今回が、「色彩の話」の、最終回に成ります。
10) 黒のイメージ
・ 古い時代に於いては、何れの国や文化でも、黒は低い身分の色と、見なされていました。
黒い色は、物や、獣を焼いた時に、発生する「煤(すす)」や、黒い土によって、容易に手に入る
染料でした、その為、身分の低い人の色と、されていた様です。
・ 我が国では、平安時代以降、西洋では中世以降、光沢のある黒が、使われる様になると、貴族階級の
色として、珍重される様に成ります。
・ 特に茶道の抹茶茶碗などは、抹茶の緑と、器の黒の取り合わせが、鮮明で、美しく見えます。
その他、器などでも、黒の「高級感」が好まれ、多く使われています。
・ 「漆黒(しっこく)」は、日本語の黒の中でも、最も暗い黒を、表現する色で、漆塗りの様に、
艶のある色です。
① 黒は、夜の「闇」を表す色として、「恐怖」「死」「不吉」「邪悪」「孤独」「悲しみ」「陰鬱」
「怒り」「不機嫌」等の負のイメージが、強いですが、それが逆に「強さ」「魔除」「生命の再生」と
変化し、更に現代では、「高級感」「威厳」「厳粛」「高貴」「シック」「フォーマル」「おしゃれ」
等の、肯定的なイメージと成っています。
但し、現在でも、「黒幕」「ブラックマネー」など、負の言葉も多く存在します。
② 陶磁器に於ける黒は、鉄系の釉で、発色する物が多いです。
黒天目、柚子肌黒天目、油滴天目、黒マット等が代表的な釉です。
11) 灰色(鼠色)のイメージ
黒と白の中間の色ですので、黒の割合によって、明るい灰色から、暗い灰色まで存在します。
白でも黒でもない色として、「はっきりし無い色」の、イメージが強いです。
① 「曖昧」「陰気」「控えめ」「不安」「疑惑」「不正」「憂鬱」など、余り良いイメージでは、
有りませんでしたが、近年無彩色が、どんな色とも合う色として、見直されています。
② 灰色の釉は、余り見かけませんが、石灰系の透明釉を、還元焼成すると、灰色に成ります。
土に灰色の顔料を、練り込んで、灰色の作品を作る方が、確実かも知れません。
12) 虹色のイメージ
我が国では虹は、七色と表現しますが、国や民族によって、色の数も変化しています。
幾つもの色にも見える虹色は、全ての可視光線の波長を含み、「全てを含む」イメージと成ります。
① 「希望」「夢」「幸運」等、満ち足りたイメージです。
② 空に架かる虹は、古代人には、不思議な事とし、神からのメッセージと、受けたられていた
様です。(協会のステンドグラスは、この虹の影響と、言われています。)
③ 釉としては、真珠釉や、ラスター釉と呼ばれる物で、見る方向によって、色が変化します。
これは、表面に薄い膜が生じ、光の屈折や反射に、変化が出る為と、言われています。
色の好みは、十人十色と言われ、好き嫌いが出易い物です。
それ故、ほとんどの方は、作品に、色を塗る際に、戸惑います。作陶の際に、何色を使うかを、予め決めて
おきたい所ですが、実際には、施釉直前まで、決まらない事が、多い様です。
以上述べて来た事が、何かの役に立って頂ければ、有り難いです。これで、色彩の話を、終わります。
次回より、別のテーマで、お話したいと、思います。
10) 黒のイメージ
・ 古い時代に於いては、何れの国や文化でも、黒は低い身分の色と、見なされていました。
黒い色は、物や、獣を焼いた時に、発生する「煤(すす)」や、黒い土によって、容易に手に入る
染料でした、その為、身分の低い人の色と、されていた様です。
・ 我が国では、平安時代以降、西洋では中世以降、光沢のある黒が、使われる様になると、貴族階級の
色として、珍重される様に成ります。
・ 特に茶道の抹茶茶碗などは、抹茶の緑と、器の黒の取り合わせが、鮮明で、美しく見えます。
その他、器などでも、黒の「高級感」が好まれ、多く使われています。
・ 「漆黒(しっこく)」は、日本語の黒の中でも、最も暗い黒を、表現する色で、漆塗りの様に、
艶のある色です。
① 黒は、夜の「闇」を表す色として、「恐怖」「死」「不吉」「邪悪」「孤独」「悲しみ」「陰鬱」
「怒り」「不機嫌」等の負のイメージが、強いですが、それが逆に「強さ」「魔除」「生命の再生」と
変化し、更に現代では、「高級感」「威厳」「厳粛」「高貴」「シック」「フォーマル」「おしゃれ」
等の、肯定的なイメージと成っています。
但し、現在でも、「黒幕」「ブラックマネー」など、負の言葉も多く存在します。
② 陶磁器に於ける黒は、鉄系の釉で、発色する物が多いです。
黒天目、柚子肌黒天目、油滴天目、黒マット等が代表的な釉です。
11) 灰色(鼠色)のイメージ
黒と白の中間の色ですので、黒の割合によって、明るい灰色から、暗い灰色まで存在します。
白でも黒でもない色として、「はっきりし無い色」の、イメージが強いです。
① 「曖昧」「陰気」「控えめ」「不安」「疑惑」「不正」「憂鬱」など、余り良いイメージでは、
有りませんでしたが、近年無彩色が、どんな色とも合う色として、見直されています。
② 灰色の釉は、余り見かけませんが、石灰系の透明釉を、還元焼成すると、灰色に成ります。
土に灰色の顔料を、練り込んで、灰色の作品を作る方が、確実かも知れません。
12) 虹色のイメージ
我が国では虹は、七色と表現しますが、国や民族によって、色の数も変化しています。
幾つもの色にも見える虹色は、全ての可視光線の波長を含み、「全てを含む」イメージと成ります。
① 「希望」「夢」「幸運」等、満ち足りたイメージです。
② 空に架かる虹は、古代人には、不思議な事とし、神からのメッセージと、受けたられていた
様です。(協会のステンドグラスは、この虹の影響と、言われています。)
③ 釉としては、真珠釉や、ラスター釉と呼ばれる物で、見る方向によって、色が変化します。
これは、表面に薄い膜が生じ、光の屈折や反射に、変化が出る為と、言われています。
色の好みは、十人十色と言われ、好き嫌いが出易い物です。
それ故、ほとんどの方は、作品に、色を塗る際に、戸惑います。作陶の際に、何色を使うかを、予め決めて
おきたい所ですが、実際には、施釉直前まで、決まらない事が、多い様です。
以上述べて来た事が、何かの役に立って頂ければ、有り難いです。これで、色彩の話を、終わります。
次回より、別のテーマで、お話したいと、思います。