茶道具に限らず、陶磁器の口造りは、重要な要素と成ります。
口(口縁、こうえん)の造り方によって、作品の表情は、大きく変ります。
一般に、磁器(石物)は、肉厚が薄い傾向にあり、陶器(土物)は、やや厚めにします。
口の薄い陶器は、貧弱に見える事と、磁器よりも、強度が落ちる為、厚く作る必要も、有るからです。
・ 口の造り方は、「こしき口」と「姥口」の、2種類が基本的です。
「こしき口」は、凸状に、出っ張っている形で、「姥口」は、凹状にへこんだ、形です。
1) 口造りの種類 以下、代表的な、口造りを述べます。
① 玉縁(たまぶち)
壷などやや重量の有る、大きな作品に、多い造りです。
口縁の捻り返し(ひねりかえし)に、厚みを持たせ、丸みを帯びた、紐状の形です。
捻り返しは、外側に捻ります。作品に応じて、捻る量を調節し、太い細いを、決めます。
② 端反(はたぞり)
口縁を外側に反らせた形で、水(液体)を入れる容器(花瓶、徳利、茶碗など)に、
多く見受けられます。液体が、自然と流れ出易い、形となります。
③ 直口(すぐくち)又は、立口(たちくち)
胴から垂直に、真直ぐ立ち上がった形で、竹を真横に切った様な、感じです。
最もシンプルな、形ですので、花入などに、好まれる方も、多いです。
④ 姥口(うばくち)
蓋の有る焼き物の、蓋受け部分も、この形のものが、多いです。
口の周辺が、高く盛り上がり、内側は一段低くなった形です。
歯の無い老婆の 口を、連想させる事から、この名前が付いています。
⑤ 鼈(すっぽん)口
天目茶碗に、見られる口縁で、碗の立ち上がりが深く、口縁で、一度内側に絞ってあり、
すっぽんの頭の形を、しているので、鼈口といいます。
この形状は、熱い抹茶を飲むのに、適した形です。碗の内のせり上がりで、茶が止まり、
啜り(すすり)に従って、少しずつ口に入る様にした形状です。
⑥ 蛤(はまぐり)口
口縁の最上部が、蛤の合口の先端の様に、薄く尖ったもので、楽茶碗に見られます。
尚、楽茶碗の口造りで、五つ程の凹凸を、五岳または五峰(ごほう)といいます。
この口造りの、凸凹を、山道と呼び、大きな見所となります。
⑦ 樋口(といくち)
口縁に箆(へら)による、細い溝の切り回しが、施された物です。伊羅保や、柿の蔕(へた)茶碗の
一つの約束事に、成っています。
⑧ 片口(かたくち)
鉢などの器の一部を、外側に引き出し、注ぎ口を設けた物です。
昔は、両口と言い、向かい合わせで、二箇所の注ぎ口が、付いた物がありました。
尚、現在では、装飾的な要素が、多くなっています。
⑨ その他の口造り
アンコウ口、くり口、十王口、織部口などの、名前の付いた、口造りが有りますが、
詳細は省略します。
2) 口を上から見た場合の形
真円形が基本の形で、小判形(楕円)、沓形、四角、三角、筆洗(ひっせん)形、桃形、州浜(すはま)、
多福形など、多様な形が、あります。 真円から、変形させて、形作る事が多いです。
以上で、口造りの話を、終わります。
口(口縁、こうえん)の造り方によって、作品の表情は、大きく変ります。
一般に、磁器(石物)は、肉厚が薄い傾向にあり、陶器(土物)は、やや厚めにします。
口の薄い陶器は、貧弱に見える事と、磁器よりも、強度が落ちる為、厚く作る必要も、有るからです。
・ 口の造り方は、「こしき口」と「姥口」の、2種類が基本的です。
「こしき口」は、凸状に、出っ張っている形で、「姥口」は、凹状にへこんだ、形です。
1) 口造りの種類 以下、代表的な、口造りを述べます。
① 玉縁(たまぶち)
壷などやや重量の有る、大きな作品に、多い造りです。
口縁の捻り返し(ひねりかえし)に、厚みを持たせ、丸みを帯びた、紐状の形です。
捻り返しは、外側に捻ります。作品に応じて、捻る量を調節し、太い細いを、決めます。
② 端反(はたぞり)
口縁を外側に反らせた形で、水(液体)を入れる容器(花瓶、徳利、茶碗など)に、
多く見受けられます。液体が、自然と流れ出易い、形となります。
③ 直口(すぐくち)又は、立口(たちくち)
胴から垂直に、真直ぐ立ち上がった形で、竹を真横に切った様な、感じです。
最もシンプルな、形ですので、花入などに、好まれる方も、多いです。
④ 姥口(うばくち)
蓋の有る焼き物の、蓋受け部分も、この形のものが、多いです。
口の周辺が、高く盛り上がり、内側は一段低くなった形です。
歯の無い老婆の 口を、連想させる事から、この名前が付いています。
⑤ 鼈(すっぽん)口
天目茶碗に、見られる口縁で、碗の立ち上がりが深く、口縁で、一度内側に絞ってあり、
すっぽんの頭の形を、しているので、鼈口といいます。
この形状は、熱い抹茶を飲むのに、適した形です。碗の内のせり上がりで、茶が止まり、
啜り(すすり)に従って、少しずつ口に入る様にした形状です。
⑥ 蛤(はまぐり)口
口縁の最上部が、蛤の合口の先端の様に、薄く尖ったもので、楽茶碗に見られます。
尚、楽茶碗の口造りで、五つ程の凹凸を、五岳または五峰(ごほう)といいます。
この口造りの、凸凹を、山道と呼び、大きな見所となります。
⑦ 樋口(といくち)
口縁に箆(へら)による、細い溝の切り回しが、施された物です。伊羅保や、柿の蔕(へた)茶碗の
一つの約束事に、成っています。
⑧ 片口(かたくち)
鉢などの器の一部を、外側に引き出し、注ぎ口を設けた物です。
昔は、両口と言い、向かい合わせで、二箇所の注ぎ口が、付いた物がありました。
尚、現在では、装飾的な要素が、多くなっています。
⑨ その他の口造り
アンコウ口、くり口、十王口、織部口などの、名前の付いた、口造りが有りますが、
詳細は省略します。
2) 口を上から見た場合の形
真円形が基本の形で、小判形(楕円)、沓形、四角、三角、筆洗(ひっせん)形、桃形、州浜(すはま)、
多福形など、多様な形が、あります。 真円から、変形させて、形作る事が多いです。
以上で、口造りの話を、終わります。