わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問 70釉が水色に成る

2025-01-11 11:48:23 | 質問、問い合わせ、相談事

ララ様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します

 

陶芸初心者です。

近江グレー土に、海外の白い釉薬を塗って酸化焼成1240℃で焼いたところ、い

つもは白い釉薬が水色になっていました。なぜ水色になったのかが知りたて答

えを探してるうちにこちらへ辿り着きました。

近江グレー土のどんな成分と、釉薬のどんな成分が反応したのか…

この白い釉薬にはどんな原料が使われていてなぜ水色になったのか…

どんな事でも構いませんのでご教示いただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

明窓窯より

焼成の熱源が記されていませんので、想像して記します。

1) 近江グレー土は、鉄分などを多く含む土です。

 酸化焼成との事ですが、一部還元焼成に成った可能性は無いですか?

 鉄は酸化焼成では、茶色や黄色等を発色する事が多いのですが、還元焼成で

 は水色や緑色に発色する事もあります。

 今回初めて水色に成ったとゆう事ですか? 以前と何か変わった事は在りま

 せんか?

 例えば、いつもよりも焼成温度が高かったり、焼成時間が長かったり、又は

 作品の傍に他の色の釉を掛けた作品があったりした場合です。

 織部釉の様な銅を使った釉の場合、窯の中で銅が揮発し、傍の作品に添加し

 て色が付いて仕舞う事も有ります。

 銅は基本的には緑色や赤ですが、水色に近い色に成る事も有ります。

2)又、海外の白い釉と反応して発色する事も有ります。

 白い釉と有りますが、それは生の釉が白いことですか?

 (大抵の釉は生の状態では白いものですが。)

 それとも焼き上がりが白く発色する釉との事ですか?

 多分後者の事と思われます。白色にも色々あります。乳白系マット系や素

 地が白色であれば、透明釉でも焼き上がりは白くなります。

3) 海外の釉なら石灰系と思われます。

  (我が国では、灰系の釉も有ります。)

  多くの場合、我が国でもメーカーは釉の成分は秘密ですので、何が入って

  いるかは判りません。

  但し焼き上がり見本は有るはずで、あなた様もこの見本を見て購入したの

  ではないですか?その際、どの素地に施釉したのかは不明ですが、釉には

  水色が出ていなかったのですね。

  だとしたら、多分素地と反応した物と思われます。

4) 他の粘土で試す事です。

  なるべく鉄分の少ない(志野土など)白い土で試みて下し、それで水色が

  出ないなら、素地(近江グレー土)が原因かも知れません。

  又、焼成に問題が有るとしたら、窯詰めの場所を変え試す事です。

5) 作品を見る状態に拠っても色が付いた様に見れる事が有ります。

  即ち、表面の反射光に拠って色が付いた様に見える事です。

  特に、釉が厚く成り過ぎすたり逆に薄過ぎる場合にも、起こります。

  時々見られる現象です。

以上 参考にして頂ければ幸いです。

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質問 69釉裏金彩に付いて

2025-01-04 11:29:46 | 質問、問い合わせ、相談事

はな様より以下のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。


釉裏金彩(といっても、金粉を振る程度ですが)をしたいと思っています。

・高温だと溶けてしまうので、1000度以下の透明釉薬を探しています。

 市販では、楽焼き用の釉薬しか見つかりませんでしたが、かけてみると少し

 白濁していました。


どのような釉薬を1番上にかければ良いと思いますか。


○○系の釉薬を手作りするべき、等ご教授ください。

また、弁柄について


ベンガラの粉末で鉄絵をし、高光沢透明釉というのをかけ、1230度で焼成しま

した。

すると鉄絵が完全に消えてしまいました。

透明釉の材料が良くなかったのでしょうか。

(商品ページを見ても、材料が何なのか書いていませんでした……。)

それとも、温度が高すぎたのでしょうか。

もしよろしければ、ご教授ください。

 

明窓窯より

1)金は一般的には上絵付の方法で、750~850℃で焼き付ける物です。

 現在市販の釉で、楽焼用以外の低温の物は見当たりません。

 ○○系の釉薬を手作りするべき、等ご教授ください。との事ですが残念なら

 当方では不勉強な為、お答えする事はできません。

 市販の釉が無いとゆう事は、作り方が難しいのか、又は安定的に熔けない、

 更には需要が無い為であると思われます。

 又、例えその様な釉を開発した人がいても、調合(レシピ)は公開されない

 でしょう。

 尚、当方で知っている最も低い釉は、1180℃です。

(透明、乳白釉等があります)勿論1230℃でも使用可能です。

 主に、土鍋などの低温焼成用の釉です。 

2)弁柄での下絵付けで、1230℃で絵柄が消失したとの事ですが、一般的には

  発色する温度です。但し以下の場合には、鉄絵が発色しない場合も有りま

  す。

 イ)弁柄の濃度が薄い場合

   但し濃すぎると釉剥げを起こしますので注意。

 ロ)窯の温度が部分的に高温に成った場合

  窯の容量(大きさ)にもよりますが、1230℃に設定しても、それ以上に高

  温に成るのは決して珍しい事では在りません。

  窯の中ではある程度の温度差が有る物です。窯の癖を知り良い位置を選

  んで窯詰めをして下さい。

  特に絵付け面を熱源に向けて窯詰めした場合に注意が必要です。

以上 参考にして頂ければと思います。

コメント (1)
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