わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代陶芸157(陶芸美術団体の系譜3)

2012-07-06 22:46:44 | 現代陶芸と工芸家達

6) 「赤土会(せきどかい)」の結成: 1920年 京都に革命的陶芸運動の先駆けとして結成されます。

   この集団は、6人(楠部彌弌・鈴木清・叶光男・浅見隆三・宇野三吾・八木一艸)から始まります。
 
   日本にまだ美術展としての陶芸ジャンルが、確立される前の先駆的陶芸活動団体です。
 
   古典や伝統などの、因襲にとらわれない、新たな作陶を目指していました。
 
  ・ 尚、当ブログ現代陶芸10(楠部彌弌)(2012-01-07) と、現代陶芸42(浅見隆三)(2012-02-09 )
 
    現代陶芸151(林康夫)(2012-06-28)を参照して下さい。
 
7) 「京都青陶会(せいとうかい)」の結成:1953年(昭和28年) 楠部彌弌が主宰する青年陶芸会の
 
   集まりで、20歳代の若い陶芸家たちが20人以上の多数集まり発足します。
 
  当時、清水六兵衛氏(文化功労者、1901~80年)が、主宰する「陶芸家クラブ」に、対抗する勢力
 
   として、動を続けます。西川實、今井政之、宮下善爾、宇野徹らが活動しています。
 
  ・ 現代陶芸54(西川實)(2012-02-23 )、現代陶芸148(宮下善爾 )(2012-06-25 )を参照。

8) 「走泥社(そうでいしゃ)」の結成: 1948~1988年、京都で結成され た前衛陶芸団体。

  八木一夫を中心に鈴木治、山田光、叶哲夫、松井美介らが創立に 参加します。

   「オブジェ焼」と呼ばれる、伝統陶芸とは異なり、「用」を無視した作品を作ります。

  ・ 現代陶芸27、28(八木一夫1・2)(2012-01-25 、26)を参照。

9) モダンアート協会: 1950年 結成された抽象美術系の代表的な団体です。

    1946年(昭和21)に再建された「自由美術家協会」を離脱した荒井龍男、小松義雄、村井正誠

   (まさなり)、中村真、植木茂、矢橋六郎、山口薫朝妻治郎氏の8名の抽象美術系作家が創立し

   翌51年第1回展を開き、第2回展からは公募制を採用します。

   絵画、陶芸、彫刻の他、版画、デザイン、生活美術、写真などの部門を擁し、毎年春に東京都

   美術館開催しています。

10) 「新匠会」:1947年 旧国画会工芸部を退会した富本憲吉を中心に、同志が集まり「新匠美術

    工芸会」として発足します。創作による工芸作品の発表を目的としている、在野の工芸団体です。     

    第1回新匠美術工芸会の公募展が、同年 東京日本橋高島屋で 開催されます。

    当時の会員は、富本憲吉、稲垣稔次郎、小合友之助、北出塔次郎、鈴木清らの19名でした。

    1951年に再組織となり「新匠会」と改名します。更に、1975年 第30回展から 東京都美術館館で

    公募展を開催する事になり、名称を「新匠工芸会」と改めます。

   ・ 現代陶芸119(北出塔次郎)(2012-05-18 )を参照。

11) 「女流陶芸」の結成: 1957年に坪井明日香の呼びかけで、我が国初の女性集団「女流陶芸」が

    結成され、女性作家は当初7人で後に11人になります。

     会員=坪井明日香、荒木薫、伊藤みちよ、塩冶友未子、奥田知子、桜井智子、高野好子、

      中島敬子、長谷川園恵、安原幸子、山内紅子、吉田里香の女性達です。

     1967年に「女流陶芸」の公募展が開催される様になります。

    ・ 当ブログの現代陶芸142~3(坪井明日香1・2)(2012-06-17 、18)を参照。

12) 米国の「抽象表現主義の陶芸」

以下次回(陶芸美術団体の系譜4)に続きます。

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赤土創立メンバーについて (河村喜平)
2024-12-24 16:00:19
赤土創立メンバーは

楠部彌弌・河合榮之助・河村喜太郎・荒谷芳景・道林俊正・八木一艸の6人です。

ちなみに私は河村喜太郎の孫です。
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