑らかにする為に使います。布は轆轤作業で水切れを防ぐ為に、
スポンジは作品内の水分を除去する為に使う道具(用具)です。勿論これらの使い方や使い道は
個人によって様々です。これから述べる事柄はあくまで、私個人の方法です。
① 皮の使い方。
ⅰ) 皮はなめし皮と呼ばれる薄手の鹿皮製のものです。
陶芸材料店で購入すると、比較的高価ですので、一般にはセーム皮と呼ばれる安価な皮が
大きな工具店(ホームセンター等)で売られています。主に自動車の洗車後の拭き取りや、
貴金属、カメラのレンズ、各種家具や漆器、ガラス、ゴルフクラブ等の手入れ用として使われ
ている物です。大きなサイズの物も市販されていますので、鋏(はさみ)等で好みの大きさに
切て使います。使い勝手の良いのは、薄手の皮です。厚い物は柔軟性に欠ける為、使い勝手が
悪い様です。
ⅱ) 轆轤作業で使う場合は、水又はぬるま湯に浸して使います。
轆轤作業では口縁を滑らかにする為に、仕上げ作業の時に使うのが、一般的な用法です。
皮は、幅2cm、長さ10cm程度の短冊状にして使用します。
ⅲ) 口縁を親指と人差し指で摘みますが、口縁と指との間に皮がくる事になります。
皮の一端を右手の人差し指と中指で挿み(はさみ)、他端は左手の親指と中指でしっかり持ち
ます。皮をピンと張り、両端の中央付近を上から右手の親指を当てます。左手の遊んでいる
人差し指で、右手の親指と人差し指の中間に半円形の輪を作ります。輪の大きさは口縁から
どの程度の深さまで拭くかによって、大きさが変わります。
ⅳ) 轆轤を回転させながら、前記半円の輪を口縁に被せ、右手の親指と人差し指で摘み、
轆轤が二回転程したら指を静かに離します。必ずしも長く行う必要はありません。
一般に親指が作品の外側で、人差し指が内側になります。(轆轤が右回転の時)
注意点は、左手で皮の一端をしっかり持たないと、皮が回転(摩擦)で持って行かれてしまい
ます。皮に「ドベ」等が付いていると、「ぬめり」の為、指から皮が逃げる易くなります。
ⅴ) 拭き方(摘み方)によって、口縁の形も変化します。
a) 摘む力が強いと口縁の肉厚は薄くなります。
その為、皮で拭く前に、出来るだけ口縁の肉厚を、内外上と三本指(親指、人差し指、中指)
で押さえ、厚くしておく事です。
b) 皮で拭くと、口縁の角が取れ丸味を帯びます。内外対称形や外又は内側の「R」を大きく
する事も可能です。
口縁を角張らせるには、口の上部と外側を摘み、次に上部と内側を摘む様にして拭きます
c) 皮を捻る(ひねる)事により、口縁を外に広げたり、逆に狭める事が出来ます。
摘んだ作品の外側の親指を下に下げ、人差し指をその親指に被せる様ににすると、縁縁は
外側に開きます(端反る)。内側の人差し指を下げ、親指が上から被せる様にすると口縁は
内側に反り返ります。皮の使い方は、慣れない方は難しい様です。
ⅵ) その他の皮の使い方。
作品の口縁以外の部分も、皮で拭く事で、表面を滑らかにする事ができます。
例えば、作品の胴体の外側に付いた傷や、細かい轆轤目などを皮で撫ぜる事で滑らかにでき
ます。皮の両端を両手の親指と人差し指で摘み、両手の親指の腹で皮の中央部分を押さえ、
皮を胴部分に押し当てて、轆轤を回転させながら、傷や細かい轆轤目を消します。
皮は下から上又は上から下へ移動させます。親指に力が入り過ぎると、作品が振れますので
力の加減が必要です。その為、思った通りには完全には、傷も消せません。
③ 布の使い方。
以下次回に続きます。
皮は主に作品の口縁や表面を滑らかにする為に使います。布は轆轤作業で水切れを防ぐ為に、
スポンジは作品内の水分を除去する為に使う道具(用具)です。勿論これらの使い方や使い道は
個人によって様々です。これから述べる事柄はあくまで、私個人の方法です。
① 皮の使い方。
ⅰ) 皮はなめし皮と呼ばれる薄手の鹿皮製のものです。
陶芸材料店で購入すると、比較的高価ですので、一般にはセーム皮と呼ばれる安価な皮が
大きな工具店(ホームセンター等)で売られています。主に自動車の洗車後の拭き取りや、
貴金属、カメラのレンズ、各種家具や漆器、ガラス、ゴルフクラブ等の手入れ用として使われ
ている物です。大きなサイズの物も市販されていますので、鋏(はさみ)等で好みの大きさに
切て使います。使い勝手の良いのは、薄手の皮です。厚い物は柔軟性に欠ける為、使い勝手が
悪い様です。
ⅱ) 轆轤作業で使う場合は、水又はぬるま湯に浸して使います。
轆轤作業では口縁を滑らかにする為に、仕上げ作業の時に使うのが、一般的な用法です。
皮は、幅2cm、長さ10cm程度の短冊状にして使用します。
ⅲ) 口縁を親指と人差し指で摘みますが、口縁と指との間に皮がくる事になります。
皮の一端を右手の人差し指と中指で挿み(はさみ)、他端は左手の親指と中指でしっかり持ち
ます。皮をピンと張り、両端の中央付近を上から右手の親指を当てます。左手の遊んでいる
人差し指で、右手の親指と人差し指の中間に半円形の輪を作ります。輪の大きさは口縁から
どの程度の深さまで拭くかによって、大きさが変わります。
ⅳ) 轆轤を回転させながら、前記半円の輪を口縁に被せ、右手の親指と人差し指で摘み、
轆轤が二回転程したら指を静かに離します。必ずしも長く行う必要はありません。
一般に親指が作品の外側で、人差し指が内側になります。(轆轤が右回転の時)
注意点は、左手で皮の一端をしっかり持たないと、皮が回転(摩擦)で持って行かれてしまい
ます。皮に「ドベ」等が付いていると、「ぬめり」の為、指から皮が逃げる易くなります。
ⅴ) 拭き方(摘み方)によって、口縁の形も変化します。
a) 摘む力が強いと口縁の肉厚は薄くなります。
その為、皮で拭く前に、出来るだけ口縁の肉厚を、内外上と三本指(親指、人差し指、中指)
で押さえ、厚くしておく事です。
b) 皮で拭くと、口縁の角が取れ丸味を帯びます。内外対称形や外又は内側の「R」を大きく
する事も可能です。
口縁を角張らせるには、口の上部と外側を摘み、次に上部と内側を摘む様にして拭きます
c) 皮を捻る(ひねる)事により、口縁を外に広げたり、逆に狭める事が出来ます。
摘んだ作品の外側の親指を下に下げ、人差し指をその親指に被せる様ににすると、縁縁は
外側に開きます(端反る)。内側の人差し指を下げ、親指が上から被せる様にすると口縁は
内側に反り返ります。皮の使い方は、慣れない方は難しい様です。
ⅵ) その他の皮の使い方。
作品の口縁以外の部分も、皮で拭く事で、表面を滑らかにする事ができます。
例えば、作品の胴体の外側に付いた傷や、細かい轆轤目などを皮で撫ぜる事で滑らかにでき
ます。皮の両端を両手の親指と人差し指で摘み、両手の親指の腹で皮の中央部分を押さえ、
皮を胴部分に押し当てて、轆轤を回転させながら、傷や細かい轆轤目を消します。
皮は下から上又は上から下へ移動させます。親指に力が入り過ぎると、作品が振れますので
力の加減が必要です。その為、思った通りには完全には、傷も消せません。
③ 布の使い方。
以下次回に続きます。