3) 粘土を轆轤挽きして型を作る。(前回の続き)
④ 楕円の型を作る。
轆轤は円形の形を作るのは、得意ですが楕円形は苦手です。そこで円形から楕円形に変形させ
楕円の型を作るのが一般的です。勿論、既製品で適度の大きさの楕円の器などがあれば、
十分利用が可能です。
) 轆轤挽きする際、単に丸い皿であれば、中空にする必要はありませんが、楕円形に変形
させる為には、中空の方が変形し易いです。
) 楕円形の外側を使う型を作る。
型の表面を綺麗にする為、上下逆に作ります。即ち、亀板の上に粘土の塊を載せ、土殺し
後に、中心を掘り込み底を抜いてしまいます。作る方法は風船作りの要領で、最上部を
なだらかな曲線にし、閉じた状態の太めの筒を作ります。最上部のなだらかさの形によって
作品の形も変わります。
) 楕円に変形する。
a) 上記亀板から糸で切り離し若干乾燥させます。手で触っても「ベトツク」事が無い程度に
乾燥したら、左右両方から中央に力を加え変形させます。その際、手のみで変形させる
場合や、手板などを使う方法があります。板ですと直線的になりますし、手のみでは歪み
(いびつ)が発生易いです。それ故、手のひら(掌)全体を使い徐々に力を加えます。
一度に変形し過ぎると、元に戻す事が出来なくなりますので、段階を追って力を加えます。
b) 楕円は縦横の比率によって大きく形も変わります。円に近い楕円から、縦横の比が極端に
異なる、細長い楕円形まで様々ですので、好みの形にする際には、縦横の比率を重視して
下さい。
c) 粘土は記憶性がありますので、乾燥すると元の円形に成ろうとして、若干元に戻ります
ので、型はやや強めに加工します。
d) 素焼きの型は「もろい」ですので、作品とは直接関係しない角部は面取りするか、
「R」(丸み)を付けて保護します。
e) 型を使って試作し、型の良し悪しを見極める。
実際に、型に粘土を被せた際、思った通りの作品になるとは限りません。
そこで、型の確認の為の試作をする必要があります。不具合な点があれば補修しますが、
但し、型を削る方向は容易ですが、逆(粘土を盛る)の場合には面倒です。
f) 型の確認が終われば、素焼きを行い完成です。
尚、素焼き後であっても、若干ですが、ヤスリや金鋸などで加工することも可能です。
4) 型を使う時の注意。
① 陶芸を楽しむ人は、同じ型を何個も持つ事は少ないです。一個の場合が多く数個の作品を作る
際には、先に型に被せた土が乾燥し、取り外さ無ければ、次の作品を作る事が出来ません。
急いで、型から離すと作品が変形してしまう場合がありますので、十分乾燥させてから、型から
外します。但し乾燥し過ぎると、収縮し過ぎて型から離れなくなったり、作品に「ひび」が
入りますので注意が必要です。
② 素焼きの型は、石膏型よりも肌理が粗くなり易く、更に、水分の吸収もやや弱く、作品の
乾燥具合もやや遅くなります。
③ 型と粘土の間に布を敷く方法がありますが、型に文様が彫り込まれている場合には、文様が
ハッキリ出ない場合があります。その際には、片栗粉を「まぶし」し直接型に押し当てると、
文様も現れる事も多いです。当然ですが、文様は深く彫り込む程、ハッキリ転写できます。
④ 楕円の型に、平らな粘土を押し付けると、当然粘土に襞(ひだ)がよりますので、襞が出来
ない様にする必要があります。特に型の裾野に出来易く、一気に型に合わせるのではく、徐々
に型に馴染ませます。即ち、出来た大きな襞を出来る数多くの襞にする事です。大きな襞は山谷
の差が大きいですが、数を多くする事で、山谷の差を小さくできます。差が小さくなった段階で、
両手を出来るだけ大きく広げ、頂上より裾野に向かって、型に粘土を押し付けます。
尚、作業には手轆轤上で回転させながら行と、作業がし易いです。
⑤ 型に合わせた粘土の裾野は、場所により高さに差が出ますので、適当な場所で切り取ります。
その際、型に入った状態の方が作業がし易いです。切り取った端面は肉が薄くなりますので、
端面を押して厚みを付けます。型から取り外したら、端面を皮等で拭き取り綺麗に仕上げます。
以下次回に続きます。
④ 楕円の型を作る。
轆轤は円形の形を作るのは、得意ですが楕円形は苦手です。そこで円形から楕円形に変形させ
楕円の型を作るのが一般的です。勿論、既製品で適度の大きさの楕円の器などがあれば、
十分利用が可能です。
) 轆轤挽きする際、単に丸い皿であれば、中空にする必要はありませんが、楕円形に変形
させる為には、中空の方が変形し易いです。
) 楕円形の外側を使う型を作る。
型の表面を綺麗にする為、上下逆に作ります。即ち、亀板の上に粘土の塊を載せ、土殺し
後に、中心を掘り込み底を抜いてしまいます。作る方法は風船作りの要領で、最上部を
なだらかな曲線にし、閉じた状態の太めの筒を作ります。最上部のなだらかさの形によって
作品の形も変わります。
) 楕円に変形する。
a) 上記亀板から糸で切り離し若干乾燥させます。手で触っても「ベトツク」事が無い程度に
乾燥したら、左右両方から中央に力を加え変形させます。その際、手のみで変形させる
場合や、手板などを使う方法があります。板ですと直線的になりますし、手のみでは歪み
(いびつ)が発生易いです。それ故、手のひら(掌)全体を使い徐々に力を加えます。
一度に変形し過ぎると、元に戻す事が出来なくなりますので、段階を追って力を加えます。
b) 楕円は縦横の比率によって大きく形も変わります。円に近い楕円から、縦横の比が極端に
異なる、細長い楕円形まで様々ですので、好みの形にする際には、縦横の比率を重視して
下さい。
c) 粘土は記憶性がありますので、乾燥すると元の円形に成ろうとして、若干元に戻ります
ので、型はやや強めに加工します。
d) 素焼きの型は「もろい」ですので、作品とは直接関係しない角部は面取りするか、
「R」(丸み)を付けて保護します。
e) 型を使って試作し、型の良し悪しを見極める。
実際に、型に粘土を被せた際、思った通りの作品になるとは限りません。
そこで、型の確認の為の試作をする必要があります。不具合な点があれば補修しますが、
但し、型を削る方向は容易ですが、逆(粘土を盛る)の場合には面倒です。
f) 型の確認が終われば、素焼きを行い完成です。
尚、素焼き後であっても、若干ですが、ヤスリや金鋸などで加工することも可能です。
4) 型を使う時の注意。
① 陶芸を楽しむ人は、同じ型を何個も持つ事は少ないです。一個の場合が多く数個の作品を作る
際には、先に型に被せた土が乾燥し、取り外さ無ければ、次の作品を作る事が出来ません。
急いで、型から離すと作品が変形してしまう場合がありますので、十分乾燥させてから、型から
外します。但し乾燥し過ぎると、収縮し過ぎて型から離れなくなったり、作品に「ひび」が
入りますので注意が必要です。
② 素焼きの型は、石膏型よりも肌理が粗くなり易く、更に、水分の吸収もやや弱く、作品の
乾燥具合もやや遅くなります。
③ 型と粘土の間に布を敷く方法がありますが、型に文様が彫り込まれている場合には、文様が
ハッキリ出ない場合があります。その際には、片栗粉を「まぶし」し直接型に押し当てると、
文様も現れる事も多いです。当然ですが、文様は深く彫り込む程、ハッキリ転写できます。
④ 楕円の型に、平らな粘土を押し付けると、当然粘土に襞(ひだ)がよりますので、襞が出来
ない様にする必要があります。特に型の裾野に出来易く、一気に型に合わせるのではく、徐々
に型に馴染ませます。即ち、出来た大きな襞を出来る数多くの襞にする事です。大きな襞は山谷
の差が大きいですが、数を多くする事で、山谷の差を小さくできます。差が小さくなった段階で、
両手を出来るだけ大きく広げ、頂上より裾野に向かって、型に粘土を押し付けます。
尚、作業には手轆轤上で回転させながら行と、作業がし易いです。
⑤ 型に合わせた粘土の裾野は、場所により高さに差が出ますので、適当な場所で切り取ります。
その際、型に入った状態の方が作業がし易いです。切り取った端面は肉が薄くなりますので、
端面を押して厚みを付けます。型から取り外したら、端面を皮等で拭き取り綺麗に仕上げます。
以下次回に続きます。