ヨーロッパ大陸の、陶器の歴史に付いて、述べたいと思います。
1) スペインの陶器
① ローマ帝国が衰退してから、数世紀の間、製陶技術は消え、陶器造りは、活動を
停止していました。
再び起こったのは、スペインで、アラブ人とサラセン人は、「マジョリカ」陶器を造り、
領土拡大と伴に、この「マジョリカ」は、周辺に伝わりました。(8世紀頃)
② アラブ人は、古代バビロニアで使われていた、酸化錫で造った、ミルク状の白釉を使い、
タイルや壷等を造っています。
③ 作品は、多孔質の素地で、白色不透明釉を掛け、青色のエナメルで彩飾された、金ラスターが、
有名です。彩飾された、タイルや壷は、「マジョリカ島」で生産され、イタリヤアを始め、
世界中に輸出されていました。
④ 11世紀に成ると、「ヒスペイノ・モレクス陶器」と呼ばれる作品が、「マラガ」で大量に作られて、
います。これは、石灰質粘土や、赤く焼き上がる粘土に、石灰石を混入した素地で、金属塩を掛け、
強還元焼成した、ラスター釉です。
2) イタリアの陶器
① イタリアでは、長い期間、スペインから輸入された作品を、模倣した物が造られていました。
(14世紀~15世紀に、陶器の町であった、「フレンシェ」でマジョリカが、盛んに作られています。)
15世紀頃から、イタリア独自の作品を、造る人達が現れます。
② 1400年、フローレンスで生まれた、最も偉大な陶芸家の一人、「ルカ・デル・ロビア」は、
多孔質の素地に錫釉を掛け、多色の顔料で、彩飾してあり、彼の代表作品に、浮き彫りを施した、
直径327cmの作品が有ります。
③ もう一人の著名な陶芸家に、「ジョルジオ・アンドレオリ」がいます。
彼は、ルビー色と、黄色の金属ラスター釉を発明します。そして、それを独占せず、他の人に、
技術を、公開したと言われています。
3) フランスの陶器
① フランスで、壷や甕、施釉煉瓦などの、陶器が造られたのは、12世紀頃です。
当時パリには、陶器の工場が、沢山存在していました。
② フランスで最も著名な、陶芸家は「バーナード・パリシー」で、彼は16年の間苦労を重ね、
自分の作品に合う、釉薬を発明したと、言われています。
この釉薬は、酸化錫を入れた、マット釉で、施釉した上に、彩色して更に、薄く鉛釉を
掛けた物です。 彼の死後、フランス全土に陶器の工場が、造られています。
③ 18世紀の中頃から、本物の磁器を作ろうと、多くの努力をしましたが、全て失敗に
終わっています。
しかしこの失敗から、「フランス軟磁器」(軟質人工磁器)が発明されました。
厳密には、磁器ではなく、「フリット」を微細粉砕した物に、少量の粘土を混ぜ、
可塑性を持たせ物です。 製陶は、かなり難しく、焼成技術も、苦労した様子が、伺えます。
尚、ヨーロッパで最初に磁器を造ったのは、ドイツで、1768年に、磁器の原料である、
良質の「カオリン」が、発見され、焼成に成功しました。
その技術がフランスに伝わります。
以下次回(ヨーロッパの陶器2)に続きます。
ヨーロッパの陶器
1) スペインの陶器
① ローマ帝国が衰退してから、数世紀の間、製陶技術は消え、陶器造りは、活動を
停止していました。
再び起こったのは、スペインで、アラブ人とサラセン人は、「マジョリカ」陶器を造り、
領土拡大と伴に、この「マジョリカ」は、周辺に伝わりました。(8世紀頃)
② アラブ人は、古代バビロニアで使われていた、酸化錫で造った、ミルク状の白釉を使い、
タイルや壷等を造っています。
③ 作品は、多孔質の素地で、白色不透明釉を掛け、青色のエナメルで彩飾された、金ラスターが、
有名です。彩飾された、タイルや壷は、「マジョリカ島」で生産され、イタリヤアを始め、
世界中に輸出されていました。
④ 11世紀に成ると、「ヒスペイノ・モレクス陶器」と呼ばれる作品が、「マラガ」で大量に作られて、
います。これは、石灰質粘土や、赤く焼き上がる粘土に、石灰石を混入した素地で、金属塩を掛け、
強還元焼成した、ラスター釉です。
2) イタリアの陶器
① イタリアでは、長い期間、スペインから輸入された作品を、模倣した物が造られていました。
(14世紀~15世紀に、陶器の町であった、「フレンシェ」でマジョリカが、盛んに作られています。)
15世紀頃から、イタリア独自の作品を、造る人達が現れます。
② 1400年、フローレンスで生まれた、最も偉大な陶芸家の一人、「ルカ・デル・ロビア」は、
多孔質の素地に錫釉を掛け、多色の顔料で、彩飾してあり、彼の代表作品に、浮き彫りを施した、
直径327cmの作品が有ります。
③ もう一人の著名な陶芸家に、「ジョルジオ・アンドレオリ」がいます。
彼は、ルビー色と、黄色の金属ラスター釉を発明します。そして、それを独占せず、他の人に、
技術を、公開したと言われています。
3) フランスの陶器
① フランスで、壷や甕、施釉煉瓦などの、陶器が造られたのは、12世紀頃です。
当時パリには、陶器の工場が、沢山存在していました。
② フランスで最も著名な、陶芸家は「バーナード・パリシー」で、彼は16年の間苦労を重ね、
自分の作品に合う、釉薬を発明したと、言われています。
この釉薬は、酸化錫を入れた、マット釉で、施釉した上に、彩色して更に、薄く鉛釉を
掛けた物です。 彼の死後、フランス全土に陶器の工場が、造られています。
③ 18世紀の中頃から、本物の磁器を作ろうと、多くの努力をしましたが、全て失敗に
終わっています。
しかしこの失敗から、「フランス軟磁器」(軟質人工磁器)が発明されました。
厳密には、磁器ではなく、「フリット」を微細粉砕した物に、少量の粘土を混ぜ、
可塑性を持たせ物です。 製陶は、かなり難しく、焼成技術も、苦労した様子が、伺えます。
尚、ヨーロッパで最初に磁器を造ったのは、ドイツで、1768年に、磁器の原料である、
良質の「カオリン」が、発見され、焼成に成功しました。
その技術がフランスに伝わります。
以下次回(ヨーロッパの陶器2)に続きます。
ヨーロッパの陶器