粉青沙器(ふんせいさき)の胎土は、青磁の土と同じものですが、釉は青磁釉より淡い、淡青色を
帯びた、灰白色か淡青や淡黄褐色で、おおむね、淡く透明な白色に近い色のものが、多いです。
初期の頃は、部分的に使われた白化粧土も、次第に器全体を、埋め尽くす様に成っていきます。
即ち、行く着く先は、白磁と成るのは、当然とも言えます。
各地の地方官窯の作品が、地方の官邸で、使用されると同時に、中央王室や官庁では、広州官窯の
作品が使われる様になります。
2) 壬辰和乱 (じんしんわらん) 1592~1598年
① 豊臣秀吉は、国内を統一後、朝鮮に出兵します。これが、「文禄、慶長の役」と呼ばれる戦争です。
この戦乱で、朝鮮の多くの窯場は、大打撃を受けます。特に多くの陶工が、日本に拉致されます。
② 相当期間、窯は再開されませんでしたが、広州官窯だけが、中央官邸などの、作品を作る為に、
再建されます。優秀な陶工が、特別待遇で、集められ規模を拡大してゆきます。
③ 乱の前に生産されていた、粉青沙器は、乱後には、ほとんど生産されず、白磁のみが生産が
再開されます。 粉青沙器は、この時点で消滅していきます。
3) 高麗茶碗 (こうらいちゃわん)
朝鮮の陶磁器は、我が国に大きな影響を与えます。
特に、茶の湯の世界では、高麗茶碗と呼ばれる、抹茶々碗が渡来し、茶人の間で、珍重されます。
高麗茶碗の中でも、室町末の早くから格別に、尊びられていたのは、井戸茶碗です。
俗に「一井戸、二楽、三唐津」と言い、茶人の人気を集めます。
以下、粉青沙器に関係する、茶碗についてお話します。
① 高麗茶碗とは、高麗時代(918~1392年)の茶碗の意味ではなく、朝鮮の茶碗の意味で、
当時朝鮮を、高麗と呼んでいた名残です。
次に述べる、古雲鶴青磁(こうんかくせいじ)以外は、ほとんどが、李朝時代の作です。
高麗茶碗も、中国の茶碗と同じ様に、唐物茶碗に分類します。
② 古雲鶴茶碗 (高麗時代)
江戸初期にも、我が国から朝鮮に、雲鶴手の茶碗が発注されますが、釉の色や、形も異なります。
これと区別する為、高麗時代に作られた、雲鶴青磁を、古雲鶴と呼びます。
(尚、江戸期の物には、見込みに篆刻風の、押し印があります。)
多くは、筒型茶碗で、白、黒土の象嵌青磁です。雲鶴模様の物が多いですが、亀甲文などもあります。
著名な茶碗としては、銘 「匹田筒(ひったつつ)」の古雲鶴青磁茶碗(京都の茶人匹田宗観所有)や
李朝中期の、亀甲繋象嵌(きっこうつなぎぞうがん)の筒茶碗があり、薄く作られています。
③ 三島手: 室町末頃から、井戸茶碗とともに、人気を博した茶碗です。
以下次回に続きます。
帯びた、灰白色か淡青や淡黄褐色で、おおむね、淡く透明な白色に近い色のものが、多いです。
初期の頃は、部分的に使われた白化粧土も、次第に器全体を、埋め尽くす様に成っていきます。
即ち、行く着く先は、白磁と成るのは、当然とも言えます。
各地の地方官窯の作品が、地方の官邸で、使用されると同時に、中央王室や官庁では、広州官窯の
作品が使われる様になります。
2) 壬辰和乱 (じんしんわらん) 1592~1598年
① 豊臣秀吉は、国内を統一後、朝鮮に出兵します。これが、「文禄、慶長の役」と呼ばれる戦争です。
この戦乱で、朝鮮の多くの窯場は、大打撃を受けます。特に多くの陶工が、日本に拉致されます。
② 相当期間、窯は再開されませんでしたが、広州官窯だけが、中央官邸などの、作品を作る為に、
再建されます。優秀な陶工が、特別待遇で、集められ規模を拡大してゆきます。
③ 乱の前に生産されていた、粉青沙器は、乱後には、ほとんど生産されず、白磁のみが生産が
再開されます。 粉青沙器は、この時点で消滅していきます。
3) 高麗茶碗 (こうらいちゃわん)
朝鮮の陶磁器は、我が国に大きな影響を与えます。
特に、茶の湯の世界では、高麗茶碗と呼ばれる、抹茶々碗が渡来し、茶人の間で、珍重されます。
高麗茶碗の中でも、室町末の早くから格別に、尊びられていたのは、井戸茶碗です。
俗に「一井戸、二楽、三唐津」と言い、茶人の人気を集めます。
以下、粉青沙器に関係する、茶碗についてお話します。
① 高麗茶碗とは、高麗時代(918~1392年)の茶碗の意味ではなく、朝鮮の茶碗の意味で、
当時朝鮮を、高麗と呼んでいた名残です。
次に述べる、古雲鶴青磁(こうんかくせいじ)以外は、ほとんどが、李朝時代の作です。
高麗茶碗も、中国の茶碗と同じ様に、唐物茶碗に分類します。
② 古雲鶴茶碗 (高麗時代)
江戸初期にも、我が国から朝鮮に、雲鶴手の茶碗が発注されますが、釉の色や、形も異なります。
これと区別する為、高麗時代に作られた、雲鶴青磁を、古雲鶴と呼びます。
(尚、江戸期の物には、見込みに篆刻風の、押し印があります。)
多くは、筒型茶碗で、白、黒土の象嵌青磁です。雲鶴模様の物が多いですが、亀甲文などもあります。
著名な茶碗としては、銘 「匹田筒(ひったつつ)」の古雲鶴青磁茶碗(京都の茶人匹田宗観所有)や
李朝中期の、亀甲繋象嵌(きっこうつなぎぞうがん)の筒茶碗があり、薄く作られています。
③ 三島手: 室町末頃から、井戸茶碗とともに、人気を博した茶碗です。
以下次回に続きます。