前回に続き、本物とも偽物とも、呼べない作品について述べます。
3) 他の部品(パーツ)と合わせた物
① 本来ならば、蓋付の容器は、本体(身)と蓋は、同時に作られた物ですが、何らかの理由で、片方が、
破損したりして、失われてしまった時に、調度合致する物が有れば、新しく組み合わせて、
一つの物に、仕上げる事が有ります。この様な行為を「アワセ(合わせ)」と、言います。
② 勿論、本体と蓋は、同時代の本物の事が、多いですので、偽物と呼ぶ事は、出来ませんが、完全な
本物とも呼べません。(尚、骨董の世界では、一応偽物として、扱うそうです。)
③ 良く見掛ける作品に、宋胡禄(すんころく)、安南、呉州染付け等の、合子(ごうす)や、香合等が
有ります。 これらは、数も多く、大きさも、似たり寄ったりですので、他の容器の、蓋と身が
合う事が、多い為です。
④ 「アワセ」を見分ける方法
) 蓋と身が、「しっくり」して、寸法的に、違和感が無い事。
) 釉の色調や、図柄が合致している事。
絵付けの際、蓋と身を一体のまま、図柄(模様)を描いている物も多いので、蓋と身の合わせ
目の線(模様)の繋がり方を、観察し、不自然でない事を、確認します。
但し、一部のみ、一致する場合もありますので、合わせ目の、全周を見て判断します。
) 古色や風化の状態が、蓋と身が、一致しているかを、観察します。
4) スリ切りした物
「スリ切り」とは、容器の上部や下部が、破損した場合、残った下部や上部を使い、別の作品に仕上
げる為に、破損箇所を、綺麗に切り取ります。この行為を「スリ切り」と呼びます。
勿論、元の容器は、本物が使われますが、出来上がった物は、全く別の者と、成りますので、
骨董の世界では、「偽物」として、取り扱われます。
「スリ切った」部分に、なんらかの、加工を施し、完成品に見せかけます。その方法として
① 切り口に、釉を掛けて、二度焼きする。
上部が破損した場合には、破損した部分を、綺麗に切り取り、釉を掛けて、焼成します。
② 切り口に、塗料を塗る。
この場合には、窯に入れませんので、爪などで、引っ掻くと、剥がれる易いです。
塗料は、釉に見せ掛けた物で、簡単に処理する場合や、二度焼きを、見破られない為に、行います。
③ 切り口に覆輪(ふくりん)を付ける。
切り口が、口縁に成る場合には、金、銀、錫などで、上絵付けの要領で、覆輪を焼付けます。
覆輪を、付ける事により、「スリ切り」を隠し、更に作品を、豪華に見せる働きをします。
④ 切り口に、漆(うるし)を塗り、皮鯨に見せ掛けます。
注:皮鯨(かわくじら)とは、鯨の黒くなった、皮の部分を言い、器の口の部分に、黒く塗った
ものが似ている為、その呼び名があります。
本来は、茶碗や食器の口の部分を、丈夫にする為、鉄釉を巻いて、焼成した物と思われます。
ぐい呑や茶碗、鉢、皿類が多いようです。
⑤ 底を付け、別の容器にする。
「スリ切り」は、口縁の部分に行う事が、多いですが、破損していない、上部を生かし、胴や底の
部分を、切り取り、別の部品を、取り付ける場合も有ります。
但し、上下が、ピッタリ合致している事と、合わせ目が、完全に解からない様に、する必要があり、
又、全体の姿形に、違和感(不自然さ)を感じさせる物は、「スリ切り」の可能性も、有ります。
口縁の加工より、手間隙も掛かり、見破られ易いですので、数は少ないそうです。
以下次回に続きます。 アワセ スリ切り
3) 他の部品(パーツ)と合わせた物
① 本来ならば、蓋付の容器は、本体(身)と蓋は、同時に作られた物ですが、何らかの理由で、片方が、
破損したりして、失われてしまった時に、調度合致する物が有れば、新しく組み合わせて、
一つの物に、仕上げる事が有ります。この様な行為を「アワセ(合わせ)」と、言います。
② 勿論、本体と蓋は、同時代の本物の事が、多いですので、偽物と呼ぶ事は、出来ませんが、完全な
本物とも呼べません。(尚、骨董の世界では、一応偽物として、扱うそうです。)
③ 良く見掛ける作品に、宋胡禄(すんころく)、安南、呉州染付け等の、合子(ごうす)や、香合等が
有ります。 これらは、数も多く、大きさも、似たり寄ったりですので、他の容器の、蓋と身が
合う事が、多い為です。
④ 「アワセ」を見分ける方法
) 蓋と身が、「しっくり」して、寸法的に、違和感が無い事。
) 釉の色調や、図柄が合致している事。
絵付けの際、蓋と身を一体のまま、図柄(模様)を描いている物も多いので、蓋と身の合わせ
目の線(模様)の繋がり方を、観察し、不自然でない事を、確認します。
但し、一部のみ、一致する場合もありますので、合わせ目の、全周を見て判断します。
) 古色や風化の状態が、蓋と身が、一致しているかを、観察します。
4) スリ切りした物
「スリ切り」とは、容器の上部や下部が、破損した場合、残った下部や上部を使い、別の作品に仕上
げる為に、破損箇所を、綺麗に切り取ります。この行為を「スリ切り」と呼びます。
勿論、元の容器は、本物が使われますが、出来上がった物は、全く別の者と、成りますので、
骨董の世界では、「偽物」として、取り扱われます。
「スリ切った」部分に、なんらかの、加工を施し、完成品に見せかけます。その方法として
① 切り口に、釉を掛けて、二度焼きする。
上部が破損した場合には、破損した部分を、綺麗に切り取り、釉を掛けて、焼成します。
② 切り口に、塗料を塗る。
この場合には、窯に入れませんので、爪などで、引っ掻くと、剥がれる易いです。
塗料は、釉に見せ掛けた物で、簡単に処理する場合や、二度焼きを、見破られない為に、行います。
③ 切り口に覆輪(ふくりん)を付ける。
切り口が、口縁に成る場合には、金、銀、錫などで、上絵付けの要領で、覆輪を焼付けます。
覆輪を、付ける事により、「スリ切り」を隠し、更に作品を、豪華に見せる働きをします。
④ 切り口に、漆(うるし)を塗り、皮鯨に見せ掛けます。
注:皮鯨(かわくじら)とは、鯨の黒くなった、皮の部分を言い、器の口の部分に、黒く塗った
ものが似ている為、その呼び名があります。
本来は、茶碗や食器の口の部分を、丈夫にする為、鉄釉を巻いて、焼成した物と思われます。
ぐい呑や茶碗、鉢、皿類が多いようです。
⑤ 底を付け、別の容器にする。
「スリ切り」は、口縁の部分に行う事が、多いですが、破損していない、上部を生かし、胴や底の
部分を、切り取り、別の部品を、取り付ける場合も有ります。
但し、上下が、ピッタリ合致している事と、合わせ目が、完全に解からない様に、する必要があり、
又、全体の姿形に、違和感(不自然さ)を感じさせる物は、「スリ切り」の可能性も、有ります。
口縁の加工より、手間隙も掛かり、見破られ易いですので、数は少ないそうです。
以下次回に続きます。 アワセ スリ切り
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