わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問68 上絵付で素地に汚れが付く

2024-12-30 15:14:46 | 質問、問い合わせ、相談事

「ひろみ」様より 以下のご質問をお受けしましたので、当方なりも見解を記

 します。

初めてコメントいたします。上絵つながりで、聞いてみたいことがあります。

(鉛については窯業試験場にだして検査したことがあるので大丈夫です)上絵

で作品を作っていますが、上絵焼成をすると、ほとんどの作品が素地(磁器)

が黒いカビのような細かい点々で汚れてしまいます。素地はゼラチンでふいて

ます。拭き取った場所と違いはあるようなないような…というのも筋状に黒い

汚れがついたこともあります。窯は本焼き後なので、そんなに湿気てはないと

思いますが…。ゼラチンか?湿気か?素地が悪いのか?(素地は日本陶料の上

石です)苦労して絵付けしても、最後の窯でほとんど泣くことになってしまい

ます。理由をご存知でないでしょうか?よろしくお願いします。

 

明窓窯より

回答が当方の事情で遅く成った事をお詫び致します。

問題はまだ未解決でしょうか? 未解決を前提として当方の見解を述べます。

当方が遭遇し事のないものでので、的を射る回答ではないかも知れません

が・・・

 

上絵ですので、当然素焼き施釉、本焼きが終わっている状態のはずです。

ここまでには、何ら問題が発生していない物と推察されます。

1)焼成する窯について記載がなされていませんが、個人専用の窯か、共同窯

 のどちらでしょうか?

 共同窯であれば、他の人の作品の影響も考えなければなりません。

2)上絵付けは一般に電気窯が使用されます。

 燃料を使う窯では、燃料成分が何らかの悪い影響を与える事も有ります。

 当然酸化焼成で行います。還元焼成が一部でも起これば、黒いしみが出来

 易いです。

3)窯の構造と容積とによりますが、本焼き後に絵付けの焼成を行うとの事で

 すが、季節に拠っては、本焼き直後に実施しないと湿度が残る場合もありま   

 す。上絵付けは湿度を嫌います。

4)上絵付はほぼ素焼き程度の温度(750~850℃)で焼成するのが一般的です

  仮に磁土に問題が有れば、本焼き前の素焼きの際に問題が発生いていても

  おかしく在りません。よって磁土が原因とは考え難いです。

5)気に成るのは、黒いカビのような細かい点々の汚れが、釉と固着している

  状態です。磁土の釉は1300℃近くまで温度上昇させます。

  この様な釉が800℃程度で軟化するとは考え難いです。

  よって、何かの作用で釉が軟化したと考えられます。

  釉を軟化させる物質をフラックスと呼びます。

  その様な物質に灰等が有ります。塗布する際の環境に問題は在りません

  か?

6)一番考えられる原因は、ゼラチン自体が汚染されている場合や、筆や布で

  塗布する際の、筆や布が汚染されている場合です。

  使い古した筆や布を使うと場合、汚れが表面に付く可能性も有ます。

  筆や布を真新しい物にするとか、ゼラチンの入る容器を綺麗にした

  りして試すのも一方法かも知れません。

以上 参考にして頂ければ幸いです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 質問67 色化粧土の作り方 | トップ | 質問 69釉裏金彩に付いて »

コメントを投稿

質問、問い合わせ、相談事」カテゴリの最新記事