陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
7) 窯出しに付いて。
窯出しは緊張と不安もありますが、どの様に焼き上がっているかの期待もある作業です。
何度経験してもこの感覚は変わりません。
① 窯出しの準備。
② 扉を開けて内部を観察します。
③ 窯出しの実施。
ⅰ) 窯の上部から取り出すのが一般的です。
ⅱ) 棚板一枚に載せてある作品を全て取り出したら、その棚板を取り除きます。
(以上までが前回の話です。)
ⅲ) 窯出しには時間を掛ける事。
急いでいるからと言って、窯の中の作品を次々と外に出すのは、勿体無い事です。
なぜなら、窯焚きを終えた窯の中には、貴重な事柄が多く残っているからです。
イ) 同じ釉を掛けた作品でも、同じ色艶に焼き上がっている事は稀です。
量産的な工業作品ならば、同じ様に焼き上がらない事は大きな欠点に成りますが、少量の
作品を焼く個人の窯では、焼き上がりが異なるのは極自然な事とも言えます。更に言えば
焼成する度に異なる表情の作品に仕上がる事が、窯焚きの醍醐味とも言えます。
ロ) いつもと同じ様に焼成しても、焼き上がりが異なる主な理由は、窯詰めの際の作品の
位置が違う事です。
当然ですが、窯内のその位置は作品一個が置けるだけです。その周囲も同じ様な環境です
ので似通った色艶に成りますが、一番良い位置から「ずれる」事で差が出易いです。
ハ) 釉の種類によって良い色艶に焼きあがる場所は自然に判ってきます。
何度も本焼きを繰り返すと、この釉はこの位置又はこの周辺が良いと言う事が次第に判る
様になります。但し絶対この場所が確実と言う場所はありません。そこが窯焚きの難しさ
です。良く焼けた(良い色が出た)場所は、場所を記録しておく事が大切です。
ニ) 場合によっては窯変と呼ばれる色艶にに焼き上がる事もあります。
常に出る事は稀ですが、何らかの偶然によって思わぬ幸運に見舞われる事もあります。
多くの場合、一窯の中でよく出来たと思われる作品は、数個と言われています。場合によって
全てが不出来の場合もあります。良くできた場合と不出来の場合には何らかの差があるはず
です。次回の窯で成功させる為にも、窯詰め位置や作品の向き(方向)、焼成記録や窯の
操作記録、その他のデータを突合せ原因を突き止める事が大切になります。勿論窯出し時に
はその様な余裕はありませんが、窯出し時には、作品の良し悪しや色艶の変化等の記録を残
すべきです。後で思い出そうとしても、よほど印象に残った作品でないと思い出す事が難し
くなります。一々ノートに書く事が出来なくても、メモ用紙などに記載し作品に貼り付けた
り、作品を並べたそばに置いて置くことが後々役にたちます。勿論一人で窯出しを行う場合
には十分対応可能ですが、数人で行う場合には、連携プレーが大切ですので、どの様に窯出
しを行うかは、予め相談して置く事です。
ホ) 割れやヒビの入った作品は別の場所に置き、後でその処理方法を検討する事に成ります。
助かる作品と助からない作品があります。この件は後ほどお話します。
④ 窯出し後の処置。
ⅰ) 数人の作り手の作品を焼く共同窯の場合、人毎に作品を集める必要があります。
共同窯でない場合には、作品毎に集めます。その際作品の大きさ別に仕分ける方法と、釉の
種類毎に仕分ける方法があります。出来れば釉の種類別に仕分ける事をお勧めします。
勿論、どの釉を使って焼き上げた作品であるかが、判っていなければ成りません。
前に述べましたが、同じ釉であってもその表情は大きな差が出る事が多いです。特に還元焼成
の場合が多いです。 薪窯となると一層変化が大きくなります。
ⅱ) 良く焼けた作品は、特に良く観察する事。
以下次回に続きます。
結果を招く事は多いです。
7) 窯出しに付いて。
窯出しは緊張と不安もありますが、どの様に焼き上がっているかの期待もある作業です。
何度経験してもこの感覚は変わりません。
① 窯出しの準備。
② 扉を開けて内部を観察します。
③ 窯出しの実施。
ⅰ) 窯の上部から取り出すのが一般的です。
ⅱ) 棚板一枚に載せてある作品を全て取り出したら、その棚板を取り除きます。
(以上までが前回の話です。)
ⅲ) 窯出しには時間を掛ける事。
急いでいるからと言って、窯の中の作品を次々と外に出すのは、勿体無い事です。
なぜなら、窯焚きを終えた窯の中には、貴重な事柄が多く残っているからです。
イ) 同じ釉を掛けた作品でも、同じ色艶に焼き上がっている事は稀です。
量産的な工業作品ならば、同じ様に焼き上がらない事は大きな欠点に成りますが、少量の
作品を焼く個人の窯では、焼き上がりが異なるのは極自然な事とも言えます。更に言えば
焼成する度に異なる表情の作品に仕上がる事が、窯焚きの醍醐味とも言えます。
ロ) いつもと同じ様に焼成しても、焼き上がりが異なる主な理由は、窯詰めの際の作品の
位置が違う事です。
当然ですが、窯内のその位置は作品一個が置けるだけです。その周囲も同じ様な環境です
ので似通った色艶に成りますが、一番良い位置から「ずれる」事で差が出易いです。
ハ) 釉の種類によって良い色艶に焼きあがる場所は自然に判ってきます。
何度も本焼きを繰り返すと、この釉はこの位置又はこの周辺が良いと言う事が次第に判る
様になります。但し絶対この場所が確実と言う場所はありません。そこが窯焚きの難しさ
です。良く焼けた(良い色が出た)場所は、場所を記録しておく事が大切です。
ニ) 場合によっては窯変と呼ばれる色艶にに焼き上がる事もあります。
常に出る事は稀ですが、何らかの偶然によって思わぬ幸運に見舞われる事もあります。
多くの場合、一窯の中でよく出来たと思われる作品は、数個と言われています。場合によって
全てが不出来の場合もあります。良くできた場合と不出来の場合には何らかの差があるはず
です。次回の窯で成功させる為にも、窯詰め位置や作品の向き(方向)、焼成記録や窯の
操作記録、その他のデータを突合せ原因を突き止める事が大切になります。勿論窯出し時に
はその様な余裕はありませんが、窯出し時には、作品の良し悪しや色艶の変化等の記録を残
すべきです。後で思い出そうとしても、よほど印象に残った作品でないと思い出す事が難し
くなります。一々ノートに書く事が出来なくても、メモ用紙などに記載し作品に貼り付けた
り、作品を並べたそばに置いて置くことが後々役にたちます。勿論一人で窯出しを行う場合
には十分対応可能ですが、数人で行う場合には、連携プレーが大切ですので、どの様に窯出
しを行うかは、予め相談して置く事です。
ホ) 割れやヒビの入った作品は別の場所に置き、後でその処理方法を検討する事に成ります。
助かる作品と助からない作品があります。この件は後ほどお話します。
④ 窯出し後の処置。
ⅰ) 数人の作り手の作品を焼く共同窯の場合、人毎に作品を集める必要があります。
共同窯でない場合には、作品毎に集めます。その際作品の大きさ別に仕分ける方法と、釉の
種類毎に仕分ける方法があります。出来れば釉の種類別に仕分ける事をお勧めします。
勿論、どの釉を使って焼き上げた作品であるかが、判っていなければ成りません。
前に述べましたが、同じ釉であってもその表情は大きな差が出る事が多いです。特に還元焼成
の場合が多いです。 薪窯となると一層変化が大きくなります。
ⅱ) 良く焼けた作品は、特に良く観察する事。
以下次回に続きます。