わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ろくろ(底削り1)

2009-10-31 22:17:00 | 電動ロクロ入門
轆轤では、「ベタ高台」の他は、底を綺麗に作る事は、出来ません。

即ち、ある程度乾燥した作品を、逆さにして、轆轤上に置き、「カンナ」や「掻きベラ」で、削り出します。

 1) 作品を轆轤上に、置く方法

  ① 轆轤上に、直に置く

    作品の「歪み」が少なく、口縁の高さが一定で、凸凹していない場合には、直に置きます。

    一般的には、この方法で行いますが、口縁が「歪んでいる」場合は、以下の様にします。

  ② 轆轤上に、「粘土の座布団」を敷き、その上に、作品を載せる。

    「座布団」は、「カンナ」や「竹へら」で、真上を平らにします。

    轆轤上に作品を直に置くと、「ガタガタ」する場合、この座布団で、作品の口を受け、

    安定させます。

   ) 座布団の一部を切り取る

     作品の口の1~数ヶ所が、出っ張ている(高い)場合、ドーナツ状の「座布団」の一部を、

     切り取り、出っ張た部分を、轆轤面から浮かせ、安定的に(底の面が水平)置ける様にします。

   ) 逆に、作品の一部の口が低く、作品を置いた時、「ガタ」が有る場合には、その低い部分に、

     土を詰め込み、安定化させます。

   ) 一般には、「座布団」は、乾燥した作品より、軟らかくします。それ故、少々の「歪み」も、

     軟らかい土に、潜らせる事で、底を水平にします。

  ③  シッタ(湿台)を使い、その上に、作品を据える。

    「シッタ」は、粘土を使い、電動轆轤で円筒形に造ります。

    作品毎に、「シッタ」を作る事も、有りますが、一般には、汎用性のある、素焼した物を使い、

    十分水分を含ませたから、使用します。

    (他の容器などで代用しても、悪く有りません)

    尚、「シッタ」を使う場合、「シッタ」を轆轤の中心に、据えますが、その方法は、次回に述べます。

   a)  内「シッタ」(シッタの内側を使う)

     一輪差の様に、口の小さな作品や、鶴首など、逆さに置くと、不安定の物は、口や首を「シッタ」の

     内側に入れ、作品の肩で、全体を支える様にします。

   b)  外「シッタ」(シッタの外側を使う)

     歪みの無い作品は勿論、口が凸凹した作品は、先端が細くした、円筒形の「シッタ」に、

     上から、被せて使います。

      (大皿なども、口が歪んでいたり、変形している物は、「シッタ」を使います。)

    尚 濡らした「シッタ」に軟らかい土を、巻き付け、竹ベラで、綺麗な円を出し、そこに作品を、

    据える方法も有ります。(素焼のシッタに、直に接しない様にする)

    (注:もしかしたら、内シッタ、外シッタの名前の使い方が、逆かも知れません。)

 2) 轆轤の中心に作品を置く

    この中心に置く作業は、初心者にとって、意外と難しいです。

 以下次回に続きます。

 電動轆轤入門 底削り

   
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電動ろくろ(形造り7、抹茶々碗の変形)

2009-10-30 14:29:35 | 電動ロクロ入門
引き続き轆轤挽き後の、作品の変形について、お話します。

 1) 変形させる方法

  ⑥ その他の変形
   
   ) 茶道の抹茶々碗の様に、歪みが珍重される作品は、轆轤で綺麗な円を造るのではなく、

      わざと、振ら付かせたり、口の高さに、凹凸を付けて、造る場合が有ります。

      特に、「沓茶碗」と呼ばれる茶碗は、かなり形が歪んでいます。

      昔(電動轆轤以前)の轆轤は、人力で回転させる為、回転速度に「むら」が出来、

      更に、轆轤の回転部を支える、軸受けも今よりは、「がた」が有りました。

      その為、自然に「歪み」が発生し易く、それが、抹茶々碗に、良い影響を与えたと思われます。

      現在では、或る程度人工的に、「歪ませる」必要が有ります。

    ・ 即ち、今まで述べて来た、轆轤の基本作業に、反する事をすれば、「歪み」がむ事に成ります。

   a) 轆轤の速度をわざと変化させる。

     一定速度で回転していると、綺麗な円が出易いです、それ故、故意に速度に変化を持たせます。

   b) 土から急に手を離す。

     特に最上部まで手が行かない内に、急に手を離すと、振れが大きいです。

   c) 基準になる手(右回転では、左手)の肘を、わざと浮かせて、しっかり位置が出ない様にする。

   d) 轆轤上の完成真近の作品を、回転させながら、外部から(手などで)軽く弾く。

   e) 弓を使い、口の一部を切り取る。(回転は、止めるか、ゆうくり)

     抹茶々碗では、口は五山(五峰)と言い、五つの凹凸が有る形が有ります。

     それ故、弓などで、切り取り、五個の山、谷を造ります。

   f) 作品を轆轤上から、取上げる際、作品が歪んだら、そのままにして置くか、

     若干、腰の部分で調節し、「歪み」を補正ます。

   g) 一般に口の直径より、底の径が小さいと、作品を取上げた際、「歪み」は少ないです。

     逆に、底の径が、相対的に大きいと、作品の口は「歪み」易く成ります。

     それ故、底を大きく取り、底削りで小さくする、方法も有ります。
     

 以上にて、「変形」の話を終わりにします。 次は「底削り」と成ります。

 電動轆轤入門 抹茶々碗
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電動ろくろ(形造り6、楕円形2、偏壷)

2009-10-29 17:21:03 | 電動ロクロ入門
引き続き轆轤挽き後の、作品の変形について、お話します。

 1) 変形させる方法

  ④ 楕円を作る

  ) 底も楕円形にする。

   a) 作った底を、一部切り取り、楕円にする

     底を楕円にするには、轆轤挽きした作品の底に、糸を入れて、切り離します。

     作品の底の中央に、弓なりの切込みを、向かい合わせて、2本入れ、両端を繋げます。

     この弓なりで囲んだ部分の土を、切り取ります。

     次に、切り口が繋がる様に、底の部分を左右から、力を入れ、押し付けて繋げます。

     底を一度切り、もう一度繋げましたので、ここから「ひび」や「割れ」が入り易いです。

     しっかり土を締め、内外の繋ぎ目を消します。

     底が楕円になれば、その上部を、楕円にする事は、割合容易です。

     やり方は、前回述べた方法)で、行ってください。

     弓なりの形状を、どの様にするかによって、楕円の形状も、変わります。

   b) 底を抜いた円(ドーナツ状)を、轆轤で挽き、楕円に変形後、底をつける 

      底が有る為に、下部を楕円にする事が、難しいわけです。最初から底のない状態で、

      轆轤挽きし、轆轤上から、切り離しておけば、下部も上部も、楕円にするのは、割合容易です。

      それ故、楕円にした作品に、やや乾燥後、楕円形の底を付ければ、楕円形は容易です。

    尚 高台も、楕円にしますが、当然、削り出しでは、不可能です。

      轆轤で幅の狭いドーナツを造り、楕円に変形した後に、底に貼り付けます。

    ・ 前にも記しましたが、左右対称な、綺麗な楕円形を作るのが、中々難しいです。

      何度か挑戦して、「こつ」を、会得してください。

  ⑤ 偏壷を作る 

    両面が平べったく、潰れた状態の壷を、偏壷(へんこ)と呼んでいます。

    この形も、轆轤で直接作る事は、出来ません。何らかの方法を、考える必要が有ります。

   ) 丸い壷の胴の部分を、板等で挟み付け、平べったく変形させる。

      扁平の度合いも、小さな物から、大きい物まで、色々有ります。

      又、扁平した部分が、平らな物や、やや湾曲した物等、形に応じて、挟む板の形状や、

      挟む力の入れ具合を、調節します。

      又、口が歪む場合も有りますので、修正する必要も有ります。

   ) 変形する以外の、偏壷の造り方、

      偏壷の造り方には、幾つかの、方法が有りますが、その1例を述べます。

      同じ径の皿状の作品を2個造ります、形は(曲面)は、なるべく同じにします。

      乾燥後、底の部分を、削ります。この削った部分が、表面(外側)になります。

      口径を合わせて、この2枚の作品を接着します。これが胴体に成ります。

      接着が不十分ですと、水漏れを起こしますので、しっかり貼り付けます。
    
      胴体は立てて使いますので、脚と首から上を造り、貼り合わせます。

      脚は、立てた胴が、回転しない様に、回転止めの役もします。
   
   ⑥ その他の変形

 以下次回に続きます。

 電動轆轤入門 楕円形 偏壷
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電動ろくろ(形造り5、花びら風、楕円形1)

2009-10-28 15:47:06 | 電動ロクロ入門
引き続き轆轤挽き後の、作品の変形についてお話します。

 1) 変形させる方法

  ③ 皿や鉢などの口縁を、花びら風に、内外に変形させる

    花びら風(波を打たせる)の作品を作る事も、変形させる事で、容易に出来ます。

    この場合、規則的で等間隔に、内外に変形した方が、見た目が綺麗です。

    丸く挽いた作品の外側(轆轤上や、亀板上)に、鉛筆などで、等間隔の印を付けて置くと、

    作業がやり易いです。(当然ですが、内側と外側の、花びらの枚数は同じにします。)

    外側への変形は、前記②の方法で行い、内側への変形は、以下の様にします。

    尚、内外のどちらから、行っても良いですが、一般に外側に変形した後、内側に変形します。

  ) 左手の人差し指と、中指で「チョキ」を作ります。(右利きの人の場合です)

  ) この指を、変形したい場所の、内側に当てます、右手の人差し指(又は丸い棒)を、「チョキ」の

     付け根に上から入れ、作品の外側に立てる様にして、内側に押し付けます。

     手や棒を根元まで差し込むと、下の方から、変形できます。

  ) 最後に全体の形を見て、強弱を調整します。

     終われば、糸などで轆轤や、亀板より切り離します。

 ④ 楕円を作る

   轆轤で直接、楕円形は出来ません。何らかの方法で、変形して楕円形を造ります。

  ) 底は丸のままで、口縁のみが、楕円形の皿や鉢は、容易に変形可能です。

    特に変形する場所が、底より高い部分では、やり易いが、皿など深さの浅い作品は、難しいです。

   a) 左右より押し付ける。

     若干乾燥させた、作品の外側を、左右から、中心に向かって、力を加えます。

     手を使う場合、平たい板を使う場合、湾曲した物を使う場合など、やり方には、色々有ります。

     但し、左右均等で、綺麗な楕円を作る事は、かなり難しい作業です。

     (理想的には、轆轤挽きした作品を、楕円形の石膏型に押し付けて、変形すれば、

      綺麗な楕円になり易いです。)

     更に、力を加え変形した部分は、他より、背が高くなります。この部分は、このままでも良いが、

     一般的には、口縁全体の高さが、均等に成る様に、切ったり、削ったりします。

   b) 左右に引っ張る

     円に近い楕円形の場合、左右真反対の位置を、外に押し出します。(又は引っ張り出す)

     但し、押し出す道具(用具)は、丸い形状の物が、良いです。

     押し出した部分は、他の部分より、高さが、低く成ります。

     何れにしても、綺麗な楕円形を作る事は、かなり難しく、色々な方向から見て、微調整を、

     繰り返す事に成ります。
  
  ) 底も楕円形にする。

 以下次回に続きます。

  花びら風 楕円形
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電動ろくろ(形造り4、変形1)

2009-10-27 20:17:55 | 電動ロクロ入門
何度も、お話しますが、轆轤は丸い物を作るのは、得意ですが、他の形にするには、貼り付けたり、

歪ませて、変形する事に成ります。

 1) 変形させる方法

  ① 握り締めて変形させる

    湯呑みやコップ、ビアグラス、徳利など、手に持ち、縦に長い作品は、デザイン上や、

    持ちやすい様に、指(手)の痕が付く様に、変形させる場合が多いです。

    その際、轆轤を挽き終った直後ですと、作品が「べとつき」、土が指に付き、形が定まりません。

    若干、乾燥させてから(「べとつき」が無くなったら)、作業します。

    作品は乾燥が進むと、元の形に戻る性質が、有りますので、強めに変形して下さい。

   ・ 握り締めて、変形した場合、口縁までも、変形してしまい勝ちです。

     これが嫌だと、感じたら、再度轆轤上に据えて、轆轤挽きで、丸い円を、出して下さい。

     轆轤上から切り離さ無ければ、又は、亀板上にあれば、容易に中心が出て、修正し易いです。

  ② 口縁を変形させる

    徳利の口や、片口の注ぎ口を作る時、一部分を外に、引き出します。

    この場合は、轆轤挽きの直後に行うのが、効果的です。

     (以下、私のやり方ですので、参考にして下さい。)

    ) 左手の親指と、人差し指で、「じゃんけん」の「チョキ」を作ります。

    ) この手の掌を、手前に向け、作品の口の外側に、当てます。

       「チョキ」の開き具合は、注ぎ口の横幅、引き出す量によって、調節します。

       又、引き出す量を、多くしたい場合には、「チョキ」の位置は、作品の口より、やや下にします。

    ) 右手の人差し指を、作品の口の内側に当て、外側の「チョキ」の間に入れ、

       やや下に押し付けます。

       口縁より、少し下から変形させたい時には、右手の人差し指を、やや奥に入れます。

       場合に拠っては、右手を水で濡らし、滑る様にします。

    ) 右手を真っ直ぐ(又はやや回転させて)手前に、引き抜きます。

    ) 最後に形を整えます

       先ず、注ぎ口の左右の形、「バランス」を見て、調整します。(左右対称にする)

       場合に拠っては、引き出し口を、丸めたり、尖らしたりし、好みの形に調整します。

       この注ぎ口が、実用的に使う物か、又は単なる、デザイン上の物なのかによって、
   
       形を決める必要が有ります。

       更に、注ぎ口の先端の形を調整します。先端に「ひび」が入る場合も多いですから、

       補修が必要になります。指痕が付いたら、綺麗に消します。

    ) 右手の替わりに、棒などを使えば、太さも変り、注ぎ口の形状も変化します。

     尚、片口等で、引き出す量を、大きくするのは、無理が有ります。この場合には、口の部分を、

     別に轆轤で造り、適当な形に割り、後で接着する方法が、ベターです。

   ③ 口縁を花びら風に(波打たせた形に)変形させる。

 以下次回に続きます。

  形造り 変形
  
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電動ろくろ(形造り3)

2009-10-26 16:18:31 | 電動ロクロ入門
2) 何処から形を造ったらよいか? (前回の続きを、述べます)

 ③ 中間部より、形を造る場合

   一輪差や、鶴首型の花瓶など、口(首)が細い作品は、最初から細くしないで、

   上から手が入る状態で、中間部から、形造りを始めます。

   即ち、必要な場所を最大径(寸法)まで、胴を拡げます。

   口径は、手(手首)が入る以上には、拡げない様にします。

   すると、手は胴の部分を、下から「すくい上げる」様に、動かす事に成ります。

   次に 底から最大径までの部分を、除々に膨らませて形を造り、更に最大径の部分より

   首の真下迄を、徐々に細めながら、作りたい形に造ります。 最後に、首の部分を、細くします。

   細くすると、肉厚に成りますので、薄く上に延ばします。(そのままだと、土が撚れます)

   手が入らな無くなったら、「柄コテ」等を使います。

 ・ 土は、膨らませると、高さが低くなり、細くすると、高く成ります。

   それ故、最大径に膨らませる位置は、下からの設計寸法より、やや上にする必要が有ります。

   但し、細くし始める位置は、設計寸通りで良く、必要以上に伸び過ぎたら、切り取ります。

 ④ 危険な部分の形造りは、最後に行う

   瓢箪型の花瓶で、胴の一部を極端に、細くする場合や、極端な下膨れの作品は、その形が上手く

   出来ても、長い時間その状態で、轆轤作業をしていると、必ず、「振れ」「歪み」が出たり、

   作品全体が、下に落ち込んだりします。

   それ故、大まかな形に留め、作品の形が、出来上がる直前に、最後に作業を行い、直ぐに轆轤を

   止めます。   

 ⑤ 上下逆に造る

   根元が細く、頭の大きな作品は、上下逆にし、下を太く上を細く造れば、形造りは、容易です。

   又、急須の蓋を作る場合にも、上下逆にした方が、形が造り易い場合が有りますので、

   正規の方法に囚われず、造る方法を、柔軟に考え、判断してください。

 ⑥ 付け高台

   高台が高い場合や、「ワイングラス」の様に、途中が「くびれた」形で、一度に形造る事が、

   難しい時は、底削りの際、作品を伏せ、ドーナツ状の土を、底に貼り付け、轆轤挽きし、

   所定の形にします。

   但し、付ける物の径が大きいと、付けた部分が、乾燥し縮み、本体の底を、凸凹にしますので、

   径の大きな時、(例えば、「コンポートー」の様に、大きく高い脚)は、高台部分を、別に造り、

   本体と同じ程度、乾燥したら、「ドベ」で付けた方が、安全です。

 以下次回に続きます

 形造り
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電動ろくろ(形造り2)

2009-10-25 22:15:53 | 電動ロクロ入門
電動轆轤は、回転して作品を作る為、丸い物しか出来ません。

しかし、丸い物同士を、くっ付けたり、繋げたりして、丸い形以外の、作品を作る事も、可能です。

又、丸い物を、切ったり、裂いたりしても、別の形に出来ますし、外部から力を加えて、変形する事も、

出来ます。それ故、轆轤で作る作品は、「アイデア」しだいで、無限の可能性を、占めて居ます。

前置きが長くなりましたが、形造りに付いて、述べます。

 2) 何処から、形を造ったらよいか?

    筒状に延ばした土を、膨らませたり、細めたりして、形を変えて行く場合、何処から、

    手を付けるかと言う事です。

    作品は下部から、上部に向かって、形造る物と、思っている方も居るかも知れませんが、

    そうすると、作業がしずらい場合や、失敗する場合が有ります。

    作品に応じて、形造りの手順を、考える必要が有ります。

  ・ 即ち、上(口縁)から、中間部から、下(底)から形造るの、3っの方法が有り、

    使い分ける必要が有ります。

    又、危ない形状の場合の形造りや、天地(上下)逆に造る方が、「ベター」な場合も有ります。

  ・ 何れの場合でも、先ず内側の底の広を、形造ります。

    後から底の径を拡げたり、極端に狭くすると、作品が「振れ、歪み」の恐れが多いです。

  ・ 要は、上の土の重みを、下の土が、支えられる形状を保持して、轆轤作業を、行う事です。

    その為に、色々な方法が有る訳です。

 ① 下から形を造る場合

   湯呑み等で、口径が余り大きく無い、小さい作品や、直径の変化が少ない、筒型には、

   下から上に形造るのが、普通です。

   下から形造ると、作品全体の形が、把握しやすい利点が有り、なんら不都合な点も、有りません。

 ② 上から形を造る場合(下から造ると、危険な場合)

   口径の大きな皿や、鉢などは、必要な、寸法まで、口径を拡げます。

   即ち、全体の形を、逆三角形にします。次に底から、口にかけての、傾斜部(側面)の形を決めます。

   手、または「コテ」を使いますが、少しずつ、湾曲させて下さい、急に張り出すと、

   腰や、口縁が落ち、「オチョコ」の状態に成ります。

   又、皿の場合、朝顔型より、お碗型にしてから、徐々に、形を造る方が、安全です。

 ③ 中間部より、形を造る場合

 
以下次回に続きます。

 形造り

 
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電動ろくろ(形造り1)

2009-10-24 22:56:37 | 電動ロクロ入門
土を延ばし終えたら、いよいよ、形造りに入ります。

  (前にも、話しましたが、土を延ばしながら、形造りを、行う方法も有りますが、私の所では、

   土を延ばしてから、形造りに、入りますので、そのつもりで、話を進めます。)

 1) 轆轤で出来る事及び、形造り

  ① 轆轤では、直径を大きくする事、径を小さくする事、高さを、高くする事の、3点のみです。

  ② 轆轤作業は、回転しながら、作品を造りますので、基本的には、丸い物と成ります。

    (例: 丸皿、湯呑み、鉢類など、皆丸い状態です)

  ③ 丸く造った部品を、組み合わせて、新たな形にする。

    (例: 急須の様に、本体、蓋、取っ手、注ぎ口の部品を造り、組み合わせて作品を造ります)

  ④ 丸く造った作品に、丸くない部品を取り付けて、作品に仕上げる。

    (例: コーヒーカップに、取っ手を付ける)

  ⑤ 丸く造った作品を、一部変形させて、形を造る

    (例: 徳利や片口の様に、一部を変形して、注ぎ口を造る)

  ⑥ 丸く造った形を、切って、別の形にする

    (例: 俎板皿の様に、円周の一部を切り開き、長方形に伸ばす。)

  ⑦ 丸く造った作品を、力を加えて変形させて、新たな形に、造りかえる。

    (例: 丸い食器や壷を、三角、四角、楕円に変形する)

 以上の事柄を、もう少し、詳しくお話し、したいと思います。

  ① 轆轤では、直径と高さを変える事しか、出来ません。この組み合わせによって、作品を造ります。

   形を造るには、以下の方法が、有ります。

   ) 手のみを使って、形を造る

      手特に指は、最も良い道具です。色々な場面で活躍しています。

      但し、欠点は、指が細い事、及び、作品が細いと、手首が入らず、使えない事です。

   ) 「コテ」類を使って、形を造る

      上記欠点を、補う為に、「コテ」が発明されました。

      即ち、指が細い為、或る面積を、均等に押さえる事が出来ない事、又、同じ形に出来ず、

      形が造り難い場合があり、色々な形の「コテ」が、作られ、使われています。

   ) 「柄コテ」を使う

      手の入らなくなった、口の細い作品は、「柄コテ」が、手の役をします。

      「柄コテ」にも、色々な形が有り、使い分けます。

   ) 径を大きくする、小さくする

      肉が薄くなった土は、内側と外側の力の差で、容易に変形します。

      外側よりも、内側の力が強いと、径は広がります。

      逆に、外側の力が強いと、径は細く成ります。

    ・ 径が大きくなると、高さは、低くなり、径が小さく成ると、高さは、高く成ります。

 以下次回に続来ます。

  電動轆轤入門 形造り  
   
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電動ろくろ(土を延ばす3)

2009-10-23 21:52:41 | 電動ロクロ入門
前回に続き、轆轤で土を延ばす作業の、基本的な(共通点)事柄を、述べます。

 ③ 土を上に薄く延ばす。

  ) 指先の感覚を鋭くし、気泡や異物を見つけたり、肉厚にも気を付けながら、作業する事

     轆轤作業中の、気泡や異物は、とても気になり、作業も,しずらいです。

     見つけ次第、気泡を針で潰します。また異物も、針などで、掘り起こし除去します。

   ・ 轆轤が速く回転していると、直ぐに見つける(気が付く)事も可能ですが、止まった状態や、

     「ゆくうり」回転していると、中々場所が解かりません。その際には、指先に神経を集中し、

     轆轤を手で「ゆっくり」回し、直ぐに止める状態で、見つけて下さい。

  ) 常に遠心力が働いているので、外に広がり易いです。

      拡がらない様に、外側の手に、力を入れます。

     回転スピードが速い場合や、作品の径が大きい時程、遠心力は強く成ります。

     遠心力に負けない様に、外側の手に力を入れ、位置を保持します。

  ) 作品の直径に合わせて、轆轤の回転スピードを調整する事

     上記の様に、手の位置の保持と同様に、回転スピードを、調節し、常に手と土との速度を、

     一定に保ちます。(基本的には、径の大きい時は、遅く、小さい時は、早くします)

  ) 根元はやや肉厚で、上に行く程、肉が薄くなる事

     (途中が薄いと、土が撚れたり、歪んだり、振ら付いたり、します。)
    
     特に根元にタップリ土が残り、上部が極端に、薄くなり勝ちですので、注意の事

     両手に掛かる力(土を締め上げる力)は、土の厚みによって、変化させる必要が有ります。

     即ち、土がタップリ有る、下部では力を入れ、上部に行くに従い、力を抜く必要が有ります。

     同じ力で、作業すると、当然、下部では、力不足で、上部では、力が過剰に成ります。

     それ故、下部に肉が残り過ぎ、上部で薄過ぎる事に、成ります。

     初心者には難しい事ですが、この力の配分も、重要な事です。

  ) 初心者の方は、土を高く上げる事に、恐怖心を持ち易いです。

     土が高く成るに従い、土も薄くなり、「怖い」と思う気持ちが湧いてきます。

     確かに、肉が薄くなると、一寸した事で、作品が崩れたり、歪んだり、振れたりします。

     又、不用意に、作品に、指や物(用具類)が当る場合、作品は直ぐに、変形します。

     (これは意外と多い事です。)注意していても、起こり易いです。

   その他、

   ) 何処を見ているのか

    ・ 土を上に延ばす際、目は何処を見るべきでしょうか?
   
      先ず、指先を見ます。(即ち、今土を延ばしている、現場です)

      更に、筒の側面(凸凹?)も見ます。(即ち、自分でやった作業の結果です。)

      この両方に注意しながら、指の力を調整し、綺麗な円筒にします。

    ・ 又、土の最上部と、目の距離を、一定に保ちます。(即ち、手のみで、土を延ばすのではなく、

      体を起こしながら(背筋を伸ばしながら)、体全体で轆轤を挽く感じで、作業します)

   ) 土延ばしは、上中下と3段階に分けて、延ばす方法が有ります。

      即ち、最下段より土を延ばすと、上部に土が残り、手が思うように上に行きません。

      それ故、手が止まり易く、その部分が、肉薄になり、撚れが発生します。

      最初上部1/3を薄く延ばし、次に中の1/3を延ばし、最後に下の1/3を薄くします。

      こうすると、指も、スムーズに動き、上部に土が残る事も無くなります。

 尚、具体的な指の使い方は、述べませんでしたが、これには色々なやり方が有り、十人十色ですので、
 
 先生(指導者)のやり方で、行ってください。

 以上で「土を延ばす」話を、終わりに致します。次回は、「形造り」に付いて、述べます。

 土延し
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電動ろくろ(土を延ばす2)

2009-10-22 17:52:15 | 電動ロクロ入門
前回に続き、轆轤で土を延ばす作業の、基本的な(共通点)事柄を、述べます。

 ③ 土を上に薄く延ばす。

  ) 両手は下から上に、一緒に移動する事

     上から下に、移動する方法も有りますが、特別の場合(撚れた土を直す等)で、

     作業もやや難しく、初心者は、やらない方が、良いでしょう。

     左右の手は、常に向い合わせで使い、土を挟み込む様にして、上に延ばします。

     (但し、手が繋がる状態の時で、内側に手が入らない時は、別の方法にします)

     手を上げるスピードも、大切です。轆轤目を付けたい時には、素早く上に上げますが、

     初心者は、ゆっくり、何度か回数を掛けて、土を延ばします。

  ) 両手が繋げられる時は、必ず繋げる事

     作品の背が低い場合には、両手の指(特に親指)が、繋げる事が出来るはずです。

     内、外の指先に力を入れ、土を挟み込む際、左右の手が、「バラバラ」では、互いの位置が

     固定されず、肉厚に差が出たり、土が「振ら付く」原因にも成ります。

     背の高い作品は、両手が繋がらない為、初心者にとって、かなり難しい作業と成ります。

  ) 基準になる手(土の外側を触る手)の肘は、体や太ももに付けて、固定する事

     轆轤の回転に負けて、手が回転方向に、流れない事。

     作業する手の位置は、右回転の場合、時計の針で8時程度(7~9時)の、位置にします。

     10、11時となるに従い、体も伸びて、指に力が入りません。

  ) 時々土全体を抱え込み、「振ら付き」を防止すると伴に、水切れを防ぐ事

     土を延ばして行く途中では、大なり小なり、「振ら付き」が出ます。

     「振ら付いた」状態で、作業を続行すると、「振ら付き」は益々大きく成ります。

     「振ら付き」の原因は、偏肉(円周の一部に、肉の厚い所、薄い所)の為、遠心力に差が出て、

     「振ら付き」が出る場合と、水切れの為、手が滑らず、作品が「捩れて」振ら付く場合が有ります。

     いずれにしても、「振ら付き」が発生したら直ぐに、手に水を付け、両手で抱え込んで、

     「振れ」を止めます。その際、両手の肘は、体に付けて固定します。  

  ) 土から手を離す際は、ゆっくり(一呼吸、置いて)離す事

     回転している土から、手を離す際には、手を最上部に移動後、ゆっくり手を離します。

     途中の位置で、手を離したり、急に手を離すと、必ず土が、「振ら付き」ます。

   ・ 手を離す方法は、上に逃げる方法と、内、外に逃げる方法が有ります。

     上に逃げる方法で、土が「振れる」場合には、指を内、外(径方向)に逃げて下さい。

 以下次回に続きます。

 土延し
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