井上清志様より以下のご質問を頂戴しました。
◎ 石灰釉での呉須の流れ
以前に別件で質問させて頂いた者です。呉須やベンガラの絵付けが丸二の石灰透明釉を掛けて
本焼きすると薄くなったり、にじんでしまったりする事が有ります。
流れたり流れなかったり、この違いは何なのでしょうか。
石灰の入ってない透明釉は有りますか。
◎ 明窓窯より
1) 石灰の入ってない透明釉には、灰系透明釉が市販されています。
主に土灰が多いのですが、その他の灰が入っている釉もあります。
土灰系透明釉では、若干黄色味を帯びる場合もあります。
天然物の灰は、釉の色がバラツク事が多いですので、合成物が使われている事が多いです
尚、ご質問の原因は石灰透明釉の為以外の要素が多いと思われます。
2) 呉須や弁柄の絵付けが、透明釉を掛けて本焼きすると薄くなったり、にじんむ原因は
幾つか考えられます。
① 下絵具である呉須や弁柄が、素地にしっかり定着していない為。
基本的には下絵具は、素地に載ったほこり(埃)と同じす。即ち釉を弾く要素になります
その為絵具上の釉が、薄くなったり、にじんだり、流れ落ちる可能性が増します。
それ故、しっかり定着させ移動しない様にする必要があります。又当然ですが絵具が濃い
程、絵具を塗る範囲が広い程(面状に塗ると危険性が増す)、埃(絵具)が多くなり問題
が発生します。
絵具を素地に定着させる方法に、昔より呉須にお茶(緑茶)を入れ方法があります。
お茶に含まれるタンニンを利用し、発色と接着を良くする働きがあります。
現在では主にCMC(化学のり)を少量添加します。
注: CMCは粉末状で市販されています。そのまま添加すると、ダマ(塊)が出来てし
まいますので、お湯に溶かしてから、その液を添加する事をお勧めします。
② 釉の定着を強くする。
釉を素地に掛ける際、しっかり素地に密着する事で、釉の定着を強くさせる事ができます
即ち、釉に上記のCMCを0.3~0.5%程度添加すると接着効果出来て密着し易いです。
更に、釉を厚く塗ると、流れやにじみが出易いですので、濃度にも注意して下さい。
特に透明釉を厚く掛けると、透明度が落ちますので、ある程度判断できます。
老婆心ですが、施釉する際素地はしっかり乾燥されていますか?。
「乾燥むら」があると、釉の載りにむらが出来、釉に濃淡が出来てしまいます。
③ 釉の流れ易さは、窯の温度に左右されます。
ⅰ)温度の高い程、釉は流れ易くなります。窯の温度は他の作品との関係で、低く出来
ない場合は、窯詰めの際、比較的低い温度の位置に置くか、炎や熱が直接当たらい位置
に絵付け面を向ける事です。
ⅱ) ねらし(最高温度で引っ張る事)時間が長ければ当然、釉は流れ易くなります。
技術書を読むと、30~1時間以上必要と書かれている場合が多いのですが、特別釉を
平滑にするならば必要な時間ですが、一般的には最低10分程度で良い場合が多いです
④ 釉を調整し流れ難く改良する。
但し、市販の釉を用いている様ですので、なるべく釉はいじくらない方がベターと思われ
ます。
尚、井上様の窯がどの様な物(電気、ガス、灯油、容積等)なのか分かりませんので、窯焚き
の方法で処理する場合は、試行錯誤が必要かも知れません。
以上参考にして頂ければ幸いです。
不明な点が有りしたら、再度お問い合わせください。
◎ 石灰釉での呉須の流れ
以前に別件で質問させて頂いた者です。呉須やベンガラの絵付けが丸二の石灰透明釉を掛けて
本焼きすると薄くなったり、にじんでしまったりする事が有ります。
流れたり流れなかったり、この違いは何なのでしょうか。
石灰の入ってない透明釉は有りますか。
◎ 明窓窯より
1) 石灰の入ってない透明釉には、灰系透明釉が市販されています。
主に土灰が多いのですが、その他の灰が入っている釉もあります。
土灰系透明釉では、若干黄色味を帯びる場合もあります。
天然物の灰は、釉の色がバラツク事が多いですので、合成物が使われている事が多いです
尚、ご質問の原因は石灰透明釉の為以外の要素が多いと思われます。
2) 呉須や弁柄の絵付けが、透明釉を掛けて本焼きすると薄くなったり、にじんむ原因は
幾つか考えられます。
① 下絵具である呉須や弁柄が、素地にしっかり定着していない為。
基本的には下絵具は、素地に載ったほこり(埃)と同じす。即ち釉を弾く要素になります
その為絵具上の釉が、薄くなったり、にじんだり、流れ落ちる可能性が増します。
それ故、しっかり定着させ移動しない様にする必要があります。又当然ですが絵具が濃い
程、絵具を塗る範囲が広い程(面状に塗ると危険性が増す)、埃(絵具)が多くなり問題
が発生します。
絵具を素地に定着させる方法に、昔より呉須にお茶(緑茶)を入れ方法があります。
お茶に含まれるタンニンを利用し、発色と接着を良くする働きがあります。
現在では主にCMC(化学のり)を少量添加します。
注: CMCは粉末状で市販されています。そのまま添加すると、ダマ(塊)が出来てし
まいますので、お湯に溶かしてから、その液を添加する事をお勧めします。
② 釉の定着を強くする。
釉を素地に掛ける際、しっかり素地に密着する事で、釉の定着を強くさせる事ができます
即ち、釉に上記のCMCを0.3~0.5%程度添加すると接着効果出来て密着し易いです。
更に、釉を厚く塗ると、流れやにじみが出易いですので、濃度にも注意して下さい。
特に透明釉を厚く掛けると、透明度が落ちますので、ある程度判断できます。
老婆心ですが、施釉する際素地はしっかり乾燥されていますか?。
「乾燥むら」があると、釉の載りにむらが出来、釉に濃淡が出来てしまいます。
③ 釉の流れ易さは、窯の温度に左右されます。
ⅰ)温度の高い程、釉は流れ易くなります。窯の温度は他の作品との関係で、低く出来
ない場合は、窯詰めの際、比較的低い温度の位置に置くか、炎や熱が直接当たらい位置
に絵付け面を向ける事です。
ⅱ) ねらし(最高温度で引っ張る事)時間が長ければ当然、釉は流れ易くなります。
技術書を読むと、30~1時間以上必要と書かれている場合が多いのですが、特別釉を
平滑にするならば必要な時間ですが、一般的には最低10分程度で良い場合が多いです
④ 釉を調整し流れ難く改良する。
但し、市販の釉を用いている様ですので、なるべく釉はいじくらない方がベターと思われ
ます。
尚、井上様の窯がどの様な物(電気、ガス、灯油、容積等)なのか分かりませんので、窯焚き
の方法で処理する場合は、試行錯誤が必要かも知れません。
以上参考にして頂ければ幸いです。
不明な点が有りしたら、再度お問い合わせください。